【代表取締役 洞渕 嘉成氏の足跡】
大阪府出身。大学卒業後、アパレル会社に入社し3年ほど営業経験を積む。その後、兄が経営する進学塾で約11年にわたって講師・教室長を務め、父が立ち上げた酒類輸入会社で営業にも携わる。1990年から『明和開発』に移り、ショッピングセンターの館長や専務などを歴任。2008年に同社の代表取締役に就任した。一時は塾講師と不動産の仕事を兼務していたこともあり、持ち前のエネルギッシュな姿勢で積極的に行動し、街の活性化を目指している。
佐藤 企業は人なりということで、まずは洞渕社長の歩みから伺います。
洞渕 学業修了後はアパレル会社で3年ほど経験を積みました。その後は兄が経営する進学塾で講師を務めたり、新たに父が立ち上げた酒類輸入会社で営業に携わったりして、様々な仕事を経験。『明和開発』には1990年に入社し、ショッピングセンターの館長や専務などを経て2008年に現職に就任しました。
佐藤 賃貸は店舗を中心に?
洞渕 そうです。私どもが管理している「千代田ショッピングセンター」には、「西友」や生鮮食品を専門に扱う「生鮮市場ばんばん」などがテナントとして入っています。
佐藤 西友といえば大手ですし、心強いでしょう。
洞渕 そうですね。とはいえ、西友は大手スーパーの中で比較的早く債権を放棄し、その後ウォルマートに吸収されて子会社になったという経緯があります。その影響もあってか、この近辺にあった西友の2店舗が最近撤退したばかり。店舗のオーバーフローなど様々な要素が重なって、今、小売業は厳しい状況が続いています。そういう時代だからこそ、テナントとの関わり合いが大切なんです。
佐藤 どちらかというと不動産賃貸業にはドライなイメージがありましたが、お話を伺って印象が変わりました。
洞渕 確かにこの業界は競争が激しく、ときには金銭面を優先しなければならないことも。しかし、私どもはあくまでテナントとの良好な関係を重視しているのですよ。利害関係の絡む仕事だからこそ、誠意が大切だと考えているのです。
佐藤 なるほど。しかし会社を経営し、利益を出していくためには、ときには非情にならなくてはいけない場面もあるのでは?
洞渕 一般的には不動産賃貸業では利益を出すべく合理的な判断を求められる場面が多いかもしれません。しかし、そのやり方ではテナントとオーナーのどちらともが幸せになることはできません。私どもは両者が笑顔になれる関係を望んでいるのです。そういったことから、当社は自らの利益を追い求めるばかりではなく、テナントの成長をサポートしています。特に今のような不景気な時代ですと、経営状態の芳しくない店舗も多い。そんなとき、テナントが困っているのをただ黙って傍観しているのと、「貴店の業績が回復することを信じています。できる限りの協力をしましょう」と呼びかけるのとでは、全く違ってくると思うのです。
佐藤 御社は後者であると。
洞渕 もちろんです。当社では基本的にテナントとの共存共栄を目指していますから、テナントの経営状態が芳しくないなら良くなるよう心から応援しますし、できる限りの協力もさせて頂きます。そして一緒に業績回復への道を探るようにしているんですよ。そうした経緯があって、結果として店子の懸命な経営努力が実り、再びお店に活気が賑わってくると、本当に嬉しいですね。
佐藤 先のお話に戻ると、近隣の2店舗が撤退する中で「千代田ショッピングセンター」内の西友さんが残ったのは、その結果と言えそうですね。
洞渕(美) 嬉しいことに「千代田ショッピングセンター」は毎日たくさんの人で賑わい、売り上げも好調なんですよ。テナントも私たちもほっとするとともに、感謝しています。やはりお互いに協力し合うことが大切だと思います。
佐藤 そういった共存共栄の考えは、どなたかに影響を受けられて?
洞渕 先代の考えを受け継いでのことです。父は自分の懐が潤うことよりも街がより良くなればという考えの持ち主で、実に堅実な経営方針を貫いていました。ゼロからスタートしたにも拘わらず、バブル期を経ても残った理由はその方針にあります。そんな先代が心血を注いで立ち上げた事業だからこそ、経営スタイルも含めて大切に守りたいのです。
洞渕(美) 社長も実に堅実な経営スタイルを実践しており、当社は現在まで一度も赤字を出したことがないんですよ。
佐藤 この不況下でそれだけの結果を出せるのは素晴らしいことですね。では最後に今後の展望をお願いします。
洞渕(美) 先代に対する感謝の気持ちを忘れずに、周囲の人と感謝し合える仕事をしていきたいですね。
洞渕 建築基準法や消防法の規定が厳しくなり不安定要素もありますが、小さなことを積み重ね、こちらの誠意を相手に伝えていく姿勢はこれからも変わりません。先代からの教えを守り、どのようなテナントとも分け隔てなくおつき合いし、互いに協力し合える信頼関係をつくっていきたいですね。それが愛着ある地元の街を活性化していくことにつながっていくのだと思います。また、今後は新たなビル開発もしていきたいですね。決して容易なことではありませんが、果敢に挑戦していく所存です。
▲「千代田ショッピングセンター」には、「西友」や「生鮮市場ばんばん」などおなじみの店舗がテナントとして入り、毎日多くの人で賑わう
「先代が心血を注いだ事業だからこそ、大切に守り抜いていきたいのです」(代表取締役 洞渕 嘉成)
「テナントさんとお互いに感謝し合える関係を築きたいですね」
(総務マネージャー 洞渕 美佐緒)
【本社】
大阪府河内長野市木戸西町2丁目1番20号
千代田ショッピングセンター内
【本部】
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