三ツ木 こちらのクラブはどういった経緯で始められたのでしょう。
小池 もともとこの場所には、別の乗馬クラブがありましてね。その跡地を利用し、競技会を目指す人を主な対象者としてトレーニングとレッスンの場を提供しようと、昨年の2月にオープンしました。基本的にはオーナーホースで乗馬を楽しんで頂き、競技会を目指すという方針で、ここにいる馬の約7割は各オーナーが所有しています。
三ツ木 小池社長ご自身はいつごろから乗馬に親しまれてきたのですか。
小池 小学生のときに両親とともに乗馬を習い始めました。最初は高さやスピード、落馬などに恐怖心を覚えましたが、それを乗り越えてジャンプができるようになるともう楽しくて…。競技会に出場するようになってからも幾度となく壁にぶつかりましたが、その度に目標を成し遂げたいという強い思いで練習を重ね、困難を乗り越えてきました。
三ツ木 そういったご苦労は指導面でも大いに役立っていることでしょうね。
小池 ええ。審判員にジャッジされる競技会に参加することで、緊張感ある場で自分のプレーに集中する力を身につけることができ、実に多くの収穫を得られました。そういった経験はここへ来られる皆さんにも体験して頂きたいですね。当クラブでは現在、私が馬術競技の中でもジャンプを競う障害を、妻がドレッサージュを専門に指導を行っております。
三ツ木 ドレッサージュとは?
小池 スケートにたとえると技術や美しさを競うフィギュアのような競技です。一箇所で異なる種目を指導しているクラブは少ないので、ジャンプもドレッサージュも指導できるという点が当クラブの大きな特徴となっています。
三ツ木 なるほど。しかし経営者としてのお仕事と、選手としての活動を両立させていくのは大変でしょう。
小池 決して楽ではありませんね。経営者としてクラブの利益は考えなければいけませんが、選手としての活動も決して疎かにはできない。その線引きが難しいところです。しかし与えられた環境を最大限に活かし、必要なトレーニングを実行することで、以前よりもレベルの高い競技会にも参加できるようになりましたし、クラブの経営に携わることによって考え方も良い方向に変わってきましたので、一歩前進できたという手応えを感じています。
三ツ木 選手としての目標を伺います。
小池 現在は大障害に出場していますが、来年からはより本格的にトレーニングを行い、世界的な競技会で優勝を目指していきます。そして、その先の夢はオリンピックに出場することですね。
三ツ木 大きな目標をお持ちですね。
小池 しかしその実現には遠征中にクラブを任せられる人材や資金が必要ですしバックアップして下さる人の協力あってこその目標です。また、自分の夢を追うばかりではなく、お客様が競技会に出場して良い成績を残せるようサポートすることも私どもの大切な使命。皆で一丸となって指導に当たりたいと思います。
▲奥様の小池はるか取締役、愛馬フリードリヒを交え、ゲストインタビュアーの三ツ木清隆氏とともに記念撮影