三原 社長は地元沖縄のご出身ですか。
尾村 いいえ。出身は東京でして、ずっと旅行業界にいました。こちらに来たのは今から4年ほど前で、当社もそのころから組織を一新してきたのですよ。最初は地元の方とも距離がありましたが、今では仲良くお付き合いさせてもらっており仕事上でもよく助けて頂いています。沖縄には良い意味で昭和のような雰囲気があって、皆さん義理人情に篤く温かい。私自身も昭和型の人間ですので、すっかりこの土地に魅了されてしまいました。
三原 沖縄を愛する心が滲み出ていらっしゃいますね。では御社の業務内容について教えて下さい。
尾村 当社はレンタカー業を中心に旅行業やパーキング運営などを行っています。一番特徴的なのは、全ての車がリースではなく所有車であるところですね。契約期間が限られるリース車に比べ、当社は長く車を使える分、費用対効果が高く、格安でお客様にお貸しすることができるんです。中でも1カ月単位のマンスリーレンタカーは、Sクラスのレギュラーシーズンで29,800円。中古車を買うよりも安く、気軽に利用できると多くの方からご好評を戴いています。
三原 沖縄が好きな方は観光でも長期滞在されますから、需要も多いでしょう。
尾村 ええ。それに沖縄はどこへ行くにも車がないと不便ですからね。パッケージ旅行で来られたお客様がプランにはない夜の観光を楽しみたいとおっしゃるケースも多く、その声に応える形でミッドナイトレンタカーも始めました。また、深夜に那覇空港に到着するスカイマーク便に対応しているのも当社だけ。この春からはガソリン付きで3,900円という格安プランも開始しますし、車内でインターネットができるようモバイルパソコンを搭載したビジネスレンタカーも予定しています。お客様の細かなニーズに目を向け、都度応えられるようスタッフ全員がアンテナを張っているのですよ。
三原 アイデア次第で色々なニーズが掘り起こされるのですね! その発想力が他社さんとの差別化につながっているのだと思いますし、リピート率も高まってきているのではありませんか。
尾村 ええ。有り難いことに、沖縄に来られる度に当社をご指名下さる方もいますし、地元の方がパーキングを利用して下さる率も高まってきています。軌道に乗るまでには苦節もありましたが、それがやっと実を結んできたかなという感じですね。
三原 これからますます成長されそうです! 会社として目指す方向性など、具体的な展望をお持ちでしたらお聞かせ下さい。
尾村 沖縄に根差す会社──いわゆる“琉球企業”になりたいですね。独立国だった歴史背景もあってか、沖縄は他府県にはない独自性が強いでしょう。地元の方々も郷土愛に溢れ、ここに来て4年の私でさえ東京や他地域に行く度に「沖縄に早く帰りたいな」と思うぐらい(笑)。企業のマーケットも特殊でして、やはり地場企業には根強い人気があります。当社もその中に加えてもらえるよう、これからも地域に貢献できる取り組みを進めていきたいですね。