より良い保育環境を目指し地域と一体となって施設を築く

病児病後児保育 24時間型緊急一時保育 地域子育て支援 民間移管 社会福祉法人 あおぞら あおぞら・あおぞら第2・あおぞら谷津保育園・あおぞら病後児保育室さくらんぼ 理事長/医学博士 井崎 和夫

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─略歴

「困っている人の“今”を見つめて
理想的な福祉の形を作り出す」
誰もが何の不安も抱かずに生活を送れる社会──すなわち福祉のあるべき姿について、『社会福祉法人 あおぞら』の井崎理事長は長年考えてきた。その中で理事長が実践してきたのは、支援を必要としている人の現状にスポットを当てていち早く対処にあたることだ。理事長は「困っている人の“今”を少しでも良くするために私ができることは何かと考え、その都度導き出した答えを精一杯全うしてきただけです」と話す。一人ひとりの“今”に注目した取り組みが多くの人々の安定した暮らしを支えることにつながり、そして豊かな地域づくりに一役買っているのだ。
【足跡】 30代半ばまで都内の大学病院に勤め、昭和41年に外科医院を開業する。その後胃腸科、一般内科の診察も行いながら経験を積み、『あおぞら保育園』の嘱託医に。そして平成3年、周囲の強い要望に応える形で『社会福祉法人 あおぞら』の理事長に就任し、現在に至る。
『あおぞら保育園』は、創立から55年を迎えた歴史ある保育園。同園を運営する『社会福祉法人 あおぞら』の代表で、医師の資格を持つ井崎理事長は、病児の面倒を見られる施設も同時に運営して地域の人々の要望に応えている。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─対談

穂積 はじめに、理事長の歩みから。

井崎 私はここ横浜出身で、昭和20年に疎開のため一度は別の土地へ移りました。そして昭和30年に横浜に帰り、その後医師の道に進んで昭和41年に外科医院を開業したのです。以来、徐々に診療科目を増やして胃腸科や一般内科も手掛けるようになり、やがて私の子どもを預けていた『あおぞら保育園』から「嘱託医になってほしい」と声をかけて頂きましてね。そこから長年保育園に関わる中で運営にも携わるようになり、平成3年に『社会福祉法人 あおぞら』が認可された際、初代理事長に就任いたしました。

穂積 どのような施設を運営しておられるのですか。

井崎 3つの保育園を運営しています。その中の『あおぞら第2保育園』は、待機児童が増えたことを受けて以前開設していた外科医院を改築し、平成12年に立ち上げました。地域の親御さんたちのご要望にお応えするべく生まれた施設で、私の長年の夢でもあった病後児保育室を併設しています。

穂積 病後児保育室とはどういう施設なのでしょう。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

井崎 病気の回復期にあり安静の必要がある生後6か月〜小学校第3学年までのお子さんを看護師や保育士などの専門スタッフがお預かりする保育室です。『あおぞら病後児保育室さくらんぼ』は横浜市で初めての病後児保育室で、保育園とは入り口が別になっていますし、病状や年齢に合わせて部屋を分けることもできます。また室内は24時間陰圧にして換気している上に明るく、ウッドデッキのテラスもありますので気分転換に外で植物に触れられるのですよ。お子さん2人に対して1人の保育者が配置されていますし看護師も常駐していますので、病気回復期のお子さんを安心して任せて頂くことができるのですよ。

穂積 親御さんたちの強い味方ですね。他にはどういった取り組みを?

井崎 『あおぞら保育園』では、親御さん方の病気や事故、また急な残業や出張などで緊急に子どもを預けなければならなくなったとき、保育所で一時的にお子さんをお預かりする24時間型緊急一時保育を行っております。園の2階に設置された専用保育室は12畳ほどの和室で、キッチン・テレビ・お風呂などを用意して少しでもお子さんの不安を和らげられるよう家庭的な雰囲気づくりを心がけているのですよ。
  また私どもは地域子育て支援事業にも力を入れており、センター園として区内の保育園と連携して合同育児講座や育児相談を行ったり、地域のグループホームのお年寄りとの交流や絵本の読み聞かせなど様々な行事を通して子育て仲間の輪を広げるお手伝いをしています。お子さんを囲んで皆様で寛いで頂けていますし、保育士たちも楽しんでいますね。

穂積 人とふれあう良い機会ですし、何より楽しそうなのがいいですね。理事長が掲げておられる運営方針を教えて下さい。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

井崎 “友達の中で全身を使って思いっきり遊べる子”を目指し、人や自然に触れる中で子どもたち自らが考える力や、思いやりの心などを育むことです。乳幼児期は人格形成の土台を作る大切な時期ですし、未来を担う子どもたちの健やかな成長を支えたいと考えています。そのためには、特に周囲の大人たちが深い愛情を注ぐことが不可欠。保育士たちには常に子どもの目線に立つよう徹底していますし、一人ひとりの個性を輝かせるような集団づくりを目指しています。子育てというのは重大な仕事ですから、私どもだけが行うのではなく保護者の方々や地域の皆様との連携を深めながら責任を持って取り組みたいですね。

穂積 ところで理事長は現在医師としてのお仕事はしておられないのですか。

井崎 開業医を辞めてからは保育所の運営に専念しておりますが、保健所の1歳6か月健診や4か月健診などを担当しています。また、横浜市地域ケアプラザに伺って医療相談に乗ったり健康に関するセミナーを開いており、そちらでは平成12年にスタートした21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」の理念より“健康寿命をめざして”と題して生活習慣病の話をさせて頂き、参加者の方からご好評を戴いているのですよ。活動開始から10年になり100回を迎えました。そうした活動を通して少しでも地域のお役に立てればと思います。

穂積 最後に、今後の展望を伺います。

井崎 子どもを真ん中に置いた社会を作りたい、そして“子どもを育てながら働こう”と頑張っていらっしゃる親御さんたちを支援したい、という思いが保育園の運営を支える原動力です。この思いを実行するためにも職員をはじめ施設に関わる全ての方々とともに信頼の置ける保育所を築き、子育てしやすい町づくりにもつなげていければと思います。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▲病後児保育室にて利用者と園長(写真右)で記念撮影

子ども・保護者・職員、そして地域全体のために
安心して保育ができる環境を

▼1、2歳の子どもは、ちょうど母親からもらった免疫がなくなるため体調を崩しやすく、そこに初めての集団生活という環境が加わると何かしらのウイルスに感染する可能性も高まる。だが、体調の悪い子どもや病気の子どもを預かることについて、「他の子どもへの感染が心配」「人手もスペースも足りない」などの意見があり、保育者も保護者もいつも不安を抱えていた。

▼そんな中、『あおぞら病後児保育室 さくらんぼ』は『あおぞら第2保育園』に併設された。かねてから病後児保育の必要性を感じ、長年開設を計画していたという井崎理事長の念願である同施設は、子どもを預けざるを得ない保護者たちはもちろん、施設で働く保育士たちや体調に不安を抱えながら保護者と離れて過ごさねばならない子どもたちの心強い味方となっている。今後はもっとこうした施設が増えてほしいと言う理事長。安心して子育てができる環境を整え、より良い地域づくりにもつなげることが理事長の何よりの願いなのだ。

対談を終えて
「子どもを預かるだけでなく、保育園を通して地域とのつながりを築いておられる井崎理事長。働く親御さんにとって保育園は地域になくてはならないものですし、より良い保育環境を目指す『あおぞら』さんは信頼の置ける存在なのでしょう。」(穂積 隆信さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名 称
社会福祉法人 あおぞら
住 所
神奈川県横浜市神奈川区六角橋2-34-8
代表者名
理事長/医学博士 井崎 和夫
掲載誌
報道ニッポン 2010年4月号
※代表者名の“崎”は正しくは右上が“立”の異体字です
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