大西 まずは代表の歩みから。
川本 大工職人の父の姿を見て育ち、子どものころから自分もいずれ大工になるのだろうと漠然と考えていたんです。ですから高校を卒業してすぐ職人の世界に入りました。数年父の下で働いた後、修業のために東京など各地で経験を積み、30歳で帰郷。しばらくはハウスメーカーや不動産会社の下請けとして働いていました。
大西 先代の後を継がれたのはいつごろなのでしょう?
川本 2002年ですね。父は地元のお施主様から直接、新築の依頼を請けたり、かつて手掛けた住宅のリフォームなどを中心に事業を展開していました。しかし、最近の若い世代はハウスメーカーを選ばれることが多く、従来のやり方では地元の工務店が生き残っていくのは厳しいと感じていたんです。そこで、私が後を継いだのをきっかけに、これまでの地元のお客様を大切にしながら市外にも活動エリアを広げようと、チラシを配布したり現場見学会を開催するなどして、一人でも多くの方に当社の住宅に触れてもらう機会を増やしていきました。
大西 先代が築かれた地盤を生かしながら、代表ならではの事業を展開しておられるのですね。
川本 また、子育て世代の若いご夫婦でもマイホームが建てられるよう、住宅ローンなど資金計画のアドバイスも行っています。「住宅ローンが大変だから」と、マイホームをあきらめている方々もたくさんおられると思いますが、住宅ローンを上手に利用すれば、生活に負担を掛けずに返済することもできるのですよ。建築業者として、お施主様の理想的な間取りや住宅設備を提案するのは当然のことで、さらに資金計画のサポートも行い、お施主様の夢を叶えるお手伝いができればと考えているんです。
大西 そこまで親身になってもらえると、お施主様も喜ばれているでしょう。
川本 お施主様から感謝や喜びの言葉をいただくことが、私共のやり甲斐です。そのために、施工中の現場の整理整頓や、近隣住人への挨拶には特に気を配っています。そしてお施主様を大切な友人だと考え、その家を造っているんだという心構えを持って、職人さん達もお互いが協力し合い、全員でお施主様に喜ばれる家づくりを追求しています。
大西 代表をはじめとする皆様の苦労が、住まいという形になった時の充実感は、何とも言えないのでしょうね。
川本 そうですね(笑)。また、私は家が完成してから、お施主様との本当のお付き合いが始まると考えています。メンテナンスやリフォームなど、必要な時にはすぐにお伺いできるよう、末永くお付き合いをさせていただきたいですね。
大西 家は単に生活の拠点となるだけでなく、家族の絆を強めたり、思い出が育まれる場でもあります。だからこそ、後々のメンテナンスも任せられる、信頼の置ける業者さんは必須です。御社はそういったニーズにもしっかりと応えておられるのですね。では、最後に展望を。
川本 先ほども申し上げましたが、マイホームを求めておられながらも賃貸住宅にお住まいの方に、家賃と同等の負担でローンが組める住宅を提供するなどしてお施主様が満足していただける家づくりを追求していきます。若手の育成にも力を入れ、60歳ぐらいになって仕事が落ち着けば、仲間が集まれる場所をつくるというのも、一つの夢なんです。
大西 陰ながら応援しています。
▼要望や条件に応じた家づくりをモットーとし、地域から厚い信頼を獲得している『川本建設』。さらに同社は、自然素材にも強いこだわりを持っている。
▼自然素材の代表格である木材は、高温多湿の日本の風土に適した建材だ。素材自身が呼吸するため、室内の湿度をコントロールし、結露やカビの心配を軽減。揮発性物質を使用しない接着剤や塗料を選ぶことで、シックハウス症候群も回避できるという利点もある。
▼さらに、家族の成長やライフスタイルの変化に合わせて、リフォームの手を加えやすいのも木材ならではの特徴だ。また、木材は生活をしていく中で生じる傷なども、歳月と共に独特の風合いにしてしまう懐の深さがある。
▼そうした自然素材の良さを生かしながら、同社は人に優しい住まいを手掛けているのだ。