誰もが安らぎを感じる開かれたお寺づくりを目指す

時宗

 

西向山 光見寺

西澤山 能願寺

住職 服部 智海

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─略歴

創建よりおよそ500年の歴史を誇る古刹『西向山 光見寺』。二十七代目である服部住職は、地域に開かれた安らげるお寺づくりを目指して、様々な活動を行っている。その積極的な姿勢の裏には、実は仏教衰退への危機感が隠されていた──。現代人の信仰心回復を願う、住職の秘めたる思いを伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─対談

大石 まずは、服部住職の歩みからお聞かせください。

服部 父が当寺の住職だったんです。年の離れた兄がいたので継ぐことはないと思っていましたが、資格を持っていれば忙しい時に手伝えるだろうと、僧籍には入っていたのです。ところが、兄は若くして他界しまして……。まだ父が元気だったので、公立学校の教員を務めながらあと継ぎとして修行をすることになりました。そして健康問題を理由に父が引退した7年前より、『光見寺』二十七代目住職を拝命しております。

大石 ご住職になられてから、どのような活動をされていらっしゃるのですか。

服部 気軽に足を運べる、開かれた寺院づくりを行っています。昨年末にはプラネタリウムの機材を購入して、無料鑑賞会を行ったのですよ。カラオケ設備も導入するなど、遊びに来る感覚でお寺へ来てくださればと思っています。

大石 大胆かつ面白い発想ですね。多くの方が持つお寺のイメージとは、少し違うように感じます。

服部 「お寺は敷居が高い所」といったイメージを持っていらっしゃる方は少なくないと思います。かつてはそれで良かったのかもしれませんが、その結果、現代人がお寺と関わることが極端に減ってしまいました。

大石 最近は「僧侶の仕事は葬式と法事だけ」と思いこまれている方もいるとか。

服部 無論、葬儀や法事など故人を弔い、遺された方々の心を癒す厳粛な儀式で仏様のお言葉を伝えることは、我々にとって重要なお勤めではあります。ですが、それだけに終始していては、いずれ宗教は廃れてしまうでしょう。今は家庭や学校で宗教を教えることはほとんどなく、お寺と交流する機会もありません。それでは仏教の魅力など伝わるはずもない。まずは、お寺に足を運んでいただける工夫をしなければ。

大石 かつては寺子屋などで読み書きを教わったり、ご住職に相談事を持ち込んだりと、地域社会のコミュニケーションの場としてお寺がありましたよね。

服部 ええ。人々の心が疲れ切っている時代だからこそ、もともと持っていたお寺の機能を、現代に合った形で蘇らせたいのです。まずはこちらから地域の方々に歩み寄り、お寺に親しみを持ってもらうことが第一歩。その後、必要であれば助言をしたり、仏様のお言葉をお伝えすればいい。私にどれだけの事ができるかは分かりませんが、今は行動あるのみと心得て頑張っていきたいですね。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真
対談を終えて
「開かれたお寺づくりを目指して奔走される服部住職。檀家様だけでなく、一般の方も活用できる場所でありたいとのことでした。隣近所との関わりまで少なくなっている現代こそ、多くの人が寛げる場所が必要でしょうね」(大石 吾朗さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名 称
時宗 西向山 光見寺
住 所
茨城県筑西市樋口354
代表者名
住職 服部 智海
名 称
時宗 西澤山 能願寺
住 所
栃木県真岡市三谷367
掲載誌
現代画報 2010年3月号
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