代 表 |
金 一国 |
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師範・五段 |
渡嘉敷 金代表がテコンドーを始められたきっかけからお聞かせ下さい。
金 私は幼いころ、温和しい子どもでして、親から「テコンドーを習ってはどうか」と勧められ、中学1年生のときに始めました。最初はあまり乗り気ではなかったのですが(笑)。
渡嘉敷 のめり込まれたのはいつごろからですか。
金 私が長年住んでいた東京では大会も開催され、当時、代々木で行われていた「全日本テコンドー選手権大会」には第一回から出場しておりましてね。そこで賞を戴いたり、日々の練習の成果が出て、黒帯に上がった辺りから、強くなりたいと願うようになりました。それも全て「物事には必ず原因と結果があるのだ」と教えて下さった師範のおかげです。色々な側面から物事を見られるようになり、身体とともに心も鍛えることができたのですよ。
渡嘉敷 良い先生に出会えたのですね。道場を開かれたのはいつでしょう。
金 東京には知人の道場もすでに多くあったので、27歳のときに知り合いがいた高知へ移り30歳で道場を開きました。現在は道場だけでなくスポーツクラブでもテコンドーを教えていますし、お子さん向けにトランポリン教室を開いたり、高齢者を対象にストレッチ体操の教室なども行ったりしています。
渡嘉敷 今までで一番苦労されたことは何でしょうか。
金 始めたころは運動不足だったため腰椎を傷め、今でもずっと腰痛持ちですね。そのため、人より時間をかけねばできないことがたくさんありました。蹴りなどで必要な開脚も、できるようになるまで10年かかりましたよ。
渡嘉敷 時間がかかっても努力を惜しまず、苦しさと闘って段を取られたのは素晴らしいことですね。全ての格闘技は人格形成に役立つものだと思うのですが、その中で代表が持つ信念とは?
金 テコンドーでなくても良いのですが、何かを始めるならば、理由をつけずにとにかく始めること。そしてそれを、最後までやり通すこと、ですね。そうすれば自分に自信が付き、何事にも負けない精神力と他者を思いやる優しさが身に付くと思うのですよ。
渡嘉敷 正に代表ご自身が身をもって学ばれたことでしょう。では最後に今後の展望をお話し下さい。
金 今の日本は、東京に人が集まるという流れができあがっています。そうではなくて、地方で頑張る人たちがもっと増え、そこから中央に発信していける状況を作れたら面白いと思いますね。私としてはテコンドーの選手を育てて、空手やボクシングなど他の格闘技ともつながりを築きつつ競合できるような土台を作っていきたいと考えています。