吉沢 まずはじめに、井浦社長の歩みからお聞かせ下さい。
井浦 出身は、ここ会津若松です。正直に言いますと私は裕福な家庭に育ったわけではなく、高校卒業後は「少しでも良い暮らしを送りたい」と職を転々としていました。そして目の前の仕事に一所懸命取り組みながら一歩ずつステップアップしていく中で、人材派遣会社で働くこととなりましてね。そちらで実績を積み重ねた後、有志で集まって栃木県宇都宮市に人材派遣会社を設立したんです。
吉沢 そこから新たに、会津若松で会社を立ち上げようと思われたきっかけは?
井浦 宇都宮の会社では、周囲の仲間たちの協力もあり、社内での目標をある程度達成したという思いがありました。そんな中、世界同時不況が発生し、地方の雇用情勢が悪化の一途を辿っている現状を目の当たりにしたんです。会津若松を離れたころから、いずれは地元に戻りたいと考えていましたし、「派遣切りやリストラに遭い、職を求めておられる方々のお役に少しでも立ちたい。それが私を育ててくれた地元の人々への恩返しにもなる」との思いで、この地に人材派遣会社を立ち上げる決意を固めました。
吉沢 郷土を愛し、地元に貢献したいという社長の熱意が、『プロテックス』さんの設立につながったのですね。実際にスタートされて、いかがですか。
井浦 ありがたいことに、「井浦がやるんだったら」と大勢の仲間が協力してくれ、広告を出していないにもかかわらず、素晴らしい人材が集まってくれました。お陰様で、派遣先企業の方々からも非常に高い評価を戴いているんですよ。
吉沢 良いスタートを切られたようですね。お仕事上ではどういったことを大切にされているのでしょう?
井浦 誰に対しても、とにかく正直に接することです。例えばミスをおかしたとき、人はついごまかそうとしてしまいますよね。しかし、それも結局はお客様に見透かされ、信頼を失うことにつながります。だからこそ私は、ミスをおかしたときには絶対にごまかさず、正直にお話ししてリカバリーに全力を尽くしているんです。ですから、お客様との駆け引きはあまり上手くないんですよ(笑)。
吉沢 けれど、その実直な姿勢こそが、周囲の方々の信頼を獲得している何よりの要因だと思います。今日までを振り返られて、いかがですか。
井浦 実は当社の関連会社である「プロテック サービス」の渡部社長は、私が“師”と仰ぐ方でしてね。社長とは今から20年前に出会って以来、ときに大喧嘩をしながらも、互いに認め合い、切磋琢磨してきました。そんな社長をはじめ、素晴らしい出会い・仲間に恵まれたからこそ今の私があると思いますし、皆さんには本当に感謝の気持ちで一杯です。だからこそ、これからも周囲を信じ、自分にも周囲の人にも正直な仕事を追求していく所存です。そして公的機関とも協力関係を築きながら、雇用環境の改善に一層力を注いでいきたいですね。微力ではありますが、当社の活動を通して職探しに悩んでおられる方々のお役に立ち、この地に住む皆様が安心して暮らせる社会を築くために、努力して参ります!