渡嘉敷　まずは社長の歩みから。社長はまだ20代とお若いですが、早くから独立を考えていらっしゃったのですか。

新谷　そうですね。自分で事業を手掛けたいという夢は持っていました。父は電気工事の仕事に従事しており、小さいころは現場に連れて行ってもらっていたんですよ。家庭では見られない父の一面に触れ、憧れを感じていました。その影響もあって、高校の電気科で学んだ後は、電気関連の会社に就職したのです。その後、空調工事の会社に就職。そこで経験を積んだ後、勤務先で知り合った大迫専務と共に独立しました。父も私の独立をとても喜んでくれ、当社の仕事を手伝ってくれることもあるんですよ。

大迫　前勤務先で新谷社長と知り合い、最初はそれほど話をしなかったのですが、親しくなるにつれ、一緒に事業を手掛けたいという思いが芽生えるようになりました。資金を貯め、準備が整った約4年前に、当社を立ち上げたのです。

新谷　同業者は多いですが、電気工事や空調工事などは、それぞれに特化して事業展開している会社がほとんどなんです。そこで、それらの技術を有している専務と私で、電気工事と空調工事の二本柱で事業を展開していけば、同業他社との差別化を図れるのではと考えました。実際に事業をスタートしてからも、電気工事の依頼があったお客様から、空調工事も同時に頼まれることが多いですね。

大迫　また、まだ20代という若さも当社の大きな売りですね。体力には自信がありますから、昼夜を問わず、依頼があればすぐに現場に入れます。活動エリアも広く、先日は鹿児島の現場を手掛けてきたところなんですよ。

渡嘉敷　滑り出しは順調のようですね。

新谷　全くのゼロからのスタートだったのですが、同業者の現場を手伝わせてもらったりするうちに、徐々に仕事を紹介されるようになりました。現場で一緒になる同業者の方からも可愛がっていただけたことが本当にありがたかったです。

渡嘉敷　それだけ周囲を惹きつけるのは、技術力もさることながら、皆さんの人柄が素晴らしいからだと思いますよ。

新谷　そう言っていただけるとうれしいですね。そうしたお客様の期待に応えられるよう、現場では完璧な仕事を徹底しています。特に仕上がりには気を配っているんです。目に見えるところがきれいでなければ、いくら設備の調子が良くとも、快適な空間は生まれませんからね。

渡嘉敷　そうした心配りが感じられる丁寧な仕事が、大きな信頼につながっているのでしょう。では、お二人の信念をお聞かせください。

新谷　相手を大切に思う気持ちは一切妥協しないというのが、私の信念です。

大迫　事業が軌道に乗ってきたのも、紹介を通じて仕事を確保できたことが大きな要因となっており、改めて人と人との出会いの大切さを実感しています。

渡嘉敷　今後に向けては、どのような目標を掲げていらっしゃるのでしょう？

新谷　つい最近までは立ち止まると不安だったので突っ走ってきたのですが、ようやく周りを見る余裕が持てるようになりました。これからは従業員が充実した生活を送れるような「安定した会社づくり」という次なるステップに進んでいきたいですね。現在、私の弟も含め三人で業務に当たっていますが、今後は従業員を増やしていきたい。ただいたずらに人数を増やすのではなく、現場の規模に即した人数で、少数精鋭で行っていくのが理想です。

渡嘉敷　どのような人材に来ていただきたいですか。

大迫　仕事に対して一生懸命で、不屈の精神を持っている人がいいですね。経験よりも、礼節があるかを重視したい。そうした人柄であれば、技術は必ず後から付いてくると思いますから。

新谷　仕事だけでなく遊びにも、とにかく何事にも頑張れる人に来てもらえればうれしいですね。