氾濫する情報の波に、漕ぎ出す一艘の船その先にあるビジネスを目指して

株式会社 イノベーションシステム

代表取締役社長 山村 啓司

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─略歴

30年の長きにわたりコンピュータ産業の進化を肌で感じてきた山村社長は、その豊かな経験と知識を活かし、平成20年3月にコンピュータソフトウェアの設計と開発を行う『イノベーションシステム』を設立。金融・証券系のエンドユーザや大手SIベンダーを得意先に持ち、業績を上げている。社長が持つ、深い経験からくるどこか余裕をも感じさせる落ち着きが、同社内に溢れる自由闊達な空気を作っているのだろう。利用者が必要な情報だけを提供したいと言う社長に、情報サービスの在り方についてお話を聞く。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─対談

布川 では社長の足跡から。

山村 学生生活を終え、初めに就職したのは情報サービス産業の草分け的存在の会社でした。そちらに15年勤め、その後は鉄鋼分野の関連企業のソフトウェア会社に移ってそこでも15年勤務し、平成20年3月に独立。私がこの業界に入ったころは、やっと銀行がコンピュータ化を始めたぐらいの時代でしたから、思えばこの30年で日本の産業は急速に発展してきました。

布川 約30年の間、コンピュータ産業の進化を肌で感じてこられた訳ですね。独立されてからの1年間を振り返っていかがですか。

山村 立ち上げ後すぐにリーマンショックがあり非常に厳しい状況でのスタートで、振り返ってみればがむしゃらに突っ走ってきた1年でした。しかし会社はトップの意志で動いていくもの。自分で会社の方向性を決めることはプレッシャーとリスクを伴いますが、問題を解決に導くことにはすごくやり甲斐がありましたし、その中で自分を信じて前進することがいかに大切かを学びました。

布川 現在はどういうお仕事を?

山村 ソフトウェアの設計と開発がメインです。今はまず時代に合ったものを取り扱っていくという状況なので、取引先は金融・証券系のエンドユーザが多いですね。他には大手SIベンダーなどからもご依頼を戴いています。

布川 「今はまず時代に合ったものを──」と仰いましたが、将来的には何か違うものも扱っていかれるお考えなのですか。

山村 はい。以前から私は音や映像・動画などを扱う機会が多かったので、これからはそういったメディアを手掛けていきたいですね。そして作られたコンテンツを利用者にどのような手段でご提供していくか、という分野の開発にも力を注ぎたいと考えています。

布川 現在のような情報が氾濫している時代には、その中での取捨選択能力や問題解決能力がより一層問われるのでしょうね。

山村 そうなんですよ。利用者が必要としない情報もたくさん入ってきますからね。だからこそ私は、必要な人に必要な情報だけ提供するのが情報サービス産業の本来在るべき姿だと思うんです。そしてそれこそが、情報に溢れた現代の先にあるビジネスじゃないかと。私どもはそういった視点で知恵と技術を集結し、社名にもある“イノベーション”つまり“革新”を目指しています。

布川 社長から社員の皆さんに仰っていることはありますか。

山村 「夢を持て。そして仕事に興味を持て」と話しています。そして、興味が湧くテーマを与えることが私の役目であり、その中でそれぞれが自分の能力を磨くことで企業も大きくなっていくのではないかと考えています。ですから「10年間は私が先頭で舵を取っていくからその先は皆でやれ」とも言っていまして、それが実現すれば私は自由気ままに過ごしていけるんじゃないかと思っているのですよ(笑)。これから社員一人ひとりが、自分の能力や付加価値をどう高め成長していってくれるかが、今はすごく楽しみです。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真
対談を終えて
「如何に優れたコンピュータでも扱うのは人。深い経験を持ち、人材教育に熱心な山村社長のお話にそれを感じました」(布川 敏和さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名 称
株式会社 イノベーションシステム
住 所
東京都台東区台東1-13-6 サンエイビル2F
代表者名
代表取締役社長 山村 啓司
掲載誌
報道ニッポン 2009年10月号
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