愛知県知事 許可(般-19)第104648号
【代表取締役 藤田 厳氏の足跡】
福岡県出身。20歳のときに名古屋のプラント設備工事会社へ就職し、以来この地に根付く。現場で経験を積みながら技術を磨き、独立。平成17年には法人化も果たし『エフテック』を設立した。仕事には厳しくも、兄貴肌の人柄で人望篤い経営者である。
大西 まずは社長の歩みからお聞かせ下さい。ご出身はどちらですか。
藤田 福岡県です。父がプラント設備工事を手掛けていましたので、私も自然と同じ道へ進むようになりました。そして「外の釜の飯を食ってこい」と言われ、二十歳のときに名古屋に出てきて同業の会社に就職。以来、ずっとこちらに根付いています。
大西 プラント設備工事は規模が大きいですから、作業も大変なのでは?
藤田 そうですね。けれど何もないところに一からものを造り上げていく作業は非常に面白く、やり甲斐も大きいのですよ。全ての過程が目に見えるので手応えを感じることもできますし、全てが完成したときには大きな達成感があります。そして自分たちが手掛けた機械が順調に作動し、工場の方々のお役に立っているのを見るとこれ以上なく嬉しいですね。この思いは、修業を始めた当初から今なお変わりません。
大西 社長にとって天職なのでしょうね。独立心は以前からお持ちだったのですか。
藤田 はい。「いずれは自分の力で」と考えていましたので、新しい技術を学べることが楽しく、毎日が充実していました。最初は現場監督として5年ほど経験を積み、その後職人の勉強もしながら多くのことを覚えてきたのです。大西 その努力が結実して、独立を果たされたと。最初は何名ほどで始められたのでしょう。
藤田 スタッフは10名ほどでしたが、協力会社の方々も今日までずっと一緒に現場に出てくれています。
大西 スタート時からそれだけの人数で稼働されているとは、珍しいですね!よほど順調な出だしだったのでしょう。
藤田 前勤務先が応援してくれたこともあり、お陰様で順調に歩んでくることができました。最近も70名ほどの規模の現場を終えたばかりでして、今夏からはさらにもう一件大きな仕事に取りかかる予定です。
大西 大人数をまとめあげるのはすごく難しそうに感じます。
桑鶴 確かに職人たちもそれぞれ個性豊かで、普段はわいわい騒いでいますが、現場に入ると目つきが変わりますし、そこに社長がいるだけでピンとした緊張感が生まれるのですよ。現場では一糸乱れぬ作業が行われています。
藤田 各現場を任せられるスタッフが揃っていますので、最近は私が行ったら逆に怒られるぐらいなんですが(笑)。ただ、どの現場でも上に立つ者は広い視野で全体を見渡す必要がありますので、一呼吸おいて集中するようにと伝えていますね。
大西 スタッフの皆さん一人ひとりのスキルが高いのですね。
藤田 ええ。それが当社の一番の自慢です。桑鶴も最初は右も左も分からなかったのに、今では安心して何でも任せられるようになりました。彼をはじめ、当社のスタッフたちは人の3倍は働いてくれているのですよ。その頑張りが現場の出来に現れ、お客様からの評価につながっているのだと思います。
大西 皆さんの働く姿が看板だと。
藤田 その通りです。だから当社は営業活動をせずとも依頼が次から次へと舞い込んでくるのですよ。この不景気下で業界も下火傾向にありますが、ありがたいことに当社は順調な経営が行えています。それもこれも、全てスタッフや協力会社の皆様、そして周囲で支えて下さるお客様方のお陰です。
大西 そうした人の力を呼び集めたのは、他でもない社長のご人徳だと思います。桑鶴取締役からご覧になって、社長はどのような方ですか。
桑鶴 プロ意識が高くて仕事には厳しいのですが、いったん仕事を離れると草野球や飲み会で盛り上げてくれたりと、公私ともに尊敬する存在です。面倒見が良いので、皆から兄貴のように慕われているんですよ。
大西 頼れる雰囲気がありますものね!
仕事とプライベートできっちりけじめをつけられる人って格好良いですよ。では社長ご自身が、経営者として日ごろから心がけておられることは何でしょう。
藤田 先を読むことです。たとえ今が順調でもこの先何が起こるか分かりませんから、常に周囲の状況を見て的確な舵取りができるよう努めています。幸いにも今は父が一緒に働いてくれていますので、助言をもらうことも。私に輪をかけて前向きな性格なので、背中を押されることが多いですね(笑)。
大西 それは心強いですね(笑)。今後についてはどのような展望を描いておられますか。
藤田 当社は自分たちの力だけでここまで成長してきたわけではなく、お客様に支えられてきたからこそ今日を迎えています。そのことを決して忘れることなく、堅実に実績を積み重ねて、足元を固めていきたいと思います。
「これからも全力で現場に臨んでいくつもりです」(取締役 桑鶴 政喜)
▼対談中もスタッフや協力会社との仲の良さが際立っていた『エフテック』だが、一度現場に入ればそのイメージは覆されてしまうという。その場にいる全員の目が鋭く光り、一切の妥協を許さないプロの顔になるのだ。「当社のスタッフたちは人の3倍以上働いている」という藤田社長の言葉は決して誇大な表現ではなく、各人が時間や労力を惜しまず徹底的に奮闘しているからこそ、周囲の目を引く現場が完成しているのである。3倍働くとは、人の3倍の経験を得ることでもある。つまりその分、技術や経験値が蓄積され、さらにワンステップ上のレベルへと到達できるのだ。「我々は技術を売っているのです」と社長が語るその言葉には、同社の技術力に対する並々ならぬ自信が凝縮されている。