お店というステージで“外食”の楽しみを思う存分ご堪能あれ!

株式会社 若竹

代表取締役 田口 優英

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─略歴

平成12年の創業以来、年に1店舗のハイペースで出店を続け、現在は横浜・川崎市内に個性豊かな3業種・8店舗を運営している『若竹』。今夏さらに新たなお店のオープンも控えるなど、破竹の勢いで成長を遂げている企業だ。そんな同社を俳優の穂積 隆信氏が訪問し、田口社長にインタビューを行った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─対談

穂積 まずは社長が飲食業に就かれた経緯からお聞かせ下さい。

田口 昔から食べもの屋さんの雰囲気が好きで、学生時代から様々な飲食店でアルバイトをするようになったのです。そのうち学業よりもそちらのほうが楽しくなり、学校を中退してチェーン店を全国展開する会社に入りました。その後18歳足らずで店長となり、21歳のころには本部でブロックマネージャーを担当するようになったのです。

穂積 その若さで大役を任されていたなんて、よほどのセンスがあったのでしょうね。

田口 歳は若くとも、通常の人よりキャリアが長かったですからね。それで和食店やお好み焼店、洋食レストランなど様々な業態のお店の出店や運営に携わるうちに独立心が芽生えてきて、25歳ぐらいで独立を決意しました。勤務先も代替わりなど節目を迎えていましたので、独立を前提に数年間だけお手伝いをし、平成12年にこの『若竹』を創業したのです。

穂積 これまで経験があるとは言え、全てご自身の力で立ち上げるとなると大変だったのではありませんか。

田口 ええ。既に家族もいましたから失敗は許されないとの覚悟で、とにかくがむしゃらに励みましたね。最初は鶴見区のお好み焼店からスタートし、お陰様で無事に今日を迎えられています。この約10年で8店舗にまで拡張してきて、今夏9店舗目を出店予定です。

穂積 ということは、年に1店舗のペースではないですか! 苦戦の続く外食産業の中で特出した業績だと思いますが、その勝因は何だとお考えですか。

田口 独自性を打ち出してきたからでしょうか。当社はお好み焼・もんじゃ焼・鉄板焼の店「若竹」と、和食居酒屋「月の彩」、そして串焼を提供する「炙り家」の3業態で展開していまして、どの店舗でもオリジナリティーを追求しています。たとえば「炙り家」では各テーブルに焼き鳥の機械を設置し、テーブルバーベキューといった感じでお客様がご自分で調理できるようにしてあるんですよ。

穂積 出されたものを食べるだけではなく、自分たちで焼くという演出は楽しさが増しますね。

田口 ええ。これは首都圏初の試みだったので注目を集めることもできました。また、今度出店する新店舗では、店内に生け簀を置いて毎日築地市場から仕入れる魚貝類を泳がせる予定でして、それを見て魚を選び、その場で焼いて召し上がれるようにするのです。選ぶ楽しみと食べる楽しみの両方を味わってもらうことで、新しい店づくりに挑戦していきたいと考えています。

穂積 しかし生け簀というと高級料亭をイメージしてしまうように、お値段が気になるところですが。

田口 ご安心下さい(笑)、当社が運営する店は誰もが気軽に足を運べることがモットーですので、創業以来ずっとお一人様3,000円程度の価格設定で一貫しています。当初こそ採算が取れずに苦労しましたが、今では独自の仕入れルートも確立できましたので、ほとんど値上げをせずに頑張っているのですよ。

穂積 それは嬉しいですね。ターゲットはどういった年齢層になるのでしょう。

田口 店舗によっても異なりますが30代〜50代を中心に据え、9店舗全て横浜・川崎地区の集客力がある地域で展開しています。その中でいかにお客様に魅力を感じてもらい、足を運んで頂けるか。そこに全ての勝負がかかっているのです。

穂積 社長が現場を回って、状況を視察されることもあるのですか。

田口 視察どころか、アルバイトと一緒に現場に立っていますよ(笑)。もともと接客が好きなのもありますし、やはり数字だけでは分からない現場の空気が店の良し悪しを左右しますから離れられませんね。スタッフと一緒に笑ったり、怒ったり、文字通り苦楽をともにしながら一緒に店を盛り上げていきたいと思っています。

穂積 会社の社長、と呼ぶよりも距離の近い関係なのですね。スタッフ教育でいつもおっしゃっていることがあればお聞かせ下さい。

田口 お客様の満足を得る、という最終目的を常に念頭に置きながら行動するようにと話しています。私どもの仕事は「いらっしゃいませ」から始まって「ありがとうございました」で終わることの繰り返しですが、お客様は毎日違う方。つまり店はステージで、スタッフはキャストなんです。お客様はそれを見に来て下さるのだから、また次も来たいと思ってもらえるような料理・サービスを提供していかなければならないと話しています。

穂積 分かりやすい例えですね。演劇も毎日同じ演目でも日々進化していくものですから、要は「お客様にどれだけ楽しんで頂くか」という点にいかに集中できるかが大切なのでしょう。では最後に、今後の展望をお願いします。

田口 外食産業の需要は落ちてきていますが、ありがたいことに当社は前年比以上の伸びを維持できています。この勢いを保ちながら、穂積さんがおっしゃる通り、常に進化していけるよう努力を続けていきたいですね。お客様の満足を追求していけば、おのずと道は見えてくると思いますし、ひいてはそれが自分たちの幸せにもつながる。この基本を忘れることなく、これからも一意専心で業務に励んでいくつもりです。

穂積 この勢いならば、都内への出店もお考えなのではありませんか。

田口 そうですね。チャンスが巡って来れば、都内でも勝負してみたいです。ただ、あまり手を広げすぎて管理が行き届かなくなってしまっては本末転倒ですから、一店一店を大切にしながら歩みを進めていきたいと思います。

穂積 さらなるご発展を心よりお祈りしています。陰ながら応援しておりますので、頑張って下さいね!

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真
丁寧な店づくりで、お腹も心もいっぱいに

▼「お店はお客様のためにある」というのが『若竹』グループの基本理念だ。「明るい笑顔で、親切で思いやりがあり、店舗も従業員も清潔でお客様に楽しさと満足を売ること」を使命とし、全社一丸となって努力を続けている姿が印象的である。そんな同社が展開するのは、お好み焼・もんじゃ焼・鉄板焼の「若竹」、酒・肴・食・菜・焼酎・地酒「月の彩」、そして串焼き・網焼き専門店の「炙り家」。どの店も本格志向の逸品をお手ごろ価格でお腹いっぱい味わえるのが嬉しい。

▼これまで年に1店舗のペースで店舗展開を広げてきた同社だが、決して勢いに任せた出店ではなく一店一店丁寧に店作りを行っているのも特徴的だ。おそらくそれは社長の「外食の楽しさを知ってほしい」との思いの表れなのだろう。だからこそ多くの人の心を捉え、お腹と心を同時に満たしているのである。今後も出店を続けていく予定とのことなので、HPをこまめにチェックしてみてほしい。

対談を終えて
「苦戦が続く外食産業界で、年に1店舗の出店ペースで快進撃を続けている『若竹』さんは異色の存在だと言えるでしょう。これからも勢いを落とすことなく、業界を牽引する存在になってほしいですね。」(穂積 隆信さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名 称
株式会社 若竹
住 所

【本社】

神奈川県横浜市鶴見区駒岡3-37-13

代表者名
代表取締役 田口 優英
名 称
若竹【お好み焼・もんじゃ焼・鉄板焼】
住 所

【鶴見西口店】

横浜市鶴見区豊岡町17-3 新橋ビル2F

【鶴見東口店】

横浜市鶴見区鶴見中央1-5-5 アオキビル第28 B1

【川崎店】

川崎市川崎区砂子2-4-19 富永ビル3F

【川崎モアーズ店】

川崎市川崎区駅前本町7-7 岡田屋モアーズ7F

【日吉駅前店】

横浜市港北区日吉本町1-23-12 L.M日吉台1F

【新横浜駅前店】

横浜市港北区新横浜2-5-26 新横浜SSビル4F

名 称
月の彩【酒・肴・食・菜・焼酎・地酒】
住 所

【横濱鶴見店】

横浜市鶴見区鶴見中央1-5-5 アオキビル第28 2F

名 称
炙り家【串焼厨房】
住 所

【川崎モアーズ店】

川崎市川崎区駅前本町7-7 岡田屋モアーズ8F

【新横浜駅前店】

横浜市港北区新横浜2-3-10 フロンティア新横浜5F

掲載誌
報道ニッポン 2009年9月号
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