布川 松本社長は幼い頃から車に関心がおありだったのですか。
松本 ええ。車はもちろん、機械いじりも好きでしたので、大学卒業後は外車のディーラーに就職し、整備を担当していたんです。そちらで車について詳しく学びました。
布川 どういったことがきっかけで独立されたのでしょうか。
松本 私の好きな車──フォルクスワーゲンの「ビートル」という車が、70年代半ばに製造中止となったことです。取扱店もなくなってしまったので、ならば自分でその中古車を販売しようと、店を興しました。お陰様で事業は順調。2005年に法人化することができました。
布川 ところで、御社では改造も請けておられるとか。
松本 ええ。ビートルはシャーシがしっかりしているので、改造車のベースに向いているんですよ。良い素材が使われていて錆にも強い。それに、大衆車だったため元々の価格が安いんです。
布川 販売価格はどのくらいですか。
松本 約200万円です。バブルの頃に比べて半値になりました。アメリカから輸入したり、国内で買い取ったりして仕入れています。
布川 バブルといえば、当時、旧型のポルシェのオープンカーがブームになりましたね。
松本 あれはビートルを改造すると似たデザインになるんですよ。そこで、当時は石川県にある造船関係の会社と協力して、それを196台受注生産しました。現在も、当社でしか造れない車を販売していまして、インターネットが普及した後は全国にお届けしています。
布川 お仕事の上でのやりがいとは?
松本 お客様一人ひとりと車を通じてコミュニケーションが図れることですね。車とは本当に不思議なもので、海外に行って言葉がわからなくても、フォルクスワーゲンの話で盛り上がって友達になることもあるんですよ。車マニアに、言葉は必要ないということです。
布川 車を通じて、世界各国の人たちと交流できるのですね。では最後に、社長の夢をお聞かせください。
松本 ベトナムやスリランカ、アジアの国へビジネスチャンスを掴みに行きたいですね。車マニアがいる国には、きっと喜ばれると思いますから。
布川 応援しています。本日はありがとうございました。