(青森県中小企業家同友会 理事)
石橋 子どものころから建設業に興味を持っておられたのですか。
鉄 はい。小さいころに測量をしている風景を見て、憧れを抱いていました。それで高校では土木関係の学科へと進み、学業修了後もそのまま土木会社へと入ったのです。就職したのは舗装専門の会社で、そちらに4年勤めた後、違う分野も勉強したいと総合的に手掛ける業者へと転身。最初は福島で就職したのですが、青森に営業所を出したためにこちらへと移ってくることになりました。そちらは大手ゼネコンさんから仕事を請けていたので高速道路など大規模なプロジェクトにも携われましたので、楽しみながら修業を積むことができましたね。そして縁あって今の会社に移って専務を務めた後、会社を引き継いだのです。
石橋 現在はどういったお仕事を?
鉄 現在は土木業と鳶の二本柱ですね。土木業は私が元々経験を積んでいた分野で、鳶は当社が以前から得意としていた業務なのです。最初は鳶の世界を知らないことに悩みましたが、土木と鳶の両方を手掛けられる企業は少ないので、今では会社の強みとして考えることができています。お陰でどちらかの依頼が減ったときでもカバーし合い、安定した経営を行うことができているのですよ。
石橋 社長の経営におけるモットーは?
鉄 社会への感謝の気持ちと貢献する意欲を忘れず、日々一生懸命働くことです。淘汰される会社もありますが、その多くは社会貢献よりも自社の利益を望んだ会社ではないかと私は考えています。業界の中、地域社会の中でのつながりを大切にしながら、皆様のために努力することが、経営者が一番大切にしなければならないことだと思っているのですよ。その一つとして私は青森県中小企業家同友会の理事を務めています。地域機関でのつながりを強めていくことで、社業の発展とともに地域社会にも還元していきたいと思い、この任に就かせて頂くことにしたのです。
石橋 周囲への感謝の気持ちが社長を支えているのですね。今後力を入れていこうとされていることは何でしょう。
鉄 青森は雪の問題が毎年起こりますから、電気で水を循環させることによって雪を溶かすことができる融雪器を開発しました。これまでの灯油を使うものよりコストが安くて環境にも優しいですから、今後地元のみならず東北各県で使ってもらえればと思っております。
石橋 最後に今後の展望を伺います。
鉄 地域の方々が当社で働きたいと思えるような会社作りをしていきたいと思っています。そしてさらなる発展のために、これからは新しい人をもっと雇い入れて育成に励みたいですね。そして規模の拡大とともにさらに地域の役に立ち、より多くの人から頼られたいです。