加納 社長が介護の世界に興味を持ったきっかけからお聞かせ下さい。
二村 以前は一般企業で営業職についていたのですが、介護保険が始まる際に母親が施設を立ち上げることになり、一緒に働かないかと打診されましてね。その際にある施設へ見学に伺ったところ、高齢者の方々が笑顔で過ごされている姿を目の当たりにしたのです。私自身、祖父母とは疎遠だったので孝行をしたこともなく、お葬式以外の記憶がほとんどありませんでしたので、祖父母にできなかったことをたくさんの方にさせてもらえればとの気持ちが芽生えたのです。それで母とともに、デイサービス施設『ひかりの森』をスタートすることにしました。
加納 最初は大変だったのでは?
二村 そうですね。介護保険が始まったばかりのときはどこも同じだったと思いますが、まさに右も左も分からないところからのスタートで、全てが手探り状態でしたね。それでも誠心誠意対応してきたことが少しずつ口コミで広がり、一人二人と利用者さんが増えていったのです。今では一日に20名以上の方がご利用下さいますし、こことは別にもう一施設を立ち上げることもできました。
加納 このお仕事で一番大事なのは何だとお考えですか。
二村 利用者さんに対する気持ちですね。決して楽な職種ではありませんし、賃金面も恵まれてはいません。それでも続けられているのは、「何かしてあげたい」と思う気持ちがあるからこそ。国側が医療や介護に関して予算を抑えなければならないのは分かりますが、現場で介護に携わる人がどのような決意で取り組んでいるかを知ってもらえれば、いずれ現状を変えることができるのではないかと信じております。
加納 今後の目標をお願いします。
二村 日本の介護業界は欧米に比べて遅れていますから、まずは業界の魅力ややり甲斐を知ってもらうことが目標です。そのために施設の内容だけではなく介護現場も紹介しているホームページを開設しましたので、これによって一人でも多くの方に興味を持ってもらいたいと思っています。また事業としては介護を受けながら生き生きと生活できる高齢者さん向けのマンションをつくりたいですし、それとともに後進を育てたいと考えているのです。そういった取り組みを通して、働き手にとっても魅力ある業界をつくり、明るい日本を構築するための一助となれれば嬉しいですね。
【介護相談窓口】
TEL 0533-66-1760 FAX 0533-66-1761