地域の特性を生かしたこだわり満載な高級作務衣を企画、製造、販売

有限会社 オブカワ縫製

代表取締役 小生川 和彦

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─略歴

■違いのわかる人に楽しんでもらいたいですね
誰もが知っている日本で屈指のテーマパークをはじめ、憧れの高級ホテルで使用されているユニフォーム等、数多くの商品を手掛ける『オブカワ縫製』。その豊富なノウハウで特殊な依頼にも確かな技術で応えている。同社の小生川社長にインタビュー。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─対談

三ツ木 まずは沿革からお願いします。

小生川 当社はユニフォーム等の縫製を手掛ける会社として、父が1954年に立ち上げました。私は大学卒業後、さらに服飾の専門学校で基礎を学んでから家業に入りました。その後、88年に福島工場を新設し、父と弟がそちらへ移り、私は館林の本社工場を任されています。

三ツ木 家業に就かれていかがですか。

小生川 子どものころから手伝っていたので、仕事への抵抗は一切ありませんでした。ただ、5年という短期間で業務のすべてを覚えなければならなかったのは大変でしたね。また、当社は飲食店やホテル、旅館等のサービス業との取引がメインのため、ここ数年の不景気による影響が大きいのが現状なんです。しかし、そうした状況だからこそ、長年培ってきた当社独自の技術で活路を見出していきたいと考えています。

三ツ木 具体的な取り組み等があればお聞かせください。

小生川 複雑な縫製が必要なユニフォームでも、積極的に引き受けています。その一例として、当社では大手テーマパークのユニフォームも手掛けておりましてね。かなり特徴的なユニフォームなため、対応できる業者は多くないと聞いています。当社でも毎回、試行錯誤の連続なんですよ(笑)。例えば、直線状のチロリアンテープ(手織りリボン)をカーブ状に縫いつけるのですが、技術と経験がなければきれいに仕上げることはできないのです。そんな高度な縫製でも、当社にはベテランのスタッフが揃っているので、対応できるのですよ。こうした技術は一朝一夕には身につけることができませんので、ベテランスタッフの存在はまさに当社の宝ですね。

三ツ木 オリジナル商品は扱っていないのですか。

小生川 独自製品も開発しています。藍染、柿渋染、炭染、柄物等、日本ならではの技法を用いた作務衣「和の里 さむえ」シリーズを展開しているんです。自然の素材で染めているので、人にも環境にも優しく、使い込むほどに深まる味わいも評判なんですよ。飲食店や神社仏閣等でご利用いただいており、これから新しい事業柱として力を入れていく構えです。また、国際的な観光ガイドで高尾山が紹介されたことによって観光客が増えておりましてね。そこで当社でもお土産品の企画を進めています。新分野での挑戦となりますが、その企画を通じて人脈も広がっており、やり甲斐を感じているところです。技術力を持つ当社だからこそできることは、まだまだたくさんあると思います。今後もこれまで培ってきた技術と、フットワークの良さを生かして当社ならではの商品を企画・提案していきたいですね。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

▲「美しく・着やすい」をモットーに、丁寧に縫製された「和の里 さむえ」シリーズ(写真左)。天然素材で染め上げた優しい着心地で、多くの取引先から支持されている。

対談を終えて
「縫製工場の多くが海外に流出してしまった今、高度な技術で国内で活躍を続ける『オブカワ縫製』さんは、日本の企業にとって欠かせない存在ですね。新しい活動にも意欲的ですし、益々のご活躍を期待しています」(三ツ木 清隆さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名 称
有限会社 オブカワ縫製
住 所

【本社工場】

群馬県館林市本町4丁目6番29号

TEL 0276-72-0809 FAX 0276-72-6809

【福島工場】

福島県耶麻郡磐梯町大字更科字天光1128-4

TEL 0242-73-3121 FAX 0242-73-2010

代表者名
代表取締役 小生川 和彦
掲載誌
現代画報 2009年6月号
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