三ツ木 はじめに、安藤社長のこれまでの歩みをお聞かせください。
安藤 群馬県の出身です。東京の商社で勤務した後に地元へ戻り、デパートの外商部に勤めていました。しかし39歳を迎えて、将来について色々と考えるようになりましてね。このままサラリーマンを続けるのも悪くないと思いましたが、様々なことを考えて、手に職をつけようとハローワークで仕事を探すことに。そちらで、エポキシ樹脂注入業者の求人を見かけたのです。
三ツ木 「エポキシ樹脂」とは?
安藤 高い接着性と優れた強度、硬化時の体積収縮率が低いといった特性を持った、高分子材料のことです。電気特性や、薬品に対する耐性が高いこともあって、塗装や土木・建築など様々な分野で使用されています。広島の原爆ドームの保存にも使われているんですよ。この技術に興味を抱いた私は、早速修業先を探し、40歳を目前にして転身を果たしました。その後、一通りの技術を習得して、エポキシ樹脂を主要素材とした総合防水工事および外壁改修工事などを手掛ける『ミサト工業』を創業した次第です。
三ツ木 お仕事はいかがでしたか。
安藤 独立当時はエポキシ樹脂注入業務が少なく、アルバイトで生計を立てていました。このままではいけないと、防水工事のお手伝いなどもさせていただき、どん欲に技術を吸収していったのです。
三ツ木 困難な状況にあって前向きな姿勢を保つ精神力こそ、社長の強さなのでしょうね。
安藤 ただ必死だっただけですよ(笑)。その後、県内で大きな仕事を任され、実績が認められると受注数も安定するように。このころになって、ようやく自分の仕事に自信が持てるようになりました。最近では、壁のひび割れの補修など、住宅リフォームに関する依頼も増えてきているんですよ。
三ツ木 それでは最後に、今後の展望をお聞かせください。
安藤 最近は、新しい建物を次々とつくるのではなく、既存の物件をリフォームして活用する時代になりつつあります。ですから、施主様にとってはリフォームといえども、新築工事と同じ意味を持つようになったと言えるでしょう。ですから、これまで以上に丁寧な施工に徹することで、信用を築いていきたいですね。近ごろでは大手企業の参入もありますので、自社の独自性を保った確実な仕事を手掛けて参ります。
三ツ木 頑張ってください!