50万円以下専門店
具志堅 まずは、独立されるまでの歩みをお聞かせ下さい。
平澤 最初は大手の車買取店に約6年間勤めていましたが、よりお客様の目線に立った経営がしたいと思い、知人とともに店を立ち上げました。そこでは、利益よりもお客様の信頼を得ることを重視して「安くて良い車をお売りする」というコンセプトを掲げていたのですが、次第にその方針をより深化させた経営がしたいと考えるようになったのです。お客様に受け入れられる自信はありましたし、自分には中古車販売の実績と能力があるという自負もありましたので、独立に踏みきりました。
具志堅 今もその信念を貫いていらっしゃるのですね。
平澤 ええ。低価格でも高品質という基礎を発展させ、今は「50万円以下専門店」というキャッチフレーズのもと、日々新型車を入れる努力を行っています。そうしてお客様のご要望に柔軟にお応えできる経営を心がけているのですよ。
具志堅 なぜそんなに安く売ることができるのでしょうか。
平澤 店の経費を抑えて中間マージンを最大限カットするよう経営努力をしているからです。例えば、ものをリースすると経費がかかりますから、私どもは整備や車検などを全て特定の整備会社にお願いしています。そうすることで、相互に利益を得ながら信頼関係を築くことができているのですよ。
具志堅 陰ながらの努力がこの価格を実現したのですね。しかし50万円以下には見えない車がたくさんありますね。
平澤 当社は低価格だけでなく、平成17〜20年などの高年式の車ばかりを扱っています。高年式の車にはメーカーの保証が残っており、めったに故障しません。そのため、そういった車を中心にお売りしている当社ではクレームが少なく、お客様同士の紹介やリピーターの方も多いのですよ。現在業界では、安価な車か超高級車のどちらかしか売れないという二極化が進み、大手も価格競争に参戦してくるなど、販売競争が激しくなっています。結果的に当社はそういう流れを作る先駆けとなりましたが、私は単に安くお売りするだけでなく、お客様が納得されるような車との出会いをお手伝いしたいと考えているのです。
具志堅 では、今後の目標を伺います。
平澤 好調な現状を維持することが当面の課題です。車は生ものと言われるように、当社では眠っている車はないほど回転率が高く、お陰様で大手自動車メーカーからも年間表彰を戴きました。これは、経営方針が間違っていなかったという証であると同時に、お客様の信頼の表れだと思っています。これからも最初に掲げた理念に忠実に、お客様の目線を大切にしていきたいですね。