“安心”を届けたい──医療環境を整備する志高きパイオニア集団

ニューロンネットワーク 株式会社

代表取締役社長・薬剤師 石田 行司

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─略歴

「組織のトップに立つ者として私には三つの使命があります」

■“財産”をより輝かせるため

 

医療・福祉にまつわる様々な事業を展開している『ニューロンネットワーク』。同社の石田社長は、会社にとって一番の財産は「スタッフ」だと考えている。そんな同社には、安心して仕事を任せられる頼もしいメンバーが揃っているという。「『決断すること』『夢をつくること』『会社の主軸になる人を育てること』──。組織のトップに立つ者として、私にはこの三つの使命があります」と語る社長。“財産”をより輝かせるため、社長は全力を尽くしてその使命を果たす構えだ。

【足跡】 大阪府東大阪市出身。学生時代は剣道に熱中する。大学の薬学部を卒業後、大手製薬会社に勤務。MRとして活躍し、同社史上最年少で管理職に就く。そして2002年に独立を果たし、『ニューロンネットワーク』を創業。翌年10月には組織の法人化を果たした。
「ゲノム事業」「調剤・福祉事業」「コングロマリット事業」という三つを柱に事業を展開している『ニューロンネットワーク』。中でも、同社が事業の一環として手掛ける「HQOLサービス」は、次世代の医療福祉体制を担うサービスとして大きな注目を集めている。医療・福祉業界のオンリーワンカンパニーとして躍進を遂げる同社を訪問した。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─対談

村野 まずは石田社長の歩みから。

石田 大学の薬学部を卒業後は大手製薬会社に就職。そちらではMRとして実績を積み重ね、史上最年少で管理職を務めるなど様々な経験を積ませていただきました。ところが、私が36歳の時に子どもがインフルエンザを原因とする脳炎にかかり、障害が残ってしまったんです。残念ながら現代の医療では治らず、「子どもと一緒に死のうか」とさえ考えました。そんな時、恩師が「医療が進化するスピードは速い。お前が諦めてどうする」と言ってくれまして。その言葉に背中を押され、「脳機能の快復に役立つ研究を支援しよう」と決意。幸いなことに勤務先も独立を後押ししてくださり、『ニューロンネットワーク』を創業した次第です。

村野 大変な出来事を乗り越え、熱い思いを持って立ち上げられた会社なのですね。では、御社の主な業務内容についてお聞かせください。

石田 当社では「ゲノム事業」「調剤・福祉事業」「コングロマリット事業」という三つを柱に事業を展開しております。まず一つ目の「ゲノム事業」は、私がこの会社を興したきっかけとも言うべき、遺伝子の研究・開発支援を行う事業。現在、当社では中国の会社や著名な研究者の方々と提携し、遺伝子チップの開発などに取り組んでおります。二つ目の「調剤・福祉事業」では、地域住民の方々の健康な暮らしを担う調剤薬局や介護用具販売レンタル事業所を運営しているんですよ。そして「コングロマリット事業」では、人々が安心して暮らせる医療環境の整備に取り組んでおり、“次世代医療福祉複合型ネットワークシステム”を駆使した「HQOL(High Quality Of Life)サービス」を提供しています。

村野 「HQOLサービス」とは、一体どのようなものなのでしょう?

石田 医師や看護師、薬剤師などプロの医療スタッフ、地域の医療機関などと連携し、あらゆる世代がいつまでも安心して暮らせる医療・介護サービスを提供するものです。その一つとしてまず挙げられるのが「ライフコンシェルジュサービス」。これは、提携マンションと当社を専用回線でつなぎ、専属の医療スタッフが住民一人ひとりの疾患や服薬などの情報を管理することで、いつでも最適な医療情報を提供したり、的確な医療機関を紹介するサービスなんです。また、近隣の様々な医院・クリニックと提携することで、往診医・訪問看護師による在宅医療サービスや、緊急時の救急受け入れ体制も整えているんですよ。それ以外にも、医薬品デリバリーサポートサービスや年一回の健康診断、定期的なライフケアセミナーの開催など、様々な角度からサービスを提供しています。

村野 そこまでサポートしてもらえたら、マンションの住民は安心して暮らせますね。本当に素晴らしいサービスだと思います。

石田 ありがとうございます。このシステムを構築するにあたって、私は自分の親を住まわせたい、また自分自身も住みたい──そう思える環境にしようと考えました。「HQOLサービス」が軌道に乗れば、今後は医療過疎に悩む地方にも広げていきたいと考えているんですよ。

村野 独立されてから今日までを改めて振り返るといかがですか。

石田 独立当初は、パートさんを含めて6名だったスタッフも、今では約50名を数えるまでになりました。現在、幹部として会社を支えてくれている創業スタッフをはじめ、当社には優秀な人材が揃っています。また、当社を支援してくれている企業様や連携している地域の医院・クリニックさんなど、周囲の方々にも恵まれてきました。そんな皆様のお陰で今日の当社があると思いますし、感謝の思いは尽きません。

村野 最後に、今後の展望を。

石田 「少数精鋭集団」「知的集約集団」の「オンリーワンカンパニー」として、これからもサービスの充実を図り、日本の医療・福祉に貢献していく所存です。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

事業を成功させる鍵とは?

▼事業が成功するか否か。その鍵を握るのは「人脈」だと石田社長は考えている。社長は大手製薬会社を円満退社して『ニューロンネットワーク』を立ち上げる際、「独立を全面的に応援する」との言葉をもらったという。そして、独立後も勤務時代の人脈を大切にすることで、会社を成長に導いてきた。社長は、「転職・独立の際、それまで築いてきた人間関係を断ち切る人もいるでしょう。しかし、以前の人間関係を断ち切れば、新しい世界での成功はないと思います」と語る。新しいステージでも、以前の人脈を大切にできるかどうかが成功の鍵──それが社長の持論だ。

▼また、社長は会社を設立してからの「出会い」も大事にしている。創業から約7年、その間多数のスタッフを採用した。「スタッフには本当に恵まれています。調剤薬局に関しては、私がいなくても成り立つでしょう。当社には頼もしいスタッフが大勢いますから」と笑顔で語る。その人との絆を大切にする姿勢こそが、社長の周囲に良い人材を呼び寄せ、同社に繁栄をもたらしているのだ。

対談を終えて
「取材当日には、山崎取締役にもお話を伺うことができました。取締役曰く、『石田社長は“有言実行”の人。言ったことは一つひとつ必ず形にしています』とのこと。『ニューロンネットワーク』さんのスタッフの中には社長の働く姿勢やバイタリティーに感化されて、やる気を持って働いている人が多いのではないでしょうか。社長にはこれからも力強く皆さんを牽引していただきたいですね。ぜひ頑張ってください!」(村野 武範さん・談)
※取締役名の“崎”は正しくは右上が“立”の異体字です

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名 称
ニューロンネットワーク 株式会社
住 所
大阪府摂津市正雀本町2-19-6-201
代表者名
代表取締役社長・薬剤師 石田 行司
電話番号
TEL・FAX 06-6382-5687 FAX 06-6382-0550
掲載誌
現代画報 2009年3月号
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