パワーとやる気溢れる職人の働きに応えるべく経営基盤の強化に努める

空調・電気・給排水設備設計・施工・保守管理

ビル設備メンテナンス・エアコンリース

ライフ空調 株式会社

代表取締役 翁長 毅

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─略歴

【足跡】 『ライフ空調』を営む父親の下に生まれ、学生時代から同社でアルバイトを始める。学業修了後はすぐに家業に入り、その中で設備工事の腕を磨いて、5年前に2代目に就任した。
33年の歴史を持つ『ライフ空調』。空調設備工事を中心とした業務で地域の工務店からの信頼を獲得し、確かな実績を築いてきた。約5年前に代替わりを行い、さらに新たな一歩を踏み出している同社を俳優の小倉一郎氏が訪問し、翁長毅社長にインタビューを行った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─対談

小倉 まずは、御社の沿革からお聞かせ下さい。

翁長 父が勤めていた会社の設備部門が35年ほど前に分社化したのが、当社の始まりです。空調をメインとした設備工事を手掛けており、長年にわたって父が社長として事業運営してきました。そして、5年前に代替わりを行い、私が現職に就任した次第です。現在父は相談役として当社を見守ってくれていますし、弟も現場管理として支えてくれています。

小倉 社長ご自身はいつごろ入社されたのでしょう。

翁長 学生のころからアルバイトとして雑用を手伝っていまして、学業修了後すぐに入社しました。実は、当時はあまりこの仕事に興味がなく、バブル期の多忙のために仕方なく入社したのです。ところが、実際に職人として現場の仕事をしてみると、とても面白くて。特に、1つの仕事を終えた後の達成感は何ものにも代え難く、この仕事をずっと続けたいと思ったのですよ。

小倉 お父様から教わることも多かったのではありませんか。

翁長 そうですね。父は昔ながらの「頑固親父」で、口で教えてくれることはありませんでしたが、その背中から学び取ることは沢山ありました。何も指示されなかった分、自分で考えて仕事を進めることができるようになったのが一番大きかったですね。様々な現場を手掛ける設備工事においてはマニュアルだけでは対処できないことも多く、それぞれの現場ごとに臨機応変に対応しなければいけません。ですから父が与えてくれた試練は全て、今に活きていると感じています。

小倉 では、社長の代になって先代のころから変えられたことは何でしょう。

翁長 お客様の層をさらに厚くしたことですね。父は昔からのつながりがある地域の工務店さんとの取引を中心に行ってきましたが、私は代替わり前から大手さんとの取引に力を入れてきました。父が築いてきた地域とのつながりを大切に受け継ぎながら、新規顧客も開拓することで、さらに当社の成長につなげられればと思っています。

小倉 地元の工務店さんだけでなく大手の企業さんからも信頼されるのは、幅広い要望に応えられるだけの確かな腕をお持ちだからでしょう。職人さんたちの技術力の高さが窺えますね。御社には何名職人さんがいらっしゃるのですか。

翁長 社員としては3名ですが、ほかに協力会社の職人が手を貸して下さっていて、とても助けられています。現在、業界でも職人の高齢化が問題となっていますが、当社は若い戦力が揃っているのが特徴。パワーとやる気を活かして、ベテランからしっかりと技術を受け継いでくれていますので、技術面で言うことはありません。ただ、常に「自分がお客様になったつもりで、どうされれば嬉しいかを考えて仕事をするように」とは言っていますね。自己満足で仕事をしても、そのときだけしかやり甲斐は得られません。お客様に喜んで頂いて初めて、大きなやり甲斐を感じられますし、次の仕事にもつながるのです。また、設備工事は、お客様に「モノ」をお売りするのではありませんから、一つひとつの現場が商品のようなもの。職人の仕事ぶりと現場の仕上がりを見て、お客様が評価をされますので、職人一人ひとりの働きが非常に重要になります。その点を皆は理解し、当社の看板を背負いながら真摯に仕事にあたってくれているため、ありがたく思っているのです。

小倉 それは頼もしいですね!

翁長 ええ。私自身も元々職人で、この仕事の大変さと大切さを知っていますから、しっかりと評価してあげたいと思っています。しかし一方で、経営者として会社の体制を整えていくのも重要なこと。ですから、職人としての思いを大切にしつつも、経営者として押さえるべきところは押さえるというバランスを保てるよう、常に試行錯誤を重ねていますよ。

小倉 今後、職人さんたちの働きに応えるべく、どのように経営を行っていこうとお考えですか。

翁長 まずは経営基盤を固め、その上で職人の働きを還元していこうと考えています。今後は下請けの細かい仕事だけでなく、1つの現場でより多くの工程を一手に引き受け、仕事の幅を広げたいと思っているのです。当社の技術力と営業力をもってすれば難しくはないと思いますので、皆のためにも頑張りたいですね。

小倉 会社の成長も楽しみです。これからの展望についてお聞かせ下さい。

翁長 会社としては無理に事業を拡大したいとは思っていません。ただ、「『ライフ空調』が好きだ」と言って頂ける方がいらっしゃいますし、そうしたお客様を増やすためにも、皆様の気持ちにお応えすべく確かな仕事を手掛け続けていきたいと思います。
  現在、日本経済には暗雲が立ちこめていて、「ここだ!」と思って走り始めてもその道が正しいとは限りません。しかし、転んでしまったとしても、「では次だ!」と常にチャレンジ精神を忘れずに突き進んでいきたいですね。そうすることで、少しでも明るい方向へと進んで行ければと思います。

小倉 それだけの心構えがあれば、どんなことでも乗り越えられると思います。私も応援していますよ!

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

『ライフ空調』を支える親子の絆

▼『ライフ空調』の2代目として、試行錯誤しながら同社を牽引している翁長毅社長。父親である先代は代替わりまで、「後を継いでほしい」とは一切言わなかったそうだが、約5年前に社長は2代目に就任した。父親として、そして上司として社長を育ててきた先代が、後継を嬉しく思わないはずがないだろう。今では先代は相談役として社長の経営方針を見守り、細かなアドバイスをする一方、大きな方向性の面では社長に全てを任せているという。「プレッシャーもありますが、反面、“やってやろう!”という気持ちになりますね」と社長。先代と社長の親子の絆があったからこそ、今の『ライフ空調』があるのだ。そして、今後も社長は先代の教えを胸に、さらなる成長へ向けて足を踏み出し続けることだろう。

対談を終えて
「一企業の社員から『ライフ空調』の社長となった先代と、同社の職人から始まって現職に就任した翁長毅社長。代替わり前から意見の相違により反発することもあったそうですが、今では先代は相談役として社長の経営を見守ってくれているとのこと。お話を伺っていると、お2人は親子の絆でしっかりと結ばれ、父から子へと思いは受け継がれているのだと感じました。次は社長が若い世代に思いを伝えていく番だと思いますから、是非優秀な職人を沢山育てて、同社はもちろん、業界の将来にも貢献してほしいです。頑張って下さいね!」(小倉 一郎さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『報道ニッポン』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名 称
ライフ空調 株式会社
住 所

【事務所】

京都府京都市伏見区醍醐京道町1番29

代表者名
代表取締役 翁長 毅
電話番号
TEL 075-572-3515 FAX 075-572-1480
掲載誌
報道ニッポン 2009年1月号
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