大沢 まずは酒井社長の歩みから。
酒井 生まれも育ちもこの北海道で、学業修了後は大手暖房機器メーカーのサービスショップに就職。その後は大手自動車メーカーに転職して営業職に従事するようになり、そちらでの約5年にわたる勤務を経て配管工事業界に入りました。そして、配管工事にまつわる様々な業務を経験する中で、ある時、消火設備に携わる機会がありましてね。そのころから徐々に独立願望が芽生えてきました。ありがたいことにお取引先の方が独立を支援してくださることになり、当社を立ち上げたのですよ。当時はバブルが崩壊した直後で、しばらくは苦しい時期が続きましたが、その時にも色々とご支援をいただき、何とか苦境を脱することができました。周囲の皆様のお力添えがなければ当社の今はなかったと思いますし、感謝の思いで一杯です。
大沢 周囲のご助力が得られたのは、社長の人柄やお仕事ぶりが評価されたからだと思いますよ。では、御社の具体的な業務内容についてお聞かせください。
酒井 水道管をはじめとした一般的な配管工事も手掛けておりますが、中でもメインとなっているのが消火設備──特にスプリンクラーの設置工事です。消火設備用の材料は、一般の配管工事のものに比べて大体3〜5倍の対水圧性が求められ、配管の口径も太く、材質も鉄のみ。また、溶接も必要になりますので、設置にあたっては“消防設備士”という資格が必要となるのですよ。
大沢 特殊なお仕事なのですね。ところで、以前、消火設備のない老人ホームで火災が起こり、問題となりましたよね。
酒井 ええ。ですから、現在では老人ホームや小規模のグループホームなどでも設置基準が設けられていますし、どんな消火設備に対しても年2回のメンテナンスが義務づけられるようになりました。
大沢 それだけ重要な設備なのですね。
酒井 消火設備は、火災が発生した際に人の命を守るものですから、我々も、設置作業に臨む際には、その自覚と責任を持って取り組んでいます。また、もしスプリンクラーが誤作動を起こせば、水害にも匹敵する約20トンもの水が流れ出ますので、絶対に誤作動を起こさないように細心の注意を払っていますね。
大沢 些細なミスも許されない、とても厳しいお仕事なのですね。
酒井 また、テナントなどに消火設備を取り付ける際などは、閉店から次の日の開店時間までのわずか数時間の間に全ての作業を完了しなければなりません。当然、作業は夜中になることが多いですし、制限時間内に終えなければならないというプレッシャーもありますから、肉体的にも精神的にもタフさが求められます。
大沢 従業員の方に対して、日ごろからおっしゃっていることはありますか。
酒井 お陰様で、当社の従業員たちは皆優秀で、若手も順調に育っておりますので、技術面について何かを言うことはそれほどありません。それよりも私が言っているのは、いつも現場を綺麗に片付けなさいということです。現場に物が散乱していると作業効率も悪くなりますし、それを見た周りの人も、決して良い気分にはなりませんからね。そういった日ごろの小さな積み重ねが、丁寧な作業につながり、それが信頼となるのですよ。
大沢 最後に、これからの目標を。
酒井 今後は設置だけではなく、メンテナンスなど消火設備全般の業務を手掛けられるようになりたいですね。ただ、そのためには様々な資格も必要となりますから、一心不乱に勉強に励み、全員一丸となって業務に邁進していきます!
【米里作業所】
北海道札幌市白石区東米里2194-58
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