具志堅 はじめに、御社の業務内容を教えてください。
酒井 当社は各種医療機関での検査業務の請負を行っています。検診業務・消化管検査・超音波検査・一般撮影・CT撮影・MRI撮影等が可能で、週数回の勤務や短期間だけ技師を必要とされている現場のニーズにお応えしています。
具志堅 会社を興されたきっかけは何だったのでしょう。
酒井 私自身、放射線技師として様々な病院で勤務しており、その経験から、医療現場でも人材派遣のような業務が求められているのを感じたのです。ちょうど病院を辞めるタイミングと合い、それならばと会社を立ち上げました。しかし、当社はただスタッフを派遣するのではなく、検査自体を請け負うことで責任を持って仕事をさせていただいています。
具志堅 なるほど。では、取引先はどういったところが多いのですか。
酒井 小規模・中規模の病院が主になっています。「常勤の技師よりも週に数回だけ来てくれる人がほしい」といった要望をお持ちの経営者さんはたくさんいらっしゃるのですよ。そのため、当社のスタッフは日によって違う病院に赴き、業務をこなしているのです。
具志堅 では、現在は何名でお仕事に当たっておられるのですか。
酒井 常勤スタッフ5名、非常勤スタッフ50名程で動いています。知り合いの医療関係者からの紹介が多いですね。高い技術を持った人たちが集まってくれていますが、同じレベルのスタッフを揃えるのは大変ですし、同じレベルにまで育てることも技術習得の進度は人それぞれですから容易ではありません。そこが難しい所ですね。
具志堅 お仕事の認知度はいかがでしょう。
酒井 東京などの首都圏では医療スタッフの派遣業の基盤はある程度できていますが、東海地区ではまだまだといった現状です。まずは「こんな会社・こんな仕事がある」ということを広めていかなければなりません。
具志堅 なるほど。では最後に、今後の目標をお願いします。
酒井 新しい分野なだけに、まだまだ参考材料が少ない状況ですから、私自身の判断でビジネスモデルをつくっていかなければなりません。また、技師だけでなく医療事務やリハビリ・福祉関係のスタッフを派遣してほしいという声も出ているので、将来的には全ての業務をサポートできる体制が必要だと感じています。そのためにも、どんな検査内容にも対応できるように、スタッフのスキルアップを図るなど、できることから一歩ずつ始めて会社の基盤を固めていきたいと思います。
具志堅 医療現場が混乱している今だからこそ、ひとつの解決策として期待できるお仕事だと思います。さらなるご活躍をお祈りしています。