自動車リサイクル業で世界中の「ムダ」を省く!

ウェイクパーツ/有限会社 和気商店

代表取締役 和気 達夫

専務取締役 和気 大輔

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─略歴

「相手の立場に立って考えることで強い絆が育めるのです」

■「相手を喜ばせる」、「自分も喜ぶ」

 

「相手の立場に立って、“どうすれば喜んでくれるか”を考え続けてきました」──そう語るのは『和気商店』の和気社長だ。1980年の創業より自動車リサイクルパーツを扱い続けているが、近年では修理や鈑金塗装、レッカーサービスなど、業態も多様となってきた。それも全ては「顧客の利便性」を高めた結果と言える。今後は海外進出を予定しており、培ってきたノウハウを世界で活かしていく。

【代表取締役 和気 達夫氏の足跡】

学業修了後、自動車解体業界へ。その後『和気商店』を立ち上げ、以来業務を通して社会貢献を果たす。今後は大輔専務と共に、活躍の場を世界へと広げていく予定だ。

創業以来、一貫して自動車リサイクルパーツの取り扱いを続ける『和気商店』。近年では海外進出を予定し、世界中で推進されているリサイクル活動の一翼を担うべく事業展開を行っている。日本の循環型社会を支える和気社長と、ご子息であり、専務として社長を支える大輔氏に、俳優の石橋正次氏がお話を伺った。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─対談

石橋 はじめに、和気社長の歩みからお聞かせください。

和気 昔から車が好きでしてね。中古車販売業界に入りたいと考えていましたが、周囲には自動車解体業を手掛ける知人が多く、私もそちらへ進んだのです。

石橋 起業してみて、いかがでしたか。

和気 同級生に自動車関連企業に勤めている者がおり、十分な人脈もありました。その上で良心的な仕事を心掛け、結果、口コミによるお客様も増えていったのです。現在も営業活動はしなくとも、お客様からの紹介による依頼を任されており、本当に有り難いと、皆様に感謝しています。

石橋 お客様からの信頼を得た要因は何だとお考えでしょう?

和気 「相手を喜ばせ、自分も喜ぶ」が私のモットーなんです。取引先の利益が上がるようにサポートし、自らも利益を伸ばすことを考える──それは、「相手の立場に立って考える」ということ。その心掛けが、お客様への誠意ある行動につながり、今日の当社を支えてきたのだと考えています。

石橋 それでは、『和気商店』さんの主な業務内容をお願いします。

和気 自動車リサイクルパーツ、リビルトパーツ・優良パーツの販売、海外向自動車の販売、自動車修理、レッカー作業など、自動車に関することなら何でも手掛けています。特に自動車のリサイクルには創業当初から力を入れているんですよ。

石橋 活動範囲は?

和気 当社はNGP(日本自動車リサイクル事業協同組合)グループの加盟店として、インターネットを通じ全国へリサイクルパーツを販売しているんです。また、海外へも中古車・リサイクルパーツの輸出を行っており、息子である専務は留学経験があるため、海外事業は彼に一任しています。

和気(大) 高校を卒業して、父に「ニュージーランドへ行け」と言われて、最初は戸惑いながらしぶしぶ留学に出たんですよ(笑)。ですが、今こうして父の仕事を力強くサポートできているのは、その経験があったからこそ。結果的には良かったと思いますね。

和気 中途半端な大学へ行くよりは、海外へ行かせることで確実に英語が話せるようになるでしょう。現在、リサイクル業界の視野は海外に移っており、業績も伸びていますからね。どうしても彼の力が必要だったのです。

石橋 日本製の自動車は性能が高いですから、海外でも人気があるでしょう。

和気(大) そうですね。トラックでも多くの企業から引き合いがあります。鳥取県の境港からロシアに向けて、我が社だけで、毎月約100台を輸出しています。

和気 日本のハイスペックな自動車をただ廃車としてしまうのは、資源と労力の無駄と言わざるを得ません。解体・リサイクルして、全世界で有効に使ってもらうことが、社会貢献へつながると考えています。近年ではレッカー事業もはじめましてね。事故後、廃棄となった車をお客様からそのまま引き受け、リサイクル利用をしようという試みなんです。

石橋 それはお客様も廃車の手続きなど、手間が省けていいですね!

和気 通常、スクラップするとなると解体費用がかかりますが、無料で廃車、またはいくらかで買い取ることもできますので、ぜひ皆様に利用していただきたいですね。まだまだ知名度が高いとは言えず、ラジオやテレビでCMを流している段階なんですよ。

石橋 「部品を一品たりとも無駄にしない」という社長の強い姿勢を感じます。

和気 ただ、国内はあまり利益率が上がりませんね。リサイクルはものすごく手間がかかるんですよ。解体、洗浄、傷のチェック、それらのデータをコンピューターに登録し、梱包……新品を扱うのと比較すると、どうしても人件費がかかってしまう。しかし、それでもリサイクルは世界中で取り組んでいかねばならない活動です。「ものを大事にする」ことは、日本でも昔から言われていること。今後も利益率にこだわり過ぎず、頑張っていきたいですね。

石橋 限りある資源を大切にすることは、人の心を豊かに、さらに社会全体を豊かにしてくれることでしょう。今後の活動は、どのようにお考えですか。

和気 これからの時代、日本の人口はゆるやかに減少していきます。それに伴い、自動車ユーザーも少なくなってくるとの予測が。ですから、今後は今のシステムをそのまま海外に移していこうと考えています。特に中国は、これからまだまだ発展する国。親戚が生活していることもあり、中国進出も難しい話ではありません。これからも業界全体を盛り上げ、リサイクルを世界規模で進めて参ります!

石橋 私も陰ながら応援しています。これからも頑張ってください。

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─取材記事写真

自動車リサイクルパーツを通して、循環型社会を構築する

▼新中古車の販売、修理、レッカー作業、ロードサービスなどを手掛ける『和気商店』。同社の特徴は、廃車の解体からリサイクルパーツの販売までを行う「ユーズドカー・マルチ・リサイクル・システム」にある。購入した中古車は、どんな部品も細かく検品し、リサイクルパーツとして全国・全世界へ販売。近年ではレッカー事業もはじめ、顧客にとっての利便性もますますの高まりを見せている。

▼商品の需要と供給のバランスを保つため、同社では顧客の注文データを解析し、ニーズの高い部品を用意するよう努めているのだという。「データを解析するなかで、どのメーカーに人気が集中しているかなどはすぐに分かります。特に性能がいいメーカーは、どこに出品しても人気。日本車は海外でも評価が高いですよ」と語るのは和気達夫社長だ。今後は海外進出を狙い、専務の大輔氏と力を合わせていくという。リサイクル業を通して循環型社会を支えている『和気商店』。これからの展開から、目が離せない。

対談を終えて
「昔から日本はものを大切に扱う国でしたが、大量生産・大量消費の時代を経て、その精神は一時は廃れてしまいました。しかし、近年の世界情勢や資源の枯渇が騒がれる中、再びリサイクル活動に注目が集まっています。『和気商店』さんは1980年の創業から、一貫して自動車リサイクルパーツを扱っておられるとか。これまで得たノウハウを生かして、日本社会、ひいては世界に“ものを大切に扱う心”を広めていただきたいですね。これからの活躍に期待しています。本日はありがとうございました」(石橋 正次さん・談)

【異業種ネット】月刊経営情報誌『現代画報』特別取材企画 掲載記事─会社概要

名 称
ウェイクパーツ/有限会社 和気商店
住 所
岡山県岡山市米倉86番地
代表者名
代表取締役 和気 達夫
電話番号
TEL 086-243-6059 FAX 086-243-6159(G4)
関連企業

廃車天国

URL:http://www.haisyanowake.com

オートステーションR

URL:http://www.autostation-r.net

(株)オートトレーダース境港
掲載誌
現代画報 2008年9月号
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