石橋 こちらの調剤薬局を開業されるまでの経緯からお聞かせ下さい。
吉川 大学の薬学部で学び、卒業後は病院に勤務しました。その後は大学の医学部で動脈硬化の研究をしながら、健康保険組合の診療所で薬剤師として勤務していました。研究の成果が認められ、医学博士号を取得することができました。そしてその大学の研究で一緒だったのが、現在この調剤薬局に隣接する糖尿病専門クリニックの院長先生なのです。3年前に、彼女は糖尿病の専門クリニックを、そしてその隣に私が糖尿病専門の調剤薬局を開業しました。
石橋 開業当初を振り返ってみられていかがでしょう。
吉川 それまで調剤薬局の経験がありませんでしたから、先入観を持たずに自分の理想とする形で運営することができたと思います。
石橋 その理想と言いますと?
吉川 ただ処方箋に応じて薬を提供するだけではなく、「なぜ薬が必要なのか」「薬を服用し続けるとどのように良くなるのか」といったことを、根拠を持ってしっかりとお伝えするのが、私が考える調剤薬局の理想とする形です。そして、病状や生活状況により薬の使い方も変わりますので、患者さんから現状を伺い、お一人お一人に合わせてアドバイスもさせて頂いています。
石橋 そういった姿勢はスタッフの方にも浸透しているのでしょうね。
吉川 もちろんです。当薬局は糖尿病・生活習慣病の専門薬局を目指してスタートしましたから、私を含めた薬剤師4人のうち3人は日本糖尿病療養指導士、また受付の2人は管理栄養士の資格を持っています。皆経験豊富で優秀な者ばかりですから、私の自慢です。
石橋 それに局内は明るい雰囲気でとても癒されますね。
吉川 ありがとうございます。ゆったりとお話が伺えるようにと考えました。また、糖尿病の方は肩こりや血流障害で悩まれている方も多いので、この建物の中ではアロマテラピストによるリラクゼーションマッサージ、そしてフットケア用の手入れ用品や靴下の販売なども行っています。さらには日常生活のために、低カロリーのおまんじゅうやアイスクリーム、お米、カレーなどの食品も多く扱っています。
石橋 最後に今後の展望を。
吉川 これからは地域の医療機関と積極的に連携を図り、より地域に貢献できるような体制を整えていければと思います。そしてこちらのテーマでもある「健康と元気と癒し」を提供できる薬局を目指していきたいですね。