具志堅 まずは安井社長が現在のお仕事に就くようになったきっかけから。
安井 もともと体を動かすことが好きで、就職するなら絶対に現場で働きたいと思っていましてね。実際に働くようになって、意欲が一層強くなり、独立心が芽生えました。そうして二十歳で『来人産業』を立ち上げたのです。当初はたった二人で鈴鹿でスタートしたのですが、徐々に人が増えたこともあって、上下水道工事の需要がより高い松阪に移転。法人化を果たすこともできました。
具志堅 運営は順調のようですね。ここはそれほどまでに需要が高いのですか。
安井 残念ながら、三重県自体が他府県に比べて下水道処理が遅れている状態で、松阪にいたっては、くみ取り式のトイレをご利用の家庭も多いのです。そうした家庭の便槽などを撤去し、配管を公共の下水道の本管につなげたり、水洗トイレにリフォームするのが当社のメイン業務です。
具志堅 下水道を整備することは環境保全にも大きく影響するそうですね。
安井 下水道処理が進んでいる地域では、川に魚が戻ってきたり、蛍の姿が見られることも。当社の仕事は、直接環境保全に役立っているとやり甲斐を感じています。さらに、当社ではトイレだけでなく台所やお風呂など水回りのリフォーム、エコキュートをはじめとするオール電化工事、増改築工事などにも対応。業容が拡大したのも、お客様からの依頼がきっかけでしてね。当社では、お客様からの業容外の依頼でも、決して「できない」とは答えません。難しい内容であっても、必ず解決策はあるのですから。その結果、現在ではオール電化工事という環境面でも注目されている事業やエクステリア工事、さらにはバリアフリー工事、介護用品の販売および設置、介護保険に関する相談にも対応しています。
具志堅 お仕事をする上で大切にされていることは?
安井 お客様に喜んでもらうことを大前提にして仕事に取り組んでいます。お宅にお邪魔するわけですから、気持ちの良い対応も徹底。毎日の生活を営む家の傷は、心の傷にもつながっていきます。心のケアも担うつもりで、誠心誠意、業務に取り組んでいるんです。そうしてお客様の要望に精一杯対応できることが、同業他社との差別化になると私は考えています。
具志堅 社長の前向きな姿勢が伝わってきます。では、最後に今後の目標を。
安井 住宅のトラブルや心配事に迅速に対応し、地域の皆さんから頼りにされる企業でありたいですね。また、現在は使用済みの天ぷら油を回収してバイオディーゼル燃料として再利用する取り組みにも着手しており、業務の枠を超えて地域の環境に貢献していきたい。私は好奇心旺盛ですし(笑)、今後も勉強を重ね、意義ある事業を展開していく構えです。
具志堅 陰ながら応援しています。