佐藤 「カルディオ」では、細胞科学や再生医療のノウハウを活かした商品をつくっていらっしゃるそうですね。柳社長はどういった経緯でこちらに?
柳 「カルディオ」は、大阪大学大学院医学系研究科を母体とするキャンパスベンチャーとして設立された企業なんです。私はもともと東京の米国医療企業に勤めておりました。「カルディオ」設立から1年が経った頃、おつきあいのあった大阪大学教授から、経営面でサポートしてもらえないかと打診があり、こちらに移ってきたんですよ。2002年のことでした。そして、経営再生を使命として2006年に社長に就任しました。
佐藤 実際に組織のトップとなられていかがでしたか。
柳 就任当初から課題は多く残されておりましたが、まず着手したのは経営のスリム化でした。断腸の思いで組織を縮小し、経営そのものをコンパクトにしたんです。ただ、母体が世界レベルの研究機関ですので、細胞科学や再生医療に関しての高レベルな研究を基としたノウハウがあります。そこで、もともとの事業内容であった研究ではなく、それらノウハウを活かした商品づくりへと事業転換を図りました。組織としましてはいくつか柱となる商品がある方が強い。そこで医療デバイス分野と美容分野で製品開発を進めたのです。医療デバイス分野では、まずユニークな心臓外科手術用のデバイスを上市し、日本発・世界標準になる可能性を秘めた製品の開発に成功しました。ただ、こちらはまだ商品化に時間が必要です。美容関連商品に関しては、機能性化粧品の販売を開始しています。おかげさまで、メディアなどに取り上げていただくなどしまして、お客様にも大変好評なんです。
佐藤 どういった商品なのでしょう。
柳 当社のプロジェクト“サイエン・サイト®”がつくりだした「パーツスリム」という商品なのですが、ひとことで言いますと引き締め用ボディオイルです。これまでにない新しいタイプの商品で、有効成分を脂肪組織まで届ける方法が画期的な「パーツスリム」には当社の研究成果がぎっしりと詰まっています。モニタリングとヒアリング調査の結果、かなりの効果が期待できるんですよ。
佐藤 なるほど。こちらの商品も、世界に飛び出してもらいたいものですね。
柳 はい。私どもも力を入れてアピールしていきたいと考えています。これまでを振り返ると、厳しい時期もありましたが、スタッフみんなが「カルディオ」のことを心から思ってくれていることが伝わりましたから、途中で投げ出そうとは一度も思いませんでしたね。しかし本音を申しますと、製品開発がこれほど順調に進むとは思っていませんでした。これもすべて研究員たちの頑張りのおかげだと感謝しています。事業内容の転換にあたっては、研究者としての葛藤などもあったことでしょう。それを乗り越えて見事に結果を出してくれた。いくら労をねぎらっても足りないほどです。
佐藤 社長は人や出会いに恵まれていらっしゃるのですね。それでは、今後の展望をお聞かせ願えますか。
柳 先ほども申しました医療デバイス分野の製品開発は、なるべく早い段階で承認を受け、商品化できるよう頑張っていきたいと思います。医療デバイスはやはり欧米の方が研究開発が進んでおり、日本の製品はほとんどありません。ですから当社の商品を世界に向けて発信したいですね。これからも、スタッフのみんなと一致団結して、一歩ずつ着実に前進していきたいと思っています。 |