羽田 まずは御社を立ち上げられたきっかけからお聞かせ下さい。
岩倉 以前IT関連のベンチャー企業で働いていた際に、某金融機関のシステム移行を手掛けたことがきっかけです。そのときに移行を専門とした事業を行う会社がないことに気付き、ノウハウを蓄積した後、平成11年に『ロック・ストアハウス』を立ち上げました。
羽田 移行とは、どのようなお仕事なのですか。
岩倉 たとえば金融機関の経営統合が行われた場合に、それぞれの預金残高などのデータを一つに統合するといった業務ですね。その際の移行が上手くいかなければ、ATMが機能しなくなるなどの大きな混乱が起こりますし、だからといって別々のままでシステムを運用し続けているとランニングコストがかかります。ですから移行は大変重要な仕事だと言えるのですよ。
羽田 特殊なお仕事なのですね。
岩倉 ええ。当社は移行専門の会社として国内で初めて設立されましたので、積み上げたノウハウはどこにも負けないと自負しています。お陰様で、大手の金融機関をはじめ、たくさんのお客様からお仕事を戴いていますよ。
羽田 企業統合が加速していますから、同業他社さんも増えてきているのではありませんか。
岩倉 そうですね。今後も需要の拡大とともに追随する会社も増えることが予想されます。当社は業界のパイオニアとして作業のクオリティーとスピードに自信を持っていますが、今後生き残っていくためにはさらなる付加価値を付けることが必要だと考えています。現在そのために、あらゆる企業やシステムで使えるプログラムを開発中です。これが完成すれば、さらなるコストダウンが可能となりますので、お客様にもっと満足して頂けると思います。
羽田 従業員の皆さんの頑張りも大切になりますね。
岩倉 はい。皆自信と誇りを持って、意欲的に仕事に取り組んでくれており、定着率も高いのですよ。私は、会社は皆のものだと考えておりますので、色々なことを従業員と相談、共有しています。たとえば売上げや利益、経費などの情報は彼らに公表していますし、給与は年俸制で、それぞれの働きに見合った分を還元しています。それに、目指すところさえズレなければ自由にしてもらっていますので、皆いきいきと仕事をしてくれていますね。
羽田 社長のモットーは何でしょう。
岩倉 「スーパーポジティブ」です。これまで大変なことがあっても、とにかくポジティブシンキングで乗り越えてきました。たとえネガティブに傾きそうになっても、決して表には出さず、気持ちを切り替えてきたのです。
羽田 では、今後の展望をお聞かせ願います。
岩倉 日進月歩で進化する業界ですから、現状にあぐらをかくことなく、常に上を目指していたいと思います。短期的な目標を作って一つひとつをクリアすることで大きな目標を達成し、会社を成長させていきたいですね。 |