小倉 永戸社長はこの業界一筋でいらっしゃるのですか。
永戸 いえ、かつては玩具の設計・生産を手掛ける会社に勤務し、そのノウハウをもって一度独立したこともあるのです。しかし事業をうまく軌道に乗せることができず、継続を断念してソニーのサービスマンとして再出発しました。そちらで技術を学び、また、上司の薦めもあって再度独立を決意。現在はソニー系の代理店として、順調な経営を保っております。
小倉 具体的にはどのような業務を行っていらっしゃるのでしょう?
永戸 プロジェクターを中心にしたAV機器のメンテナンス、学校の視聴覚教室などに設置してある文教関係システムのメンテナンスが主です。また、ベルギーのプロジェクターメーカーでバルコという会社があるのですが、そちらの日本法人と提携し、コンシューマーへの調整・メンテナンスも手掛けています。
小倉 私はそれほどAV機器に長じていないのですが、それを趣味とする人はメーカーや機器などに強いこだわりを持つようですね。俳優仲間にはそういう人が多いんですよ。
永戸 私共も著名な方のご自宅にて調整作業を行うことがあります。「プロジェクターはバルコしかない。この色でなければ見る気がしない」という方もいらっしゃいます。そうしたお客様に納得していただくためにも、メンテナンスや調整には気を遣いますね。
小倉 お客様のこだわりに応えるだけの高い技術を、御社はお持ちなのですね。個人だけでなく、教育施設の機器も扱っているとのことですし、幅広い知識と技術が必要となりそうですね。
橋元 大学にある視聴覚システムや文教システムはバルコのプロジェクターほど専門的ではありません。しかし故障してシステムが稼働しないと授業や講義に支障をきたしますので、迅速な対応を心掛けるなど、こちらも注意が必要です。そのため、当社では大学に社員を常駐させ、随時調整に当たらせているんです。彼らには技術面のみならず、大学の教授や職員の方々と円滑な関係を築けるよう、常日頃からコミュニケーションに努めてもらっています。
小倉 サービスマンでありながら、営業マンとしての心得も必要というわけですね。社員の皆さんは何名ほどいらっしゃるのですか。
永戸 13名です。今、申しましたように大学や企業に出向している社員がいるため、一堂に会する機会はなかなかありません。ですが、特にこちらが指導しなくても、全面的に信頼でき、任せられる者ばかりですので安心しています。
小倉 信頼のおける社員がいるからこそ、確かなサービスが提供できるのですね。技術の変化が激しい業界だと思いますが、今後の展望についてはどのようにお考えですか。
永戸 今後はAV機器とIP機器の融合が急速に進んでいくものと考えています。そのため、当社でも両分野の知識・技術を持った社員を育て、技術革新に備えたいですね。
橋元 プロジェクターひとつとってもDLPが主流となるなど、技術は日進月歩ですから、我々も後れを取らぬよう、常に前進あるのみです。
小倉 さらなるご活躍を、陰ながら応援しています。本日はありがとうございました。 |