加納 まずは社長の歩みから伺います。
見目 私は愛知県の出身で、生後間もなく栃木県に移ってきました。幼いころから自然の中で身体を動かすことが大好きだったので、高校卒業後は大学の農学部森林科学科に進学し、林業や自然環境について学んでいたのですよ。そして、卒業後はその経験を活かして環境関係の仕事に就き、約5年の勤務を経て独立を果たしました。
加納 では、御社の業務内容についてお聞かせ下さい。
見目 当社ではラジコンヘリを用いた低高度高解像空中写真の撮影・販売及び地理情報システム「GIS」データの構築・解析を手掛けており、現在はそれらのツールを用いた動植物等自然環境調査をメインに行っています。そして、その調査結果を官公庁や大手コンサルティング会社などに提供しているのですよ。
加納 とても公共性の高いお仕事なのですね。調査対象はどういった場所になるのでしょう?
見目 お客様のニーズによって様々ではありますが、メインとなるのはやはり自然に恵まれた地域ですね。たとえば、現在は尾瀬国立公園の特別保護地区において動植物調査を行っており、近年出現し始めたニホンジカの湿原への影響について調べています。
加納 その調査というのは、具体的にどのように行っておられるのですか?
見目 まずはラジコンヘリによる空撮を行い、ニホンジカがどの辺りを利用しているのかを把握します。そして、そのデータをもとにGISオペレータが解析を行い、今後執るべき保全対策などの基準情報を構築していくのです。さらに、春先にはGPSを持って実際に鹿の足跡を追いかけてそれを地図に反映する、地上からの現地調査も行っているのですよ。
加納 なぜ空と陸の両方から調査をされているのですか?
見目 空中から撮影した写真だけで全てを識別するのは非常に困難ですし、地上のみの調査でも全体像を把握できないからです。それぞれが持つ特性を活かし、さらにそれを組み合わせることで、初めて効果的な情報が提供できるのですよ。
加納 なるほど。確かに両方を活用すれば、より確実な情報を提供できますものね。それでは、最後にこれからの展望をお願いします。
見目 公共事業がメインとはいえ、今はまだ売り上げに波がありますので、まずは安定的な収益をあげられる体制を整えることが目標です。そのためにも、現在ある設備や技術を活かした事業──たとえばラジコンヘリによる農薬散布など、あらゆる可能性を追求して業務を拡大していきたいですね。
加納 本日はありがとうございました。 |