吉沢 オーナーは飲食業に就かれた当初から独立を考えていらしたのですか。
田中 そうですね。和食・洋食にかかわらず様々な店で料理の修業をし、腕に自信が付いたら必ず自分の店を持ちたいと考えていました。
吉沢 念願叶って、このお店をオープンされたのはいつでしょう。
田中 15年前です。ここは私の親がベーカリーを営んでいた場所で、当初は敷地の半分を譲り受ける形でスタートしました。しかし4年前に母が他界し、店を継いだ弟が事情でパンを焼けなくなったため、店を改装して現在の形にしました。それが1年前のことです。
吉沢 リニューアル前と後とで大きく変わった点はございますか。
田中 以前はフランス料理を主体としていましたが、今は雰囲気をカジュアルにし、昼はランチを、夜は洋風居酒屋のスタイルで一品料理とドリンクなどをお出ししています。
吉沢 改装にあたって、こだわりを持たれたところは?
田中 こだわりというほどでもありませんが、昼の雰囲気と夜の雰囲気を共存させることに頭を悩ませました。昼をメインに考えると夜の雰囲気に合いませんし、その逆も然りです。悩んだ甲斐があって、昼夜どちらにも合う雰囲気の店づくりができたと思っています。
吉沢 付近は住宅地のようですが、お客様は近隣の方が多いのでしょうか。
田中 そうですね。長くこの場所で営業しておりますので、常連のお客様もたくさんいらっしゃいます。また、親しくしてくださっている方もおられ、そうした方々からはアドバイスをいただくこともあるのです。
吉沢 例えばどのようなことを?
田中 お店の入口は当初、とてもシンプルだったのですが、お客様のご意見を参考にしながら、照明や装飾を工夫しました。また、当店ではメニューを定期的に変更しているのですが、時にはお客様の希望を反映させることもあります。
吉沢 お客様と一緒にお店づくりをされているなんてとても素敵ですね。
田中 お客様のご希望を織り交ぜた料理をメニューに加え、それを召し上がったお客様が喜んでくださると、こちらとしてもとても嬉しいですね。やり甲斐を感じます。
吉沢 リニューアルを機に、新たな歴史をスタートされたわけですが、今後の抱負をお聞かせくださいますか。
田中 個人経営の店ならではの持ち味を活かしたメニュー、味にこだわり、地域の方々に愛されるお店にしていきたいですね。どなた様にも気軽に訪れていただける店づくりに努めます。 |