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現代画報について:日本の企業の約90%を占め、日本経済を支えている中小企業。生産、販売、サービス、医療、そして情報提供とその内容は違っても、企業運営にかける経営者の胸には、ひとつの共通した思いがあります。「地域と共に成長し、 地域と共に生きる」──現代画報では、その思いを基盤として激流の現代に力強く自らの道を切り開いていく経営者たちにスポットを当て、「地域を育む人と企業」をはじめとした「時代と人をつなぐスペシャリスト」「地域医療に貢献するDr.訪問」「職人魂〜地域で活躍する職人たち」「魂のふるさと〜社寺めぐり〜」「美食探訪 一度行きたいお薦めの逸店」などの独自の対談取材(特別取材企画)を通して地域と共存共栄する企業の在り方を探っていきます。
 
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代表取締役 鈴木 美仁 奥様 鈴木 文代 ゲスト 吉沢 京子「完璧なシステムにまさる愛情の深さがおいしさの秘密ですね」
local community & human company
たっぷりの愛情が生んだこだわりの「田原ポーク」
群類畜産
代表取締役 鈴木 美仁
奥様 鈴木 文代
− 略歴 −

「若者が誇りを持てるような魅力ある養豚業界の構築を」

■事業の拡充を図り、将来の可能性を高める

「子どものころ、養豚業者によいイメージを持っていなかった」という鈴木社長。しかしその印象は、先代の事業に取り組む情熱に触れることによって変化する。今、養豚業者としての誇りを持つ社長は、若い世代に養豚の魅力を伝えていくことを自らの使命としている。積極的な設備投資によるインフラの充実もさることながら、情熱をもって働いている社長の姿が、養豚業の魅力を何よりも物語っている。

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【代表取締役 鈴木 美仁氏の足跡】
『群類畜産』を創業した父の背中を見て育ち、自らも養豚の道を歩む。若い世代に魅力を感じてもらえるよう、業界全体の向上を視野に入れた活動を展開している。

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厳選した飼料を配合した独自の餌、弱アルカリ性水のπウォーターなど、こだわりぬいた飼育方法のもとで育った「田原ポーク」。鮮度・品質に優れており、安全な食品を切望している現代社会のニーズに応えている。「田原ポーク」の生産者として活躍する『群類畜産』の鈴木美仁社長と、奥様の文代さんにお話を伺った。

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− 対談 −

吉沢 まずは『群類畜産』さんのこれまでの沿革からお聞かせください。

鈴木 当社は、先代である父が創業しました。創業は1978年で、養豚業者としては比較的若い方ですね。2006年、先代の他界を受けて私が二代目を引き継ぎました。

吉沢 こちらでは、「田原ポーク」を生産されているとか。

鈴木 ええ。「田原ポーク」は餌、水、飼育方法にこだわり、おいしさと安全を追求しています。まず一番の特徴は、地下55メートルからくみ上げた良質な水をさらに浄水器で活性化した水「π(パイ)ウォーター」で育てていること。また、とうもろこしを加熱、圧縮、粉砕するなど、豚の消化吸収を考えたオリジナルブレンドの餌を採用しています。温暖な渥美半島で健康に育っているため、おいしさも格別なんです。

吉沢 餌や水によって味は変わってくるものなのですか。

鈴木 肉の甘みが大きく異なってきますね。また、ドリップが出にくくなり、かつ日持ちもするようになるのです。食感もやわらかく、コクがあって栄養のバランスもとれているんですよ。

吉沢 独自の飼育方法を確立されているようですが、生き物が相手であるだけに、運営を継続していくのは大変なのではありませんか。

鈴木 そうですね。豚はとても繊細な生き物ですから、ちょっとしたことで病気になってしまいがち。ですから、豚にストレスを与えないよう、飼育には万全の体制をとっています。舎内の温度、湿度、換気はコンピューターで管理しており、常に適温に保っているんです。また、病原菌の発生を防止するため、休息舎の地下に活性炭を埋設。舎に入る前後は必ず殺菌消毒を心掛けています。いつも清潔で、快適な環境を……そして何よりも愛情を注いで育てています!

吉沢 生産者の気持ちがこもっているからこそ、安全とおいしさが実現できているのですね。しかし、それだけの環境を整えるには、相当の設備投資が必要だったのでは?

鈴木 確かに、最初は経済的負担が大きかったです。しかし、将来性を考えると、効率的な生産につながるという確信がありました。それに、安全とおいしさに対するこだわりには、一切妥協する気はありませんでしたから。お陰様で「田原ポーク」のブランドは徐々に浸透し、ソーセージやベーコン、ロースハムなどの加工商品の人気も高まっています。

吉沢 現在、とうもろこしの価格が世界的に急騰していますが、その影響は?

鈴木 とうもろこしを飼料として使用している養豚業界は、非常に厳しい状況にあります。しかし、そうした中だからこそ、「田原ポーク」としてのこだわりを貫くことが生き残りのカギになる──。品質・鮮度の良い素材で育てているからこそ実現した「田原ポーク」は、どんな状況になろうとも、その味が変化することはありません。

吉沢 豚肉はビタミンも豊富でヘルシーな食材として注目されていますね。

鈴木 食品としての注目も高まっておりますし、輸入食品の問題が明るみに出てから、国産ブランドも見直されるようになりました。お陰様で需要に対して供給が間に合わない状況です。

吉沢 スタッフは何名?

鈴木 妻の文代を含め、6人体制で業務に当たっています。

吉沢 6人で農場を経営するのは大変なのではありませんか。

【現代画報】取材記事写真

鈴木 スタッフとの連携は抜群に良く、意思疎通もできているため、少人数でも運営していける体制を実現しています。

鈴木(文) 長男の雄大は大学で経済学を学んでおり、いずれ事業を手伝うと言ってくれているんです。

吉沢 それは頼もしい。これまでの実績に経済の専門性が加わることで、事業の可能性が広がっていきそうですね。早くからご子息に後継の話を提案されていたのですか。

鈴木 いいえ。むしろ、自由な道を歩んでほしいと考えていました。私達が強制しなかった分、彼は自分なりに考えてくれたようで、自発的に家業を手伝うと言ってくれたんです。ありがたいことですね。実は、私は子どものころ養豚業について「臭い」「汚い」という負のイメージを持っていたんですよ。しかし、父が安全でおいしい肉を生産することに情熱を注ぐ姿を見て、この仕事に魅力を感じるように。もちろん、今ではこの仕事に誇りを持っています。そして、私が父から影響を受けたように、若い世代に養豚の魅力を伝えるのは、この仕事に従事している私達の役目だと認識しています。研究を重ねて養豚の可能性を広げ、若い世代がやり甲斐を見いだせる業界を築いていきたいです。

吉沢 私も応援しています。

先代から次世代へと受け継がれる“情熱”
【現代画報】取材記事写真
▲先代・鈴木正弘氏
▼1978年に創業した『群類畜産』。同社を立ち上げたのは、先代である鈴木正弘氏だ。安全で安心して食べられる豚肉の提供に、氏はこだわり続けた。そしてたどり着いたのが、πウォーターで育てた「田原ポーク」だ。地元・愛知県の品種を使うなど、安全性への信頼も高く、食の安全が強く求められている現在社会において、注目を浴びている。

▼正弘氏の情熱を身近で感じ、二代目として活躍する美仁氏もまた、先代と同じように養豚業者としての熱い誇りを胸に抱く。その情熱は、美仁氏一人だけのものではない。奥様の文代さんをはじめ、全スタッフがより高い品質を求めて取り組んでいる。現在は、長男の雄大氏が家業で活かせるようにと大学で経済学を学んでいるという。先代から引き継いだ情熱は、次世代にも確実に受け継がれていくことだろう。

対談を終えて
「水や飼料など、飼育方法に徹底してこだわり、さらにすぐそばにある加工工場で即日解体・加工を行っているため、高い品質と鮮度を実現しているという『田原ポーク』。そのおいしさは、確固たるシステムはもちろんのこと、何より、愛情を注いで育てられているからこそ、実現しているのではないでしょうか。食は私達の生活にとって欠かすことのできない分野ですし、今後ますますの活躍が期待されますね。陰ながらではありますが、これからも応援しています」(吉沢 京子さん・談)
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− 会社概要 −
名 称
群類畜産
住 所
愛知県田原市田原町二ノ丸4-1
代表者名
代表取締役 鈴木 美仁
電話番号
TEL 0531-22-1129(イイニク)
FAX 0531-22-4186(ヨイハム)
掲載誌
現代画報 2008年5月号
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