三ツ木 『金美堂』さんは創業から100年以上を数える、歴史ある企業だそうですね。
渡邉 ええ。当社は1905年に創業し、私で三代目になります。宝石・貴金属・時計・メガネの販売を手掛けているんです。現在は福島県を中心に、茨城県や宮城県、東京都にて全12店舗を運営しています。
三ツ木 では渡邉社長の歩みを。
渡邉 東京で生まれ、幼いころに福島県に移り住みました。当社の先代社長である父の背中を見て育ち、紆余曲折を経て、この仕事に携わるようになりました。そして当社の代表取締役社長に就任し、当社を牽引しています。様々な経験を経て、今の私があるのは先祖のお陰だと考えるようになりましてね。先祖には本当に感謝しています。
三ツ木 渡邉社長が心掛けてこられたことは何ですか。
渡邉 「自分が“初代”社長だ」という心構えを持つこと。企業の経営者は常に自分を“初代”だと思って経営を行うべきではないでしょうか。経営者が先代たちの築いた歴史にあぐらをかいているようでは、企業に未来はありません。あんなに強かった恐竜がこの地球上に生き残れなかったのはなぜか? それは恐竜が進化をしなかったからだと考えられます。企業にも同じことが言える──。企業に一番必要なのは“強さ”ではなく“進化すること”なんですよ。同じことを繰り返していては、今後生き残ることはできない──チャレンジすることが求められます。
三ツ木 社長は常に前向きな姿勢で会社づくりに取り組んでおられるのですね。
渡邉 ええ。それに「企業を進化させる」という目的を持つことで、日々の仕事が楽しくなりますよ。私共は今、海外でも活動しており、『ケービーディージャパン』という卸会社の経営も行っているのです。『ケービーディージャパン』のスタッフは世界中を飛び回っており、私も毎月のように海外へ出かけ、自分の目で品質の良いものだけを選び出して仕入れたり、また果敢に情報も収集しています。この先、日本と外国の距離はどんどん縮まることでしょう。そこで私は自分のことを「地球人」だと自覚し、グローバルに活動しているのです。
三ツ木 専務から見て、社長はどのような方ですか。
渡邉(大) パワーのある人ですね。親子とはいえ考え方が異なることもありますが、目指すゴールは一致していると思います。その目標に向かって、力を合わせて邁進しているのです。
三ツ木 お仕事の上で、専務が日ごろから大事にしておられることを教えてください。
渡邉(大) 時代の流れを読むことです。良いものは昔からたくさんありますので、古き良きものを大切にしながら、新しいものを取り入れています。そうして今の時代に合った取り組みを心掛けているのです。
三ツ木 社長からスタッフの皆様へよくおっしゃっていることはありますか。
渡邉 「最高の仕事を行おう」「最高の商品をお客様に提供しよう」と言っています。当社のポリシーは、最高の商品を扱うこと。最高の商品を扱っていれば、お客様にも自然と「ほしい」と感じていただけます。企業が、“売ること”だけに力を入れていては、まだ良い商売をしているとは言えない。当社はお客様に求められる商品を扱い、満足していただけるよう努めています。
三ツ木 それでは最後に、今後の展望を。
渡邉 これからも最高の商品をお客様に提供していきます。そして、より良い企業へと進化し続ける所存です。
三ツ木 社長から専務へメッセージを。
渡邉 「人間は一人の父では大きくなれない」というのが私の持論。血のつながった父のほか、色んなことを教えてくれる父──人生の先輩が必要だと思います。そうした人々と出会うことで一人前になれるのではないでしょうか。専務には出会いを大切にし、多くの人の話に耳を傾け、自分の力にしてもらいたいです。
三ツ木 これからも頑張ってください。 |