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異業種ネット - e-gyousyu.net -   SPECIAL INTERVIEW(スペシャルインタビュー) − 地域を育む人と企業 −
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  ゲスト 渡辺 めぐみ「私自身も農業の在り方を考えさせられました」 local community & human company
“農業をメジャーに!”消費者の心に寄り添う魅力あふれる事業を展開する
有限会社 チャイルドフラワー
代表取締役 横田 剛
− 略歴 −

【足跡】 農家の長男として生まれる。アメリカで農業を学ぶ中で、「転作」に着眼。帰国後はそれまで手掛けていた苺苗中心の栽培形態を見直し、年間を通してハウス栽培のできる花卉栽培を開始する。その後1994年に『チャイルドフラワー』を設立し、独立を果たした。

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アレンジが自在な4連カットパック苗を中心に、鉢花や寄せ植え、苺苗の生産販売を手掛ける花卉農家『チャイルドフラワー』。1994年の設立以来、ガーデニングブームの波に乗り業績を伸ばしてきた。現在は、農業の楽しさや重要性をより多くの人に伝える取り組みを考案中の横田社長に、女優の渡辺めぐみさんがインタビューを行った。

− 対談 −

渡辺 横田社長が花卉産業に携わるようになったきっかけとは?

横田 実家がもともと農業を手掛けていたんです。かつてこのあたりは落花生や大根、西瓜などを多く栽培していたのですが、時代の影響を受けて父が苺苗の栽培をスタート。しばらくは苺栽培を主軸に手掛けていたんです。その一方で、地域農業における高齢化がどんどん進んでいきましてね。学業を終え農業に携わるようになった私も、この状況を打破しなくてはと新たに転作に着眼。花卉栽培を手掛ける『チャイルドフラワー』を設立し、ガーデニングブームに乗って業績を伸ばしてきました。

渡辺 どのような商品を扱っておられるのですか。

横田 約200種類の花に加え、苺や野菜などの農産物です。主にカットパックによる花壇苗を扱っていましてね。これはガーデニングや寄せ植えにぴったりの、欧米では主流の花苗の形。当社では専門農家によって丁寧に育てられたプラグ苗を、温室にて数週間心をこめて管理し、つぼみを付けるまで育てていきます。

渡辺 豊富な種類を扱っていらっしゃるのですね。高齢化を危惧しての転作ということですが、現況はいかがですか。

【現代画報】取材記事写真

横田 ここ千葉は首都圏に近くいい環境が整っているのに、畑がどんどん空いていっている状態。農家を辞めてしまう方が後を絶ちません。それで、今後は「観光」や「直売」を軸に、都会の方にもっと農業を知ってもらおうと考えていまして。「農業=畑でものを作る」というイメージがあると思いますが、「色んな人に参加してもらえるレジャー」として認識してもらえるよう、農業に携わる者として仕掛けていきたいと考えています。

渡辺 最近は、農場での収穫体験の人気が高いようですね。やはり都会人にとっては特別な体験のようです。

横田 収穫の喜びを味わってもらえるだけでも十分です。種まきや、苗植えをはじめとする「管理」は我々が手掛け、収穫を一般の方にしてもらう……皆が喜んでくれて、我々も商売になれば、それも一つの農業の形だと思います。それに、「農業体験」は、生産者と消費者がふれあえる貴重な場でもある。量販店の台頭から、生産者は流通先や販売先を細かく知ることができません。直接消費者の声を聞くことができるのは、生産者にとって非常に大きなやり甲斐であり、喜びなのですよ。消費者と農家の距離をもっと縮められたら……と強く思います。

渡辺 スーパーで販売されている野菜にも、最近は生産者や農法などの表示がなされるようになってきました。

横田 新たな時代の幕開けですよね。「国産」を食すことが贅沢な時代になりました。私は、自分で作ったものを食すことが、最高の贅沢だと思うのですが……。若い世代を中心に、農業の魅力を伝えることも農家としての使命だと思っています。そのためにも、今後は「農業」自体を変えていかねばならない──。ただ、実際に農業に携わっている者だけで農業の将来を考えても、変化は望めないでしょう。様々な分野の色んな視点から農業を見つめることが大切です。農業とは何なのか──心の豊かさを求める場所なのか、レジャーの場所なのか……農業従事者として、たくさんの声を聞いていかねばなりません。

渡辺 生活に密着した第一次産業として、今後はその在り方が問われていくのでしょうね。

横田 ええ。ただ、どんな時代にあっても、わたしは「農」を生業としていきたい。それだけは変わりません。これからも農業とまっすぐに向き合いながら、「メジャーなビジネスにする」ことを目標に活動を続けるつもりです。

渡辺 どのようなビジョンを持っていらっしゃるのですか。

横田 農業をしたい人を集めること、またそういう方が農業を始められる場所を確保することです。これは、今後の人生におけるテーマだと考えていましてね。農業に参入する人の「新しい感覚」が入ってくれば、業界もまた活性化するでしょうし、「農業をメジャーにすること」で農業人口も増え、自給率に対する意識も高まるのではないでしょうか。

渡辺 まずは農場に「足を運んでもらうこと」ですね。農業の未来をしっかりと見据えていらっしゃる。

横田 たとえば、精神疾患の予防医学という見地で、医療関係と提携して農業体験を通して豊かな心を育む取り組みを考えています。今は、昔ほど土に触れる機会も多くありません。土を、そして農業を通して、「温もり」を感じてもらえたらと思います。

地位向上は自活への第一歩

▼「農家所得向上のために政府がコメの価格を高くする」──戦後、政府が敷いた高米価政策。農業資源は収益の高いコメに向かい、過剰となったコメの生産調整を実施してきた。高米価政策は生産性の低い副業的農家を増やし、主業農家の衰退を招いた歴史を有する。農業をビジネスとする者に生産資源である農地が集積せず、耕作放棄が進み、米の消費減少に拍車をかけたのだ。国内食料供給の担い手は育たないまま、農業者の著しい高齢化が進行し、国内生産力の低下を招いた。

▼自給率の低さが懸念される中、千葉県にて花卉生産を手掛ける『チャイルドフラワー』の横田社長もまた、農業の未来に警鐘を鳴らす。「今では国産を食すことが『贅沢』になってしまった。このままでは、食糧危機時代の到来は避けられない」と──。

▼自活、再生の道を考える時期に来ている我が国の農業。「農業の未来は、農家だけで考えていても頭打ちです。まずは、農業従事者以外に自給率の低さに危機感を覚えてもらう必要がある。そして、農業の地位を上げていかねば」。そのために、農家と消費者の距離を縮めること──それが社長の目標だ。

対談を終えて
「心から農業を愛しておられる横田社長。情熱あふれる対談を通じて、私自身も農業の在り方を考えさせられました。昔は、小学校でも稲を育てたりしていましたが、今では育て方を伝える人が減っているのだそう。社長には、若い世代にもの作りの楽しさを伝えて、新しい農業をつくるべく今後も頑張ってもらいたい。土に触れることを通して、体力的にも精神的にも強く豊かな人材を育てていただきたいものです」(渡辺 めぐみさん・談)
− 会社概要 −
名 称
有限会社 チャイルドフラワー
住 所
千葉県千葉市緑区平山町1048
代表者名
代表取締役 横田 剛
電話番号
TEL 043-291-3687・1299 FAX 043-226-9419
U R L
http://www.child-farm.com
掲載誌
現代画報 2008年4月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『現代画報』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。

local community & human company 代表取締役 横田 剛「“農”本来の魅力を伝えるためには、農業自体が変わらねばならない」  
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