藤森 早速ですが、吉田社長がこの業界に入られた経緯からお聞かせ下さい。
吉田 私は昔から大のコンピュータ好きで、中学生の頃にはこの道に進むことを決めていました。また、マイクロコンピュータが流行った折には、アルバイトをしてはチップを買ってきて、自分で組み立てて遊んだものです。
藤森 学業修了後はどのように?
吉田 プログラマーとして就職し、その後27年間勤めました。プログラマー、そしてシステムエンジニアとしても経験を積み、プロジェクトマネジメントに携わるようになったのは27〜28歳の頃でしたね。以降、上手くいかないシステム開発をどんどん託されるようになり、無我夢中でいくつもの壁を乗り越えてきました。そうして長年プロジェクトマネジメントに携わる中で、少しずつ自分の方法を掴んでいったのです。
藤森 独立されたきっかけは?
吉田 大企業では役割分担が明確にできていて、それぞれが自分の仕事の幅を出ることはありません。自分の仕事をこなすだけでは、専門性の高い技術者は育成できるかもしれませんが、多様な能力を駆使し、業務を成功させ得る技術者を育成することは難しいでしょう。IT業界は変遷の速い業界ですから、自分の頭で考え、行動できる技術者をもっと育成したいと考えたのです。また、力のある日本の技術者は減ってきています。若者たちがプロジェクトマネジメントに興味を持てるよう、現場で共に働き、学べる環境をと思い、独立を果たしました。
藤森 なるほど。ではこのお仕事で難しい点は何でしょうか?
吉田 コンピュータのプログラムは目に見えないので、いかにして可視化し、不具合を見つけ出すかが肝要です。昔は問題があっても一台のコンピュータの中だけで起きていたのですが、今ではネットワーク化が進んで周辺機器がとても充実しているでしょう。問題点を探り出すのもより難しくなっています。
藤森 大変なお仕事なのですね。
吉田 この業界の仕事というと、コンピュータと人がにらめっこをしているイメージがあるかもしれませんが、私は人の力が一番大事だと考えています。皆で協力し、チームでより高レベルな仕事を生み出していきたい。また、何でも私が取り仕切るのではなく、スタッフに責任を持たせて業務に取り組み、一人ひとりの力を底上げしていきたいと考えています。人を大切に、歩んでいきたいですね。 |