吉沢 この業界に入られるまでの金山社長の歩みをお伺いしたいと思います。
金山 父がこの仕事をしておりましたので、長男である私もこの道へ進もうと考えていました。早く親孝行がしたいという思いもありましたので。ですから高校卒業後は迷わず同業他社で修業をスタート。そして、数年間の修業期間を経て、家業に入りました。
吉沢 現在、建設業界は厳しい状況にあると言われていますが、御社では何か乗り切るための秘策をお考えでしょうか。
金山 バブル経済が崩壊した後からこれまで、そしてこれからも建設業界は淘汰の時代が続くことでしょう。その中で生き残るためには、当社自身が対外的な信用という観点から“しっかりとした会社”であることが重要だと考え、実際にそうあり続けてきました。この業界に対しては荒っぽいイメージを抱く方もいらっしゃいますから、当社が率先してそのイメージを払拭していけたらと思うんです。そのために、安全面や環境面、人材育成面で具体的な目標を掲げて向上を目指しています。それが差別化にもつながり、時代を乗り切る力となるはずです。
吉沢 なるほど。では一つずつ伺って参りましょう。まず、安全面については?
金山 メイン事業に建材などの運搬業務を据えておりますので、当社の“看板”はトラック。だからこそ事故がないように徹底しているんです。社内では定期的にミーティングを行い、その中で安全教育を行います。また、トラック協会主催の安全大会にも全員で参加するなど、対外的にも積極的に活動しています。おかげさまでこういった地道な取り組みが評価され、2006年には運輸局から優良事業者として表彰を受けました。
吉沢 それは素晴らしい。では、環境面ではどういった取り組みを?
金山 はい。環境問題は、建設業界にあっては特に重要視されている課題の一つ。たとえばマンション建設に際して、様々な作業段階で環境に負荷がかかります。さらに産業廃棄物関連でも環境への影響は大きい。そこをいかに軽減するかが課題なんですよ。当社では適正な運搬を促進するためにデジタルタコメーターを導入し、CO2削減に積極的に取り組んでいます。また、2008年からはリサイクル品の活用も推進し、環境に優しい企業として本格的に始動する予定なんです。
吉沢 なるほど。ただ、安全や環境を守るのは人間。やはり3つ目の人材育成が要となりそうですね。
金山 おっしゃるとおりです。当社のスタッフは10名ほどと、多いわけではありません。しかし、おかげさまで良い人材に恵まれていましてね。会社の方針を伝える私や佐野統括部長(後半の記念写真参照)が何かを話しはじめると、すぐに意を汲んでくれるんです。特に伝えているのは業界のイメージにもつながっていく、礼儀やマナーについてですね。挨拶はしっかりと、はきはきとした受け答えを心がけるよう話しています。ただ、常にガチガチに厳しいのかというとそうではないんです。基本的に、仕事は自主的に動き楽しんでするものだと思っていますから、メリハリをしっかりつけているんですよ。
吉沢 それはとても大切ですね。ところで、佐野統括部長からご覧になって金山社長はどんな方ですか。
佐野 社長は人間的にも度量が大きく、魅力的な方です。私とは年齢が近いですし、仕事などに対する考え方も共通点が多く、目指す場所が同じだと感じています。ですから、社長のもとで仕事をしていると、一緒に夢を追いかけているという充実感がとても大きいんです。
吉沢 なんだかお二人は“同志”といった感じですね。では最後に、今後の展望をお聞かせください。
金山 まだ構想を練っている段階ではありますが、具体的に考えがまとまりつつある案件がいくつかありましてね。2008年は本格的に情報収集や視察をしたいと考えています。当社が掲げているのは「Serve the Future(未来へ奉仕する)」。今後も一層社会に貢献できるよう、努力し続ける所存です。 |