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SPECIAL INTERVIEW(スペシャルインタビュー) − 再生日本 −
 
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代表 木下 幹雄「楽しさを味わいながら家造りに取り組んでいきたい」 ゲスト 石橋 正次「今後も安らぎを与える住まいを提供していって下さい」
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自然と共存する姿勢と建築を楽しむ心で最良の住まいを手掛ける
木下建築
代表 木下 幹雄
− 略歴 −

「住まいに楽しむ心を映し出す──
溢れるアイデアで施主に満足を」

家造りを行う上で木下代表が一番大切にしているのは、自分自身がその過程を楽しむということ。建築は作り手の心が如実に映し出されるものだからこそ、職人が楽しんで家造りに取り組まなければ、決して施主を満足させることはできないと考えているのだ。ただその気持ちは、それぞれの施主、そして現場と向かい合う中で、自然と溢れ出てくるのだという。施主が心から安らぎを感じ、安心して人生を共に歩むことができる家を造りたいと思うからこそ、職人として腕が鳴るのだろう。そしてこれからも代表の住まう人の心を豊かにする家造りは続いていく。

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【足跡】 中学卒業後、大阪で勤務経験を積む。その後地元三重に戻り大工の修業をスタート。独立後もさらに技術の研鑽に励み、弱冠30歳にして直接新築の依頼を受けるほどの信頼を獲得する。伝統工法にこだわった日本家屋は、多くの施主から評判を呼んでいる。

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伝統工法による木造建築を手掛けている『木下建築』。自然との共存や建築を楽しむ心を大切にしている木下代表は、子息らと共に最良の住まいを造り上げ、地元を中心に多くのファンを獲得している。本日は建築に全身全霊を注ぎ込みながら、後進の育成にも尽力している代表にインタビュー。

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− 対談 −

石橋 まずは代表の歩みから。

木下 昭和24年に三重県で生まれ、中学を卒業した後に一旦大阪に勤めに出て、3年ほどそちらで働きました。しかし長男だったことから地元に戻ることになり、その後建築業界に入って大工としてのスタートを切ったのです。

石橋 建築業界の修業時代は厳しいとよく聞きますが、代表の場合はいかがでしたか?

木下 確かに厳しかったですが、良い親方に恵まれたお陰で有意義な修業時代を過ごすことができました。私が修業に入った当時、親方はすでに60歳ぐらいで「長い期間をかけてじっくり教えることはできないから、早く覚えるように」と言われたのです。親方のその期待に応えられるように、私もがむしゃらに修業に励み、通常ならば10年かけるところを4年ほどの間で技術を磨かせてもらうことができました。また技術以上に職人としての気構えなど、貴重なことを多く学ぶことができ、職人として歩む上での基礎を築くことができました。そして親方が引退することになり、それをきっかけに独立することにしたのです。

石橋 ということは、独立時もお若かったのでは?

木下 はい。ただこの業界は10年以上修業を積んだ職人でないと、たとえ技術があっても一人前として認めてもらえない風潮があります。ですからなかなか直接ご依頼を戴くことができず、その後も人の下について作業を行うなど、さらなる研鑽に励みました。そして30歳ぐらいのときにチャンスが巡ってきて、初めて家造りを丸ごと任せて頂けることになったのです。そして無事完成した家を多くの方が見て下さり、一人前だと腕を認めてもらえるようになりました。

【報道ニッポン】取材記事写真

石橋 それからは順調にご依頼を戴けるようになったのですか?

木下 そうですね。1軒1軒自分自身の持てる力を全て注ぎ込んできましたので、それが評価されて、その後もコンスタントに注文を戴けるようになりました。ところがそんな矢先であった平成9年に突然ガンの告知を受けたのです。そのときに自分の人生を振り返ってみたところ「これまで世の中に何かを残すことができただろうか」と疑問を抱くようになり、「これからは自分がこの世に生を受けた証を残していきたい」と強く思うようになりました。そしてこの長瀬という地とそこに住まう人々に貢献できるような新たな取り組みを始めたのです。

石橋 今はお元気そうで何よりです。具体的にはどのような取り組みをしてこられたのでしょう?

木下 ある設計士から「一緒に面白い家を建ててみないか」というお誘いを戴き、「平成の民家」という伝統工法にこだわった木造住宅を手掛けるようになりました。その当時は阪神・淡路大震災が起こったころで、耐震・免震の重要性が叫ばれており、これからは地震に強い日本家屋を造らなければならないとの考えに基づいたものです。そして地震に強いだけではなく、シックハウス症候群の恐れがある新建材は一切使用しない、人間にも自然環境にもとても優しい工法を採用することにしました。

石橋 日本家屋は長い歴史の中で培われてきた技術によるものですから、日本の風土にも合っているでしょうしね。

木下 ええ。そういった工法を軸に、設計士による現代風のデザインを採り入れた家造りをしているのです。さらにそれぞれの家に合った、家具やオリジナル木工品も手掛けているのですよ。

石橋 では家造りを行う上で、大切にしておられることとは?

木下 これまで通り一つひとつの住まいに対して全力を尽くすことはもちろん、その過程で自分自身が家造りを楽しむ気持ちを大切にしています。楽しんで建てた家というのは、その気持ちが施主様にも伝わり、喜びを共有することができるのですよ。そして家自体もその真心を感じとるのか、何年でも長く生き続けるのです。今でも10年以上前に建てた家の施主様とお付き合いがありますが、「まだまだしっかりしている」「だんだん良い色になってきた」と言って頂いています。そのような言葉を聞くと、職人冥利に尽きますね。

石橋 そういった施主様の一言が代表にとって次へと向かう原動力となっているのでしょうね。

木下 はい。施主様に喜んで頂きたいという気持ちによって、次から次へと新たなアイデアが湧いてくるのですよ。現在は2人の息子と共に現場に立っていますが、彼らにも楽しむ姿勢を大切にしなさいと言っています。幸い、自主的にお客様本位の仕事を行ってくれていますので、今後の成長に大きな期待を寄せているのですよ。

石橋 後継者不足に悩まされている建築業界において、頼もしい後継者がいらっしゃるのは嬉しいですね。最後になりましたが、今後に向けての展望を。

木下 伝統工法による日本家屋を、息子をはじめとした後進にしっかりと伝承していきたいと思います。そしてこれからも楽しさを味わいながら、生きてきた足跡をしっかりと残せるような家造りをしていきたいです。

地球に優しい家造り
【報道ニッポン】取材記事写真
▼「私たちが生まれる遙か昔から息づいている木々の命を戴くのだから、生半可な気持ちで家造りをすることはできない」──この一言に『木下建築』の木下代表の建築に対する心構えが表れている。そして実際の施工においても木への敬意の念を持ち、日本の風土と対峙しながら磨き上げられてきた伝統の職人技を駆使することで、木材の良さを最大限に引き出している。そして長い年月をかけて大切に住んでもらうために、施主が最も満足する建築スタイルを模索。さらに従来の手法だけに固執することなく、新たな要素も積極的に導入しているのだ。

▼そして代表はより良い家を実現するために、自分自身が「楽しむ」ことを大切にしている。「にこにこと楽しく建てていれば、木も喜んでくれて魅力的な家が生まれる」との思いからだ。そしてその気持ちが家全体にも染みわたり、いずれ住まうひとの心にも伝わっていく。そうして幸せな家庭が築かれることも願ってやまないのだ。

▼木々などの自然との共存を図りながら、家を造り上げている代表。地球環境が憂うべき状況に置かれている中で、代表の家造りに対する姿勢は、一つの指針となるだろう。自然にも優しく住まう人も幸せになれる──そんな家が求められる時代がきっと来る。ただそのためには代表のような自然を愛し建築と真摯に向き合う職人の存在が欠かせない。

対談を終えて
「自らが楽しみながら家造りに取り組むことを、モットーとされている木下代表。至ってシンプルな信念ですが、初志を貫徹することはどんな仕事においても容易なことではありません。そしてこの気持ちを持っているからこそ、素晴らしい家が生まれ、人々に感動を与えることができるのでしょう。その職人としての誇りを大切にされているのが代表のお話を伺っていてひしひしと伝わってきました。今後は後進の方々にも代表のそのプロとしての姿勢を伝承し、多くの方に安らぎを与える住まいを提供していって下さい。」(石橋 正次さん・談)
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− 会社概要 −
名 称
木下建築
住 所
三重県名張市長瀬546
代表者名
代表 木下 幹雄
電話番号
TEL/FAX 0595-69-1136
U R L
http://kinoshitakenchiku.com/
掲載誌
報道ニッポン 2008年3月号
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