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SPECIAL INTERVIEW(スペシャルインタビュー) − 地域を育む人と企業 −
 
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代表取締役 田村 稔「これからも将来の農業に貢献できればと考えています」 ゲスト あいはら 友子「田村社長の熱意が伝わってきました」
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環境を愛する心で新しい農法を開発研究 日本の農業を変える革命児!
マルチベンチシステム&施肥設計液肥混入機
有限会社 アグリシステム研究所
代表取締役 田村 稔
− 略歴 −

「“企業が手掛けても成り立つ農業” 安定した農法確立が目標です」

■優れた技術で本質野菜の供給を実証

独自に水に関する研究を開始し、還元水生成機を開発した田村社長。現在も、人と地球に優しい技術で農家と社会に貢献することをモットーに、農薬削減・肥料低減につながる研究開発に取り組んでいる。「安全性の高い農作物をつくり出すだけでなく、経費削減など、経営面からも農業の安定化に寄与したい」──。農業の未来を見据える姿勢が、農業の革命児といわれる所以だ。

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【足跡】 水に関連する装置の開発に独自に取り組む。そうして自ら創り出した電解還元水装置を、企業と連携して商品化。マルチベンチシステム&施肥設計液肥混入機の普及を通じて、誰もが「楽しく、陽気に、景気よく」なる農業生産システムの構築を目指している。

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「人と地球に優しい技術で農家と社会に貢献する」ことをテーマに活動を続けている『アグリシステム研究所』。発足のきっかけとなった電解水生成器をはじめ、多様な研究開発に取り組んでいる。現在は、マルチベンチシステム&施肥設計液肥混入機の普及に力を入れ、安全で機能性を持った本質野菜を大量に供給できる設備と技術を実証している。

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− 対談 −

あいはら まずは設立された経緯から。

田村 水に関連する装置を独自に開発しており、電解還元水を生成する装置を生み出したのです。それを企業に持ち込んで商品化を実現。それをきっかけに『アグリシステム研究所』を設立しました。

あいはら 電解還元水とは?

田村 人工的に水を電気分解し、陽極水(プラス)と陰極水(マイナス)に分けたものです。脱気水を電気分解すれば、より強力な還元水──強電解水が生まれることも発見し、脱気装置の開発にも取り組みました。

あいはら 強電解水はどのような分野で使用されているのですか。

【現代画報】取材記事写真

田村 強電解水には、優れた除菌効果・洗浄作用があると言われており、様々な分野での薬品代替えや低減が期待されています。農業においては、農薬の代わりとして注目されているんですよ。薬剤と異なり残留性がないので安心・安全な無農薬野菜をつくるのに有効なんです。私は農薬を使用しないのが理想的な農業だと考えていまして。環境に考慮した有機農法もありますが、環境負荷(LCA)の点から見ますと堆肥を作る工程、栽培での地下水汚染、二酸化炭素の排出(野積)などが考えられます。弊社の有機培土は、陽イオン交換容量が高く通常の1/4程度の肥料で済みます。また、独自の施肥設計灌水システムにより、廃液を出さない。また出たとしても原水(水道、井戸水)よりきれいな排水です。しかも収穫量も抜群です。

あいはら すばらしいシステムですね!

田村 弊社のテーマは、「人と地球に優しい技術で農家と社会に貢献する」こと。そのコンセプトのもと、電解水生成器の開発からスタートし、高濃度オゾン水の開発、強電解水生成器の開発、機械式脱気装置の開発、マルチベンチ栽培システムの開発を行ってきました。また、装置の開発だけでなく、設備の施工や管理も手掛けており、さらに農家にお伺いして栽培の指導も行っています。弊社でも実際にイチゴを栽培しておりまして。うわさを聞いて問い合わせをいただくことも多いです。

あいはら 評判は口コミで広がっているのですね。 

田村 弊社では消費者の満足はもちろん、生産者の満足も追求しており、システムによる作業の効率化にも取り組んでいます。農業は、「倍働いても収入が半分」と言われるほど厳しい世界。一般企業が運営しても成り立つような、合理的な農法を確立したいと考えているんです。

あいはら 具体的にはどのように?

田村 簡単に言うと機械化です。私は農家への指導のため、一年のほとんどは出張に出ていますが、それでも作物がきちんと育つようなシステムを目指しているんです。

あいはら しかし、農業は天気など予測できないことに影響されるため、機械化は難しいのでは?

田村 農業の難しさは、そうした経験や勘に頼らなければならないところにあります。弊社ではそうした「経験」を、温度や湿度、二酸化炭素濃度、肥料の配合など可能な限り数値化することで制御装置を開発したんです。その結果、高い品質管理のもとで農作物を生産できるようになりました。

あいはら 機械化できれば人件費の削減につながりますし、経営面からみても農家にとって大きなプラスとなりますね。

田村 もちろん、農作物は生き物ですからすべて計算どおりにいくわけではありませんが、常に最高の状態にしていきたいという気持ちが何よりも大切なんです。弊社のシステムを最初に採用した大久保さんをはじめ、滝口さん、江川さん、松田さんという優秀なスタッフと共に、これからも将来の農業に貢献できればと考えています。

【現代画報】取材記事写真
▲左から順に滝口さん、大久保さん、そして右端が奥様の江美さん
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▲キャリア4年目で地域NO.1になった菅野さん(左端)
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▲小針さんのご子息 ▲マルチベンチシステムで農業賞を受賞した
トマト生産者の小針さんご夫婦
総合環境コントロールによる施設園芸
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▲「施肥設計灌水装置」
6種類の液肥、バイオ液、
各種酵素を適時に供給
▼施設内環境項目は、水、土、空気、光、肥料、微生物、音、振動、温度、湿度などがある。植物は、光が当たり温度が上昇すると気孔が開き、水を蒸発させる。そして風が吹き、大気中の二酸化炭素を取り入れてはじめて効率よく光合成ができるのだ。また、転流(できた糖を根や果実に移動させること)は根、果実、葉の温度差によって起こっており、水は、電気伝導度の高い方に移動する。例えば、葉の温度が低く根(実)の温度が高いと、糖は根(実)に供給されるのだ。

▼『アグリシステム研究所』は、これらの条件を考慮して、植物にとって最高の環境をできるだけ安く、簡単に与えるための研究を重ねている。同社が開発した総合環境コントロールによる施設園芸では、肥料効率の高い有機培地を断熱材の中に入れ、さらに根の温度や必要最小限の水などの光と温度を考慮したバランス肥料に、酵素と微生物活性剤を用いることで、酸化電位+200以上、pH5〜6.5、EC0.4以下、16〜20℃の培地内環境を整えている。また、マイクロスプリンクラーで自動的に加湿や葉面散布をし、スクリューファンによる光合成促進や、夜間送風で霧の発生(灰色カビ対策)を防止。また、廃棄物は出ず培土の交換も不要なため経済的に栽培することが可能。さらに強電解水や物理的害虫駆除機、光量子線などで農薬の削減に貢献している。

【現代画報】取材記事写真

▼同社のシステムを採用する動きは広まっており、農業賞を受賞したり、地域で収穫量ナンバーワンを達成するなど、多くの企業や農家が実績を上げている。全国の農家と連携し、新しい農法を確立することが、同社の目標だ。

対談を終えて
「強電解水のこと、イチゴ栽培のこと等をお話される時の活き活きとした様子から、電解水農法にかける田村社長の熱意が伝わってきました。薬剤を用いた農薬を使わずに農作物の病気が治せることや、肥料を効率的に使って糖度の高いイチゴができることなど興味深く聞かせていただきました。未来の農業のためには不可欠なことばかりだと思います。これからのご活躍を心からお祈りしています」(あいはら 友子さん・談)
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− 会社概要 −
名 称
有限会社 アグリシステム研究所
住 所
徳島県阿南市宝田町日ノ本175番地
【栃木営業所】
栃木県芳賀郡芳賀町祖母井996番地101
【栃木倉庫】
栃木県塩谷郡高根沢町桑窪1635番地
代表者名
代表取締役 田村 稔
E-mail
deeck7@yahoo.co.jp
掲載誌
現代画報 2008年3月号
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