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SPECIAL INTERVIEW(スペシャルインタビュー) − 地域を育む人と企業 −
 
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代表取締役社長 河村 謙吾「古き伝統の良さを伝えるべく、全国各地に出店し、最終的には世界にも進出していきたいですね」 ゲスト 布川 敏和「老舗ならではの『発想の柔軟さ』に感銘を受けました」
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老舗の味が発展への鍵!伝統文化を守りながら伊勢の味を世界へ……
株式会社 糀屋/有限会社 創食舎
代表取締役社長 河村 謙吾
− 略歴 −

【足跡】 大学を卒業後は名古屋にあるソフトウエア会社に就職する。その後、後継者として父の経営する『糀屋』に入社。32歳で8代目社長に就任した。『糀屋』オリジナル店舗『くらでパスタ』を立ち上げるなど、飲食事業にも積極的。

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江戸末期創業の、醤油・味噌の醸造元『糀屋』。培ってきた歴史をベースに現在は業務用食材を扱うほか、『創食舎』として飲食店経営にも進出している。フランチャイズ店舗『炭火焼肉 牛角』の経営に加え、近年ではオリジナル店舗『くらでパスタ』をスタート。「蔵」を利用した店舗の評判は高く、独創性あふれるメニューでファンを獲得している。

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− 対談 −

布川 『糀屋』さんは、随分長い歴史をお持ちの企業だと伺いました。

河村 当社の歴史は文化年間─江戸時代からと、約200年に及びます。もともと醤油・味噌の醸造元として創業した当社は、「本醸造 濃口醤油」「うすくち醤油 淡雪」をはじめ、各種「たまり醤油」、「伊勢味噌」など、調味料醸造に懸けてきました。私自身は企業に勤めた後に当社に入社。「200年の暖簾を引き継ぐのだ」という気概を胸に歩み、8代目に就任した次第です。

布川 「老舗」として長きにわたり歩んでこられたのですね。このあたりのお醤油というと、どのような特徴があるのでしょう?

河村 関東などと比べると「濃い」ですね。東海三県の食文化の発展には、「たまり文化」の存在があります。トロっとした濃厚な旨味と独特な香りが特徴で、主に中部地方で製造されていたたまり醤油は、今でこそ普通の醤油と区別されていますが、ここ三重では区別がなされていませんでした。それ故に深い味わいが、この地方の醤油として馴染みを深めていったのです。

布川 地域で生まれ育った調味料なのですね。

河村 ええ。たまり醤油は「味噌づくり」から生まれたものでして。味噌製造の際に桶の底にたまった汁が「たまり」。だから、大豆の旨味がぎゅっと凝縮された味になる─。郷土料理である「伊勢うどん」やうなぎ料理のタレのベースになっており、見た目ほど辛くなく、やさしい味が特徴です。

布川 伝統の味を長年守ってこられたと。では、企業成長の秘訣は何だとお考えですか。

【現代画報】取材記事写真

河村 試行錯誤を繰り返してようやく完成した「独自の製法」を守ってきたことはもちろん、時代を見据えた展開も成長の理由だと考えます。まず、父の代からは業務用食品の卸業務を手掛けるようになりました。新たな道を開拓することで、当時先細りにあった「醸造」をも牽引してきたのです。父の、先を見据える「目」に感化され、私自身も「時代」を意識するようになりました。

布川 8代目に就任されて、新たな取り組みを?

河村 ええ。時代のニーズを感じ、「飲食店経営」に乗り出すことを決意したのです。飲食店経営のノウハウを持ち合わせていなかったため、まずはフランチャイジーとして焼肉フランチャイズ大手『炭火焼肉 牛角』に加盟しました。経営は軌道に乗り、伊勢楠部店、鈴鹿サーキット通り店と現在では2店舗を構えるに至っています。飲食事業のさらなる活性化を視野に、次に目標に据えたのが「オリジナル店舗」のオープンでした。

布川 時流に乗った勢いある展開が目を引きますね。それで、どのような店舗を?

河村 まず、当社が昔から構えていた「蔵」に注目。古民家再生など“伝統を現代に活かす”動きが数年前からクローズアップされていたので「蔵で食すパスタ店を」と、伊勢市駅近くに『くらでパスタ』をオープンしました。パスタのソースには、当社自慢の醤油や味噌をとり入れ、「ツナ醤油パスタ」や「肉味噌パスタ」などの和風パスタをお出ししています。

布川 『糀屋』さんこだわりの味がパスタで堪能できるとなると、普通のイタリアンとはひと味もふた味も違います。また、「蔵」というのが斬新ですよね。

河村 お陰様でオープン以来、たくさんのお客様に来ていただいていましてね。路地にありながら、口コミを中心に人気が高まっています。

布川 伝統を引き継いできた社長の「目」に狂いはなかったのですね。

河村 私自身、「会社を、暖簾を守らなければ」という使命感だけだった時期を経て、現在では「伝統をより良い形で残す」ポジティブな経営スタイルを確立しました。『くらでパスタ』の店舗展開により、味噌や醤油の良さをより多くの人に知ってもらい、『糀屋』の文化と歴史を伝えることができる……。長く培ってきたもの─古き伝統の良さを伝えるべく、伊勢だけでなく全国各地に出店し、最終的には世界にも進出していきたいですね。

布川 これからが楽しみですね!

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人を育て、店を育てる

▼「事業コンセプトより、人に恵まれたことの方が大きかった」と語るのは、醤油・味噌醸造元として歴史を紡いできた『糀屋』の河村謙吾社長。社長は、時代に合わせた事業展開を実現させるべく、近年飲食事業に進出した。現在はオリジナル店舗『くらでパスタ』のほか、フランチャイジーとして『炭火焼肉 牛角』を2店舗経営。確固たる経営スタイルを作り上げた社長は、「人」の存在が大きな武器となったと語る。

▼その信念を確信に変えたのが、1店舗目を任せた店長の存在だ。「飲食の経験こそなかったが、物事の吸収力が良く、感受性にも優れていて、飲食店に求められるものをすばやく察知してくれた」と。彼の存在は、「この出会いがなかったら当社の今の流れはなかったかもしれない」と社長に言わしめる。よい人材は、次に続く良い人材を育て、彼に育てられた人間がまた次を育てる……店づくりに欠かせない人材育成の流れを作った。「人を伸ばしていくこと」に主眼を置き、レベルの高い店づくりを目指す社長。「人の魅力が店を広げる」と、社長は夢を語る。

対談を終えて
「時代に合わせた展開を行うことで、結果的にその伝統と文化を絶やさず守り続けることができる……老舗ならではの『発想の柔軟さ』に感銘を受けた対談でした。『伝統を守りつつ、スタッフに支えられながら、価値あるものを世界に広げていきたいのです』と語る8代目の眼差しが、強く心に残っています。これからも、歴史を活かす取り組みに期待が膨らみますね。私も応援しています」(布川 敏和さん・談)
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− 会社概要 −
名 称
外宮前創業文化年間 味噌・醤油・専門食材
株式会社 糀屋
飲食店業
有限会社 創食舎
住 所 三重県伊勢市宮後1丁目10-39
代表者名 代表取締役社長 河村 謙吾
電話番号 TEL 0596-23-6311 FAX 0596-27-2255
U R L http://www.koujiya-ise.com/
店 舗
■くらでパスタ 本店
■炭火焼肉 牛角(フランチャイズ店舗)
  伊勢楠部店・鈴鹿サーキット通り店
掲載誌 現代画報 2008年1月号
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本記事の内容は、月刊経営情報誌『現代画報』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。

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