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異業種ネット - e-gyousyu.net -   SPECIAL INTERVIEW(スペシャルインタビュー) − 地域に生きる −
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  代表取締役 鍔本 雅巳 奥様 鍔本 誉利子 local community & human company
夫婦円満=商売繁盛 共に苦労し、共に悩む その先には二倍の喜び

新品・中古タイヤ、アルミの販売、買取店
株式会社 タイヤショップ早野

代表取締役 鍔本 雅巳

− 略歴 −

【代表取締役 鍔本 雅巳氏の足跡】
愛知県碧南市出身。廃タイヤの回収業を手掛ける父のもとで、17歳の時から働き始める。経験を積んだ後、25歳で父より「タイヤショップ早野」の経営を引き継ぎ、現在28歳。趣味は、ゴルフ、書道、サッカー。

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【奥様 鍔本 誉利子氏の足跡】
兵庫県出身。仕事で岐阜県大垣市へ移住し、客として「タイヤショップ早野」に通い、縁あって約3年前に鍔本社長と結婚。社長と共に仕事に当たる日々。会長夫妻同様、“姉さん女房”として公私にわたって社長をサポートする。趣味は、書道、フラダンス、ゴルフ(練習中)。

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新品・中古問わず、多種多様なタイヤやホイールを販売、はめかえ作業も手掛ける「タイヤショップ早野」。現在は岐阜県本巣市と美濃加茂市にて2店舗を運営し、どちらも大勢の顧客に愛されている。「まずはお客様の声に応え、サービスに満足して帰っていただくこと」─そう語る鍔本社長と奥様の誉利子さんに、本日は俳優の三ツ木清隆氏がお話を伺った。

− 対談 −

三ツ木 「タイヤショップ早野」さんでは新品・中古のタイヤを豊富に取り揃えていらっしゃるとか。創業されたのは鍔本社長のお父様だそうですね。

鍔本 はい。現会長である父が立ち上げました。父は魚屋や八百屋など様々な商売を経て、廃タイヤを回収する愛知の会社で働いたんです。その後、独立を決意し、ここ本巣で廃タイヤの回収業をスタート。それが当店の始まりです。

三ツ木 会長はどのような方ですか。

鍔本(誉) とにかく真っ直ぐな人。周囲からどう見られようとも、自分が信じた道を一直線に突き進むタイプですね。また、困っている人がいると放っておけない人で、“寅さん”のような人なんですよ(笑)。

三ツ木 人柄の良さが窺えますね。社長はいつ頃からこちらで?

鍔本 17歳からです。当初はトラックの助手席に乗り、父についてタイヤの回収をしていました。親子での仕事を通じて商売のノウハウを学べ、そのすべてが現在の糧になっています。父と共に働いた時間は、有意義なものでした。

三ツ木 現在は社長の奥様もご一緒に働いておられるそうですね。

鍔本(誉) ええ。約3年前に主人と結婚し、以来、一緒にお店に出ています。もちろん、タイヤなんて触るのも初めてです(笑)。同居している会長夫妻も結婚されてから、ずっと一緒に働いていると聞き、「商売は夫婦で力を合わせてやっていく」という考えに共感しました。

三ツ木 二代目としてのプレッシャーは感じていらっしゃいますか?

鍔本 もちろんです。でも父と比較されることについて、嫌だとかやりにくいと感じることはありませんね。私と父は全く違うタイプで……従業員の育て方や店の雰囲気づくりは父と全く同じようにとはいかず、できるとも思いません。ただ、商売をしていく中での信念は父から譲り受けたものを守りたいと思っています。父と比較していただけることは、息子として嬉しいですし、改めて父を誇りに思う瞬間でもありますね。

三ツ木 では、「タイヤショップ早野」さんはお客様に恵まれていらっしゃるとのことですが、その要因とは何だと思われますか。

鍔本 当店の創業以前、岐阜に中古タイヤの販売を行っている業者はなく、岐阜で初めての中古タイヤショップなので、皆さんに注目していただけたのではないでしょうか。当店は岐阜の南部にあたる美濃地方に位置します。毎年雪は降りますが、常に積もるわけではないので、「新品の雪用タイヤは価格が高いしもったいない……」とおっしゃるお客様が多く、そこで、中古の雪用タイヤを提案できる当店は経済的にも喜んでもらえたのではないでしょうか。

鍔本(誉) 当店が目指すのは、地元密着型。利益云々よりもお客様のお役に立つことを第一に商売をしていることも、お客様に懇意にしていただける理由だと思います。利益は二の次、まずはお客様に喜んでいただけるサービスを提供すること─それが「タイヤショップ早野」。「金は天下の回りもの」というのが当店の考えなんですよ(笑)。

三ツ木 御社独自のサービスなど、何かありますか。

鍔本 当店では、タイヤ専門店として、迅速な作業を心がけ、1台あたり4分〜15分で作業します。でも、早ければ良いというものではありません。もちろん真心をこめ、丁寧で確実な仕事を提供するよう心がけています。
 また、本巣本店は柿畑のど真ん中に位置しており、その立地条件を活かして、地元の方から柿を譲っていただいているんです。待ち時間を使ってお客様に柿を楽しんでもらったり、お土産としてプレゼントしたりと、家族連れのお客様には特に喜んでいただいています。私はまだ若いですし、上手い商売の仕方は分かりません。とにかくお客様の声に、素直に耳を傾け、積極的に取り入れながら店づくりをしているんです。

三ツ木 スタッフの方々の年齢層は?

鍔本 17〜65歳までと、年齢層は幅広いのですが、中心となるのは20代。世代を超えた絆があり、みんな一つの家族のようなんですよ。

三ツ木 この仕事を始められてから今日までを振り返ってみていかがですか。

鍔本 周囲から見ると順風満帆のように見られがちですが、冷静に振り返るとなかなか波瀾万丈な人生だと思います。ただし、それを“苦労の人生”と考えたことはありませんね。それはきっと父の影響でしょうね。父は状況が困難であればあるほど、前向きになり、困難な状況を楽しむ人なんです。

鍔本(誉) 私は女性としてお義母さんの影響を少なからず受けています。義母は陰からしっかり主人を支え、決して、出すぎず、常に“理解すること”を心がける人です。私はまだまだ商売人の妻としては修業が足りないので、義母には教わることが多いですね。

三ツ木 最後に、今後の展望を。

鍔本 もちろん商売をしている以上、店舗展開は一つの目標ですが、何より人とのつながりを大切にし、自分たちにしかできないことを探していきたいと思います。人に喜んでもらえることは嬉しいし、“ありがとう”という言葉ほど人を幸せにしてくれる言葉はないですから……。

【国際ジャーナル】取材記事写真
感謝の想いを携えて─
株式会社 タイヤショップ早野会長 鍔本 規之氏
【会長 鍔本 規之】
■「タイヤショップ早野」の創業者・鍔本規之会長は、現在市会議員として活躍。創業当初はその日の食事にも困ったほどの苦労の連続だったが、曲がったことが嫌いな会長は正直な商売を地道に続け、自分が信じた道を一直線に突き進む人柄が信頼を得た。同社の今があるのは地域の人たちのお陰と考える会長は、そんな地域へ恩返しをと市会議員としての道を歩む。そんな会長の趣味は錦鯉鑑賞で、2006年には国魚賞を受賞したという。
「また来たい」─ そう思える店にしたい

▼「タイヤショップ早野」の創業者である鍔本会長は同社を創業以来、地元とのつながりを何よりも重んじ、地元と共に歩みながら同社の基盤を築いた。そんな会長について、鍔本社長の奥様・誉利子さんはこう語る─「義父はとにかくパワーがあって魅力的な人。地元の人からも慕われています」。

▼社長は同社に入社後、会長から厳しい指導を受けたという。親子だからという甘えは一切許されない。「厳しく育ててもらったからこそ、今の自分はある」─会長の教えが糧となり、現在の社長を支えている。

▼現在「タイヤショップ早野」の先頭に立ち、同社を力強く牽引している社長。社長は「店の雰囲気は常に楽しくあってほしい」と語る。「こちらの雰囲気はお客様に伝わるものです。楽しいと感じた店にはまた来たいと思うでしょう。逆に楽しくない店に、もう一度足を運ぶ気はしないと思います。気軽に何度も来ていただきたいという思いから、いつの間にか当店ではお客様がみえると『いらっしゃいませ』ではなく、『まいど!』という挨拶になりました」。お客様に「また来たい」と思ってもらえる店にしたい─。社長の想いはスタッフにもしっかり浸透し、「良いスタッフに恵まれています」と社長。どんな時も笑顔でお客様を迎える社長をはじめ同社スタッフの、その笑顔に引き寄せられるようにして、今日も多くの人が「タイヤショップ早野」に足を運ぶ。店内には、今日も「まいど!」という元気な声が溢れている─。

対談を終えて
「代替わり後、創業者である鍔本会長は、鍔本社長と奥様に、『いっぱい失敗しろ』とおっしゃったそう。その言葉を聞き、お二人は気持ちが軽くなると同時に大きな勇気を得たと、社長は振り返られました。『仕事は楽しい』─そうおっしゃる生き生きとした表情が印象的なお二人でした。これからも頑張ってください」(三ツ木 清隆さん・談)
− 会社概要 −
名 称 株式会社 タイヤショップ早野
住 所 【本店】 岐阜県本巣市三橋3丁目111
【美濃加茂店】岐阜県美濃加茂市森山町4丁目272-8
代表者名 代表取締役 鍔本 雅巳
電話番号 【本店】 TEL 058-324-9678
【美濃加茂店】 TEL 0574-24-7397
U R L http://www.t-hayano.com
掲載誌 国際ジャーナル 2007年12月号

本記事の内容は、月刊経営情報誌『国際ジャーナル』の取材に基づいています。本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。

local community & human company ゲスト 三ツ木 清隆「生き生きとした表情が印象的なお二人でした」  
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