株式会社 九検
代表取締役 古賀 美智恵

遊具での痛ましい事故や耐震強度偽装などが起こる中、物を壊さずに検査が可能な非破壊検査は取り返しのつかない事故を未然に防ぐ技術として評価を高めている。そんな大切な役目を担っているのが佐賀県に本拠を構える『九検』で、フットワークの軽さを活かしながら着実に業績を伸ばしている。本日はそんな同社を羽田惠理香さんが訪問した。

羽田 まずは社長の歩みから。

古賀 私は広島県出身で、父の仕事の関係で九州へと移ってきました。学業修了後は医療事務の仕事に就いていましたが、父の要望から家業であった当社に入社し、共に仕事をすることになったのです。その後、父の他界に伴って現職に就任したのです。

羽田 では、お仕事内容を伺います。

古賀 各種構造物の非破壊検査を手掛けています。特殊な機材によって建物などを壊すことなく、金属疲労や傷を見付けたりするのが主な仕事になりますね。

羽田 御社はどのようなものを検査しておられるのですか?

古賀 工場のタンクや配管、ボイラー関係の検査をメインにしています。普段使っているところを止めてもらって一斉に検査をするんです。

羽田 定期的な検査をしないと大事故につながるかもしれませんものね。

古賀 その通りですね。機械は具合が悪いなどと言ってくれませんから、壊れてしまえばそれで終わりです。企業としてもマイナスですし、特に人命にまでかかわるような事故になれば取り返しがつかなくなることもあります。それを未然に防ぐ重要な仕事だと言えるでしょう。

羽田 この業界で女性は珍しいのではありませんか?

古賀 工事現場に行ったり、使用する機材が重かったりしますので、女性の数はとても少ないですね。しかし私は人と違うことをするのが好きですし、性格も男性っぽいところがありますので、この仕事が嫌だと思ったことはありません。

羽田 お父様の時代から変えてこられたことは何でしょう。

古賀 データをしっかりと考察して、計画を立てるところなどは父の時代よりもきっちりとしていると思います。培った感覚というのは欠かせませんが、裏付けにはデータは必要ですからね。しかし、良いところは受け継ぎ、バランス良く経営を行っていければと考えています。

羽田 女性ならではの細やかさを活かしておられるのですね。では、お仕事上で大切にされていることと言いますと?

古賀 いくら技術力が高くてもいい加減な対応をしていれば信頼を失ってしまいますから、挨拶などはきちんと欠かさないように徹底しています。また仕事面では小回りを利かせてフットワークを軽くすることを大切にしていますね。

羽田 それでは最後に今後の青写真を。

古賀 今後は構造物のエキスパート集団としてさらに技術力を高めていきたいですね。非破壊検査の技術はまだまだ発展途上にありますので、より完成度の高いものを目指したいと思います。他にも構想は色々ありますし、これからもチャレンジ精神を持って頑張っていきます。

対談を終えて

「女性ならではの視点を活かしながら、企業の運営のサポート役として頑張って下さい。同じ女性として応援しています(羽田 惠理香さん・談)」


本記事の内容は、月刊経営情報誌『報道ニッポン』の取材に基づいています。
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