明和工業 株式会社
専務取締役 高木 信人

『明和工業』創業者である父の背中を見て育ち、幼いころに「父と一緒に、日本一の会社に育てる」と誓う。目標を実現するため、学業修了後はアメリカへ留学。別会社に就職し知識を深め、現在は専務取締役として『明和工業』を牽引する。

「社員が誇りを持って業務に励む──
そんな会社を作り上げたいのです」

■“夢”を追いかける

半導体・液晶・医薬品・電子・食品の塔槽類などの製造を手掛ける『明和工業』。高木信人専務は、父である社長と共に“社員がやり甲斐を持てる会社”を目指し、社内基盤を整えるための様々な取り組みを行ってきた。
「父と一緒に、この会社を日本一にしたい──」。
幼いころに父の背中を見て誓った夢を追いかけ、“夢”を“現実”にすべく、社員と共に、常に努力を続けている。

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化学一般諸機械及び部品製造、半導体・液晶・医薬品・電子・食品の塔槽類・配管工事設計製作などを手掛ける『明和工業』。常に顧客のニーズに対応した、高品質な製品を作り上げている。女優の三原じゅん子さんが同社を訪れ、高木信人専務に様々な“夢”を語ってもらった。

三原 高木専務のこれまでの歩みから。

高木 私は当社を創業した父の背中を見て育ちました。作業に打ち込む父の後ろ姿が、子ども心に「格好いいな」と感じたことを今でも覚えています。その時に「父と一緒に日本一の会社にする」と誓ったのです。学業修了後は会社の力になるよう、アメリカへ留学し語学を身につけました。帰国後は半導体及び液晶業界に関連する、東京の会社に勤務し、業界について勉強を重ねたのです。全ては、幼いころに誓った目標のため──今もその気持ちに変わりはありません。

三原 お父様のことを尊敬していらっしゃるのですね。では、業務内容を。

高木 ステンレスタンクの製造、配管工事設計製作などを手掛けています。半導体・液晶関連製品用のタンクが中心ですが、薬品や食品貯蔵用タンクなども多数製造しているのですよ。タンクと言っても、様々な仕様がありますから。

三原 タンク製造に関する高い技術をお持ちなのですね。業務上、どのような点に気をつけておられますか。

高木 薬や食品のタンクは、人の口に入るものを貯蔵するので気を遣いますね。また、半導体の製造工場は非常にクリーンでなくてはならないので、タンクにも同じレベルが求められます。電解研磨という特殊な加工を施し、“超純水”と呼ばれる水で洗浄することで不純物を取り除いているのです。

三原 “超純水”とは?

高木 通常の水ですと、ミネラルが豊富に含まれているため味があります。“超純水”は、ミネラルや細菌が全くない状態の水。体内の菌も洗い流してしまうので、人間が飲むと下痢を引き起こすんですよ。弊社独特の電解研磨技術と、この不純物のない水で洗浄することで、クリーンな製品づくりが実現できるのです。当社の製品ならば現場での洗浄が不要になり、設備立ち上げの効率化やコストダウンも可能。容量なども、出来る限りお客様の要望に応えるよう努力しています。

三原 お客様にとっては有り難いでしょうね。では、主な活動範囲は?

高木 国内及び中国、韓国、台湾、シンガポール、マレーシアと取引しています。

三原 グローバルに活躍されているのですね! どのようにして経営展開を行ってこられたのでしょうか。

高木 以前勤めていた会社で気付いた様々なことを徹底的にメモし、資料作りを行いました。そして当社へ入社し、設備、人材、社員教育、社風、お客様のニーズ……1ヶ月間じっくりと観察し、経営計画を立てたのです。基盤を整えることで社員は従来の取引関係をより充実させることができ、私自身は新規開拓の営業で国内外に足を運ぶようになりました。

三原 会社の体質改善を積極的に行われたのですね。

高木 私には、社員が働いていて面白いと感じる会社作りを行っていくという目標があります。仕事が面白ければ、社員のモチベーションが上がり、業績も伸びていく。そうなれば、社員に還元することができますからね。一人ひとりがプライドを持って業務に取り組み、常にスキルアップを考えていけば、実現可能だと考えています。

三原 自ら考え、行動する力が大切なのですね。

高木 当社の社員は優秀ですので、より高い目標をもって頑張ってくれています。将来的には売り上げを20億、30億と伸ばしていきたいですね。

三原 今後の展望について具体的なビジョンを持っておられるのですね。

高木 根底にあるのは「社員がやり甲斐を感じる会社」。その基盤を大切に、どんな状況でも対応できる強みを持った会社であり続けたいですね。具体的な取り組みとしては、現在受注数も増加傾向にあるので、工場の拡大を計画しています。そのためには会社の安定を図らなければ。また、半導体・液晶関連商品ばかりでなく、薬品、食品関係の取引先との交流を深めていきたいですね。また、これまで私が行ってきた業務を徐々に部下に任せ、人材を育成し、企業としてさらなる発展を目指していきます。

社員の“考える力”を育てる

▼『明和工業』では、常に顧客のニーズに的確に応え、付加価値の高い製品を作り出している。同時に、人材育成はもとより、社内体制の整備にも注力。木専務は「会社を面白いと感じる職場環境を整えることが重要」と語る。目標に向かって努力を重ね、スキルを磨き課題をクリアしていくことの達成感、満足感……。それが業務へのモチベーションにつながるという。

▼「同じミスでも、3回目までは許容します。3回目のミスまでに『なぜミスを犯したのか』を学び、自ら工夫をしてほしいのです」と語る専務。ミスを叱ることだけが人材育成ではないと、社員の“モチベーション”と“考える力”を育てているのだ。その成果は着実に実を結びつつあり、業績の上昇につながっているという。今後さらなる躍進が期待される。

対談を終えて

「これまでお父様の背中を見て『明和工業』の発展のため、懸命に業務に励んでこられた高木専務。社員のやる気と努力をとても大切にしておられました。社員が“仕事を面白いと感じる会社を作る”という目標も、会社と社員の皆さんを愛していらっしゃるからなのでしょうね。今後も異業種との積極的な交流で、新たな業務へのきっかけをつかんでいかれることでしょう。本日は貴重なお話をありがとうございました。私も応援しております!(三原 じゅん子さん・談)」


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