有限会社 リッセイ木型
代表取締役 中根 正幸

鋳造用木型に加え、モデル型・プレス型・アルミ型を手がける「リッセイ木型」。木型を作り続けて38年、この道一筋に生きてきた中根社長は、その確かな技術力を活かして信頼を築いてきた。現在は、2人の息子も業務に従事。互いの得意分野を活かし、質の高い仕事を実現している。

岡本 まず、社長ご自身の歩みから簡単に伺っていきたいのですが、ご出身は地元ですか。

中根 はい。幼少の頃から絵を描いたり、物を作ったりすることが好きで、その影響で職人という道を選んだのだと思います。学業修了後、職業訓練所に通って、鋳造に使用する木型を作る修業を始めました。以来、この道一筋に歩んで38年。現在当社では鋳造用木型の他に、モデル型、プレス型、それにアルミ型を手がけています。今でこそ樹脂や発泡スチロールで作られたものも多いですが、私が修業を始めた頃は、全てが木で作られていたんですよ。

岡本 修業も厳しかったことでしょう。

中根 はい。最初は、こんなにも難しいものかと驚きました。まずは設計図を立体化させていくわけですが、頭の中で平面を立体にするのが、なかなかできない。かといって、図面を見てもさっぱり分からない(笑)。手作りとはいえ、寸法も精度も非常に細かくて、技を覚えていくのには長い年月がかかりました。

岡本 これまでの38年間で、業界の在り方や仕事の方法は、随分変わったのではありませんか。

中根 はい。先ほど申し上げたように、材料は随分幅広くなり、また機械化も進みました。今は手作りが少なくなって、細かなところまで機械ででき、作業は楽になっていますね。ただ、精度にこだわり、きちんとしたものを仕上げるという根本的な部分は昔も今も同じです。

岡本 なるほど。現在は何名で動いていらっしゃるのですか。

中根 息子が2人、一緒に頑張ってくれています。その頑張っている姿を見ていると、本当に嬉しいですね。2人の存在に勇気づけられ、設備も充実させてきたんですよ。

岡本 ご子息たちの育成にはどういった点を大切にしておられるのですか?

中根 任せることですね。細かく口を出すよりも、信頼して任せれば、人は自主的に動いてくれるものです。また、私は機械が苦手ですから、そちらの方は彼らに預け、手作業が必要な細かな部分は私が担当するようにしています。私にしかできない手作業を伝えることを大切に、今後は息子たちには、機械による技術をもっと高めていってほしいですね。そして会社としての新しい未来を拓いてくれればと願っています。

岡本 私も応援しています!



対談を終えて

「たたき上げで技術を身につけてこられた社長と、現代の最先端機器を使いこなすご子息たち。その両者の力が合わさって、『リッセイ木型』さんの仕事を生み出しているのですね。これからも、力を合わせて信頼ある仕事を重ねてください」(岡本富士太氏・談)


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