有限会社 中央ダイス
代表取締役 岩瀬 宏孝

『中央ダイス』を創業した父親の背中を見て育ち、次第に後継を意識するように。学業修了後は取引会社に就職し、経験を重ねる。その後『中央ダイス』に入社。現在は、社長職を引き継ぎ、さらなる発展を目指し尽力している。

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塑性加工用金型や冷間鍛造用金型の設計・製作・販売を手掛ける『中央ダイス』。各種NC加工機械を導入すると共に、長年培ってきた技術とノウハウを活かして、顧客のニーズに応えている。「積極的に設備を充実させ、少数精鋭の技術集団を目指しています」と語る岩瀬社長に渡嘉敷勝男さんがお話を伺った。

渡嘉敷 これまでの歩みからお聞かせください。

岩瀬 『中央ダイス』は父が1983年に創業しました。父はもともと大手自動車メーカーのエンジニアでしてね。会社に勤めていたころに、現在当社が手掛ける「冷間鍛造」をはじめたそうです。その後、独立して『中央ダイス』を設立。私は学業修了後、当社の取引会社に就職しました。そちらで4年半ほど修業させていただき、当社に入社したのです。そして5年ほど前に社長職を引き継ぎました。

渡嘉敷 それでは御社の事業内容をお教えください。 

岩瀬 塑性加工用金型や冷間鍛造用金型の設計・製作・販売を手掛けています。特に自動車や家電に使われている歯形部品の金型の設計・製作には高い評価をいただいているんです。当社が扱っているのは、一つ壊れると機械全体が動かなくなってしまう重要なものばかり。常に高い意識を持ち、責任のある仕事を心掛けています。

渡嘉敷 どういったところにお仕事の醍醐味を感じられますか。

岩瀬 自分でひいた図面が実際に製品になること。初めてひいた図面が使われた時はとても嬉しかったですね。それは今でも使うことがあるんですよ。それに同じ材料と金型を使ったとしても、いつでも同じものができるとは限りません。難しいのですが、だからこそ大きなやり甲斐があります。スタッフと共に知恵を絞り、製品を作り上げられた時の喜びは、例えようがないほど。また製品ができ上がり、お客様から「ありがとう」と言っていただけた時は本当に嬉しいですね。

渡嘉敷 困難があるからこそ、乗り越えた時に“仕事の面白み”を実感できるのでしょうね。それではお仕事をされる上で大切にされていることは?

岩瀬 人の「和」──人とのつながりです。当社はお客様や商社からの口コミで、お仕事の依頼をいただいてきました。お世話になったお客様をずっと大事にしてきたからこそ、今があるのだと感じています。また現在でも父が以前勤めていたころのお客様と取引がありますし、兵庫県や秋田県など幅広い地域の方からお仕事をいただいているんです。

渡嘉敷 多くの方と信頼関係を築いてこられたのですね。

岩瀬 またお客様はもちろんのこと、会社を支えるスタッフたちとも良い関係を築くようにしています。さらにスタッフのご家族とのつながりも大切にしたいと思っているんです。

渡嘉敷 職場環境が良いことが伝わってきますよ。スタッフの方におっしゃっていることはありますか。

岩瀬 「自分の居場所は自分で見つけるように。技術を身に付け、自分自身をアピールしてください」と言っています。当社の仕事は自分たちの技術を買っていただくわけですから、常に技術の研鑽に努めていかねばなりません。そうすることで自信を持って、お客様に製品をお渡しすることができます。また技術だけでなく、心を込めて製品を作ることも大事。製品に対して愛着を持つことにより、丁寧な仕事につながります。技術を活かし、心を込めることで、お客様に満足していただける製品を作れるのです。

渡嘉敷 なるほど。作り手の気持ちは、お客様にも伝わるものなんですね。技術の進歩と共に、設備に関しても日々新しい機械がでてくるのでは?

岩瀬 そうですね。特にコンピュータなどの機械は短い期間でどんどん発展していきます。時代の流れに対応するために、当社では毎年1台は機械を更新させ、必要であれば最新設備も積極的に取り入れているんです。さらに同業者との意見や情報の交換も積極的に行っています。

渡嘉敷 横のつながりも大切なんですね。それでは最後に、今後の展望をお聞かせください。

岩瀬 「継続は力なり」というように、今の状態を維持していき、会社としての力を蓄えていきたいです。今後も長年培ってきた技術でお客様の要望に応えていきたい──。そして、スタッフと一丸となって会社の拡充を図っていきます。

渡嘉敷 これからも頑張ってください。

人の『和』が会社を作る

▼「人の『和』を大切にしています」と語る『中央ダイス』の岩瀬社長。人のつながりが会社にとって特に重要なのだという。常に顧客満足を追求し、顧客との信頼関係を築いてきた同社には、長年にわたって取引のある企業も多い。
▼さらに岩瀬社長は「お客様と共に、スタッフも大事にしなければならない」と語る。クリスマスには日ごろの感謝の気持ちを込めて社長からケーキが配られる。またスタッフの家族とのつながりも大切にしたいと考えており、キャンプなど家族も参加できるイベントを企画。仕事には家族の理解が必要であり、家族の支えがあってこそ効率よく仕事ができると考えているからだ。「この季節になると『今年はどこへ行くのか』という声が聞こえてきましてね。皆に喜んでもらえて嬉しいです。私自身も楽しみなんですよ」と社長は微笑む。
▼人を思いやる気持ちが、顧客との信頼関係を、そしてスタッフとその家族とのつながりを深めている。これからも「和」を大切にすることで、さらなる発展を導くことだろう。

対談を終えて

「お客様のことはもちろん、常にスタッフのことを考えていらっしゃる岩瀬社長。スタッフの皆さんと海外旅行に行くのが夢なのだそうです。これまで様々な会社を訪問させていただきましたが、『中央ダイス』さんのようにスタッフを大切にしている企業は発展されているところが多く、『中央ダイス』さんも今後さらにご活躍されることは間違いないでしょう。陰ながらではありますが、私も応援しています。本日はありがとうございました(渡嘉敷 勝男さん・談)」


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