渡嘉敷 以前は、小学校で教鞭を執られていたそうですね。
那波 はい。4年ほど小学校の教諭をしていましたが、出産を期に退職しました。その後、もう1度子どもたちに接することができる仕事がしたいと思い、地元の塾に5年ほど勤務させて頂きました。その中で、自分の理想とする教育方法を実践してみたいという気持ちが強くなり、「那波塾」として独立したのです。
最初は6人の生徒とのスタートで、寺子屋風の授業で楽しい雰囲気でした。人数が少しずつ増え、今は小学生クラス・中学生クラスと、補助クラスの教科別クラスを設けていまして、小学生クラス・中学生クラスは自分が授業を行い、補助クラスは息子と娘が手伝ってくれています。
渡嘉敷 小学生クラスと中学生クラスの両方を受け持たれるのは、大変ではありませんか?
那波 塾の代表として大切なお子さんをお預かりしているという責任もありますし、自分が考えているやり方を譲れないものですから、つい「自分が自分が」と前に出てしまって。ただ、経験豊富なベテランの塾長さんからは「信頼でき、授業を任せられるような人材を育てられるようになってこそ、自分の力を発揮できるのだ」とアドバイスをいただき、本当にその通りだと思っています。自分のやり方だけにとらわれず、色々な意見に耳を傾け、より子どもたちのためになるやり方を身につけていかなければという気持ちです。
渡嘉敷 「那波塾」さんの特色を、お聞かせください。
那波 うちの塾は、「分かるまでやる」ということに1番重点を置いていますから、間違えた箇所は何度も繰り返しできるまで取り組むという方法をとっています。ワークなども、赤丸つけ・青丸つけなどと分けて、直してできた所は青丸がつくようになっています。もう1つ、夏休みに「サマーワーク」として1日1枚のプリントをすることを約束して、頑張ってもらっています。範囲は前の学年のものにしてあり、夏休みという長い期間に、通常なかなかできない前の学年の復習をしてもらうというものです。1枚に費やす時間は15分〜20分程度ですが、継続することの大切さを子どもたちに教えることを目的としています。もちろん、すべて答え合わせをし、直しをして完成させてもらうわけですが、やり遂げた時の喜びを味わった生徒はみんな、「頑張って良かった」と言ってくれるので、嬉しいです。
渡嘉敷 毎日の積み重ねが大切だということを実感するお話ですね。
那波 本当に何事においても継続することの大切さを実感しています。自分のやり方を実践し、生徒たちもそれに頑張ってついてきてくれるので、自分なりにやり甲斐を感じています。保護者の方の励ましや温かい応援もいただけ、本当に幸せなことと思っています。
渡嘉敷 今後は、どのような展開をお考えですか?
那波 最近では、学歴重視の傾向も薄れてきましたが、やはり努力することで将来の可能性も広がります。そのために、私が生徒たちにできることはすべて精一杯していきたいと思います。また、勉強は楽しいのだということ、理解できることは楽しいのだということを伝えるために、分かりやすい指導を追求したいと考えています。信頼しあえる関係をつくり、いつまでも那波塾生として見守っていけたらと思っています。卒塾生が送ってくれた「先生が教えている限り、僕らが勉強している限り、僕たちは那波塾の一員です」という言葉を宝物に、今後も頑張っていきたいと思います。
|