株式会社 テルテック
代表取締役 廣中 賢二

  

福岡県糟屋郡出身。20歳の頃に通信業界に進み、海外の現場を経験するなど技術の研鑽に努めた。そして33歳で独立。着実に実績と信頼を築き、売上げを伸ばしてきた。現在はグループ展開を目指し、人財育成などにも力を入れている。

●新たな目標に向かって前進する
通信業界に進んで以来、クエートや中国といった外国などで通信網の構築を手掛けてきた廣中社長。技術の研鑽に励み、33歳のときに独立を果たした。通信業界は特に優秀な人財が必要不可欠なため、現在は人財育成に努めながらスタッフのモチベーション向上にも力を入れている。スタッフが目標を持って仕事に打ち込めるよう、今後はグループ会社を立ち上げ、それぞれを適任のスタッフに任せていきたいと展望を語る廣中社長。実現を目指して、1歩1歩前進していくことだろう。

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インターネット関連の光ファイバーなどの躍進でここ数年目覚ましい進歩を遂げている通信業界。「習得しなければならない技術や知識は多いが、やる気をもって取り組めば5年間で一生食べていけるだけの立派な技術者になれる」と「テルテック」の廣中社長は語る。人財育成に取り組みつつさらなる発展を目指す社長に、俳優の佐藤蛾次郎氏がインタビュー!

佐藤 御社は電気通信工事を手掛けていらっしゃるそうですが、まずは社長の足跡からお聞かせ願えますか。

廣中 生まれも育ちもこちら福岡です。20歳のときに通信業界に進み、クエートや中国などの外国で通信網の整備に当たったこともあるのですよ。通信網が整備されていない国は政情が不安定で、クエートに行った際は湾岸戦争の1週間前に帰国しましたし、ヨルダンで作業に当たっているときは戒厳令が敷かれていたため装甲車に銃口を向けられたこともありました。元々独立したいという思いを持っていましたので、33歳のときに退社して起業。1人でスタートを切り、徐々に人員を増やしてきました。現在、社員15名、契約スタッフ約55名で作業に当たっています。

佐藤 通信業界は、光ファイバーが登場するなどここ数年で目覚ましい進歩を遂げているだけに、新しい技術を習得しなければならないなど大変ですね。

廣中 通信業界は身に付けなければならない技術がたくさんありますし、それぞれ覚えるのに時間がかかります。ですが、覚えなければ何もできず、業界で生きていけません。ただし、本人のやる気さえあれば誰でもやっていけます。若い子の多くは夢を持っていませんが、我々大人が夢を与えてあげなければならないと思うのです。1日に1個ずつ技術や知識を覚えれば1年間で300個。しかし、そのうち100個ぐらいは忘れるでしょう。ですが、それを5年間続ければ1000個は覚えられます。20歳で通信業界に進んだ子が、5年経って25歳になったときには立派な技術者に成長しているのです。漠然と働いてきた子とは雲泥の差。そのことを分かりやすく教えてやるのも私どもの務めだと思います。40年間働くとして、最初の5年間に苦労すれば一生その技術で食っていける、そう考えればやる気も出てくるでしょう。

佐藤 なるほど、ものは考えようですね。

廣中 最近は若者の犯罪が多発していますが、最も吸収できる時期を無駄に過ごすのはもったいないことです。一生懸命何かに打ち込んでいれば、悪いことをしようなどと考える暇はないはず。そういった話を若い子にすると、「もっと早く社長と知り合っていれば、無駄な時間を過ごさずにすんだのに」と言ってくれます。若手スタッフのモチベーションを高めるためにも、こういった話をしているのですよ。

佐藤 やはり働くうえで目標を設定し、それに向けてやる気を喚起させることが大事なのでしょうね。

廣中 そうですね。やらされていてはだめで、やはり自主的に動くことが大切です。嫌々しても伸びません。好きだと思うから伸びるのだし、前向きに取り組めるのです。

佐藤 となると、人材育成にも力を入れていらっしゃるのでしょうね。

廣中 ええ。通信業界は工事を手掛ける「人」が商品。人材ではなく、「人財」なんです。安全かつ迅速・丁寧に工事を手掛ける人財を1人でも多く有することが必要不可欠ですから、人財育成には力を入れています。

佐藤 今後の展望についてはいかがお考えでしょうか?

廣中 当社は某通信大手企業の仕事も手掛けているのですが、そちらはグループ会社が約800社あるそうです。それほどの数とはいかないまでも、規模は小さくても構わないのでグループ会社をたくさん立ち上げたいと考えています。そうすれば優秀なスタッフに経営者として頑張ってもらえるでしょう。具体的な目標があればモチベーションは高まりますし、経営者となった後はそれぞれが責任を持って必死に頑張ってくれるはずですからね。

佐藤 本日は熱いお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。これからもますます頑張ってください。

技術を持ったベテランは必要不可欠
新旧の力を融合させて邁進する

▼未曾有の不況に苦しんだ大企業の多くがリストラによって人員を大幅に削減した。主に給与の高い年配社員をリストラしたが、中には組織の再構築が進んでいない会社も多い。廣中社長はそういった現状を鑑み、次のように語る。「ノウハウを持つベテランばかりを削減したため、技術の継承がおざなりになったり、業務において高い質を保てなくなった企業が見受けられます。当社では逆に、高い技術を持った年配の方と積極的に契約スタッフとして契約を結び、活躍してもらっているのですよ。質の高い仕事を施してくれますし、若手に対して技術を継承してもくれています。いかなる企業でも、そういった高い技術を持った優秀な人財がいなければ成り立ちません。特に当社のように電気通信工事を手掛ける企業にとって優秀な技術者は必要不可欠で、そういう人財がいるからこそ安全第一で工事を提供できるのです」。
▼廣中社長曰く、今後は若手の育成によりいっそう力を入れていきたいとのこと。そしてグループ会社を立ち上げ、適任者に任せていきたいという。新旧の優秀な人財が力を合わせて、さらなる発展を目指して邁進していくことだろう。

対談を終えて

「独立当初、廣中社長が約5年で年商5億円を目指すと公言したところ、『無理だ』と言うスタッフもいたそうです。しかし、3年でそれに近い数字を達成。無理だと言ったスタッフもやればできるんだと考えを改めたといいます。『今は何でも無理だと言ってしまう保守的な若手が多い。これは非常に寂しいことです。やりましょうと、前向きに取り組む若者が1人でも増えるようハッパをかけていきたいですね』と社長はおっしゃっていました(佐藤蛾次郎氏・談)」

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