加納 まずは社長の歩みから。社長は以前から警備の仕事に興味をお持ちで?
牧野 いえ、実は私は以前、漫画家を目指していたんですよ。17歳の頃から3年ほど本腰を入れて勉強したのですが、なかなか実を結ばず、異業種への転身を考えるように。そこで20歳の時、建築業界に入ったんです。最初はとにかく「生活のために」という思いから入ったため、長く続けるつもりはありませんでした。でも、仕事を続けるうちにどんどん面白く感じ始め、次第に夢中になっていったんですよ。
加納 どのような部分を面白く感じられたのですか。
牧野 勤めていた会社では工事の際に必要な交通規制の管理も手掛けていました。その時に使う警備員の配置に関する図面を、漫画の勉強をしていた経験を活かして自分で引くようになったんです。それが、交通規制などの計画を立てる際に非常に役に立つと、ご好評戴きましてね。また、工事の際には、現場で働く作業員全てに安全管理の意識を徹底しなければなりません。でも、そのためのマニュアルはほとんどが活字ばかりで、なかなか隅々まで読めないんです。そこで私は、漫画で分かりやすく解説した安全マニュアルを作成。こちらもご好評戴きました。自分の得意分野を生かし、創意工夫して仕上げたものが喜んでもらえることから、交通規制の仕事がどんどん好きになっていったんですよ。
加納 なるほど。周囲からの喜びの声は、仕事への原動力になりますね。
牧野 はい。お陰様で、ゼネコンや発注する側の役所関係からも評価して頂き、発注者側から表彰して頂いたこともあるんですよ。そういったことがきっかけで、「よし、この方法を広めて、日本全国で規制における安全管理が守られるようにしよう」と決意、独立することを決めたんです。平成15年に「日本セフティエンジニア」を興し、安藤取締役などの助けを借りながらこうして事業を続けてきました。私一人ではここまで事業を継続することはできなかったと思います。どんな苦しい時にも一生懸命仕事をして私を支えてくれる取締役やスタッフたちには、本当に感謝しています。
安藤 常にしっかりと話し合って2人で目標を決め、一歩一歩協力して仕事を積み重ねてきたことが、今につながっているのだと思います。
加納 なるほど。社内、社外の人とのつながりを大切にして、成長してこられたのですね。
牧野 はい。独立以前から、会社は違っても仲間として付き合って来た人もたくさんいましてね。今、会社という形をとっているのはその延長のようなもの。「共に泣いて共に笑う、仲間が集まって会社を形成している」と言う感じで……。意欲を持ったスタッフ一人一人が集まって皆で会社を伸ばしていく、そんな組織でありたいですね。
加納 一人一人が高い意識を持てば、仕事の質も高まりますからね。
牧野 はい。交通規制がある中で、よりスムーズな通行を促すには警備員のレベルアップが必要。規制がある中、どこまでドライバーにとっての迷惑を軽減できるかは、警備員次第ですから。安全対策と共に、臨機応変に的確な警備をするための意識啓発も行っています。
加納 では最後に、今後の抱負を。
牧野 会社の経営は、目標通りに進んでいます。次の目標は、協力して事業を行っている同業者との連携を深め、NPO法人などの団体として活動していくこと。この態勢を整えて互いに安全管理の教育、現場での情報交換などを行えば、もっともっと安全管理を徹底できるのではないかと考えているんです。5年以内に実現することを目標に、頑張りたいですね。
加納 私も応援しています!
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