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加納 まずは金子社長の、これまでの歩みをお聞かせ下さい。
金子 学業修了後に就職した会社でたまたまソフト開発に関わる業務に携わり、技術を修得していきました。その後、業務系、制御系、ゲームと様々な開発を経験し、『デジタルデザインシンク』を興しました。当初、ゲーム開発をメインで行っていましたが、サラリーマン時代の取引先などから業務系の仕事が舞い込むようになり、現在は安定した収益の上がる業務系が柱となってます。
加納 実際に立ち上げられていかがでしたか。
金子 「『デジタルデザインシンク』にしかできない仕事をしよう」と、依頼を受ける前に自分で企画書を興し、興味を持って頂けそうな企業に営業をかけていったんです。その結果、幸運なことに取引して下さる企業が見つかり、ひとつゲームを発売しました。その仕事が、実質的な当社のスタートになります。今期で創立10周年を迎えますが、これまで無借金、全期黒字、オフィスは自社所有を実現出来ています。しかし順調にきたかというとそうではありません。社員が増えてくるに従い、自らの未熟さから会社存亡の危機を迎えた時期がありました。お客様のご理解や社員の努力によって脱すことができましたが、いろいろ考えさせられることが多く、このことは、私の大きな糧になっています。
加納 様々な経験をされて今があるのですね。その危機というのを具体的にお聞かせ下さい。
金子 3年ほど前に大きな挫折を味わいました。当時は机上の経営手法しか知らなかったんです。業績が好調だったため、成果ばかり追求し社員の個に対する考えや思いやりが失われていました。結果、社員の半数が退職するという事態になったのです。大きなプロジェクト半ばの出来事だったので納期は守れなくなり損害賠償も含め会社倒産の危機に陥りました。しかし、幸い先方には多大な迷惑をかけたにも関わらずご理解頂き、お陰で倒産の危機は脱しました。その後しばらくは原因がどこにあるのか考えましたがなかなか結論は出ませんでした。
加納 原因は分かりましたか?
金子 はい。結局、「この責任は全て自分にあるのではないか」と問うたところ簡単に結論が出たのです。全ては自分に原因がありました。無意識に自分の責任になることから逃げていたため、なかなか答えが出なかったんです。しかしこのことがあったからこそ今の会社の姿勢が生まれましたし、その後の飛躍にもつながったと思います。
加納 苦い経験をプラスに転化させたのですね。では、どのように変わられたのですか?
金子 簡単に言うと「ビジョンを共有」するということです。共通のビジョンをもった組織は強いんです。しかし経営者の勝手なビジョンではなく、社員の望むものである必要があります。そのビジョンの目的地は何処なのかこのストーリーをシンプルで分かりやすく説き、社員一人ひとりが納得した時、自発的に仕事に取り組めるようになります。この様な組織は凄いパワーが発揮されますね。効果は驚くほど出ていて月30時間以上の残業は殆ど無くなり、品質は以前では考えられない程高くなっています。
加納 なるほど。組織としての動機づけに成功したということですね。そのほかに何か変えられたことはありますか?
金子 モットーである「もっとシンプルに、もっと速く」を実践するということです。これをエンジニアとして実現するには挑戦する力が必要です。しかし挑戦には失敗はつき物、この失敗を非難してしまえば、自信を失うだけで挑戦する心は萎えてしまいます。どこに原因があったのかを分析し本人とともに考えコーチングすることで、次にまたチャレンジする気持ちが湧いてくるのです。
加納 モットーの「もっとシンプルに、もっと速く」を詳しく聞かせてください。
金子 これは常に高品質な商品を生む為の指針でありエンジニアとしての心得です。企画、設計、製作と全ての工程に関わってきます。複雑なものをシンプルにするそこに美を感じ、遅いといわれるものを速くするそこに達成感を得てほしいのです。これは後にお客様に喜ばれ、そして信頼へと繋がりますからね。
加納 今後のご活躍に期待しています!本日はありがとうございました。
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