株式会社 デジタルデザインシンク
代表取締役 金子 博志

  

学業修了後、デザイン関係の会社に勤務。ソフト開発全般に携わり、技術を身につけたことからゲーム製作を手掛ける会社を興し、独立する。その後、ゲームをひとつ販売するも、自身に業務系システム構築の適性を見い出したことから主業務を移行した。

●「『できないこと』を見つめるよりも
どこかに必ずある可能性を模索する」
■自分自身の成長が、会社の成長につながる
業種を問わず、システムの提案・構築を請け負う金子社長の元には、時に全く知らない業界からの依頼も寄せられる。でもそんな時、社長は尻込みするのではなく「必ずできるはずだ」と考えて仕事に臨むという。「できないと思ったら、そこで成長はストップします」と社長。限界点に目を向けるよりも、どこかにあるはずの可能性を模索する会社を成長させるための一歩は、いつも社長自身の一歩から始まっている。

……………………………………………………………………………

業種を問わずあらゆる企業の業務系システム構築を手掛ける『デジタルデザインシンク』。システムの提案から構築、そして提供と、企業のコンサルタントとしての役割も担いながら積極的に歩を進めている同社のモットーは、「もっとシンプルに、もっと速く」。そのモットーを、社内で働く一人ひとり全員が自らの確固たる目標に据え、スキルアップへとつなげている。

加納 まずは金子社長の、これまでの歩みをお聞かせ下さい。

金子 学業修了後に就職した会社でたまたまソフト開発に関わる業務に携わり、技術を修得していきました。その後、業務系、制御系、ゲームと様々な開発を経験し、『デジタルデザインシンク』を興しました。当初、ゲーム開発をメインで行っていましたが、サラリーマン時代の取引先などから業務系の仕事が舞い込むようになり、現在は安定した収益の上がる業務系が柱となってます。

加納 実際に立ち上げられていかがでしたか。

金子 「『デジタルデザインシンク』にしかできない仕事をしよう」と、依頼を受ける前に自分で企画書を興し、興味を持って頂けそうな企業に営業をかけていったんです。その結果、幸運なことに取引して下さる企業が見つかり、ひとつゲームを発売しました。その仕事が、実質的な当社のスタートになります。今期で創立10周年を迎えますが、これまで無借金、全期黒字、オフィスは自社所有を実現出来ています。しかし順調にきたかというとそうではありません。社員が増えてくるに従い、自らの未熟さから会社存亡の危機を迎えた時期がありました。お客様のご理解や社員の努力によって脱すことができましたが、いろいろ考えさせられることが多く、このことは、私の大きな糧になっています。

加納 様々な経験をされて今があるのですね。その危機というのを具体的にお聞かせ下さい。

金子 3年ほど前に大きな挫折を味わいました。当時は机上の経営手法しか知らなかったんです。業績が好調だったため、成果ばかり追求し社員の個に対する考えや思いやりが失われていました。結果、社員の半数が退職するという事態になったのです。大きなプロジェクト半ばの出来事だったので納期は守れなくなり損害賠償も含め会社倒産の危機に陥りました。しかし、幸い先方には多大な迷惑をかけたにも関わらずご理解頂き、お陰で倒産の危機は脱しました。その後しばらくは原因がどこにあるのか考えましたがなかなか結論は出ませんでした。

加納 原因は分かりましたか?

金子 はい。結局、「この責任は全て自分にあるのではないか」と問うたところ簡単に結論が出たのです。全ては自分に原因がありました。無意識に自分の責任になることから逃げていたため、なかなか答えが出なかったんです。しかしこのことがあったからこそ今の会社の姿勢が生まれましたし、その後の飛躍にもつながったと思います。

加納 苦い経験をプラスに転化させたのですね。では、どのように変わられたのですか?

金子 簡単に言うと「ビジョンを共有」するということです。共通のビジョンをもった組織は強いんです。しかし経営者の勝手なビジョンではなく、社員の望むものである必要があります。そのビジョンの目的地は何処なのかこのストーリーをシンプルで分かりやすく説き、社員一人ひとりが納得した時、自発的に仕事に取り組めるようになります。この様な組織は凄いパワーが発揮されますね。効果は驚くほど出ていて月30時間以上の残業は殆ど無くなり、品質は以前では考えられない程高くなっています。

加納 なるほど。組織としての動機づけに成功したということですね。そのほかに何か変えられたことはありますか?

金子 モットーである「もっとシンプルに、もっと速く」を実践するということです。これをエンジニアとして実現するには挑戦する力が必要です。しかし挑戦には失敗はつき物、この失敗を非難してしまえば、自信を失うだけで挑戦する心は萎えてしまいます。どこに原因があったのかを分析し本人とともに考えコーチングすることで、次にまたチャレンジする気持ちが湧いてくるのです。

加納 モットーの「もっとシンプルに、もっと速く」を詳しく聞かせてください。

金子 これは常に高品質な商品を生む為の指針でありエンジニアとしての心得です。企画、設計、製作と全ての工程に関わってきます。複雑なものをシンプルにするそこに美を感じ、遅いといわれるものを速くするそこに達成感を得てほしいのです。これは後にお客様に喜ばれ、そして信頼へと繋がりますからね。

加納 今後のご活躍に期待しています!本日はありがとうございました。

……自然体でスキルアップを……

▼もともとはゲームを作る会社として立ち上げられた『デジタルデザインシンク』。現在は、業種を問わず様々な企業から依頼を受けて、業務系システムの提案・構築を主業務としている。社名も元々の『サーディーン』から変更し、業務の移行と共に再スタートを切った。その変革の背景には、社長自身が業務系システム構築に自身の適性を見いだしたこと、そしてそれを多くの取引先に高く評価され、認められたことにある。
▼モットーは「もっとシンプルに、もっと速く」。モットーに即し、金子社長は常にクライアントにとって使いやすい、作業効率を上げるシステムを構築するよう心がけているという。「この仕事のやり甲斐は、自分で一から考え、提案することができること」。そう語る社長の言葉からは、プレッシャーも仕事への原動力とし、ステップアップを図ろうとする意気込みが感じられる。自然体で仕事に臨み、そして苦労する過程も楽しみながら自らのスキルを上げていくその姿勢が、『デジタルデザインシンク』の発展への礎と言えそうだ。

対談を終えて

「『人にできるなら自分にもできるだろう、いつもそう考え、まずはチャレンジするようにしています』という金子社長のお言葉が印象に残りました。何か新しいことをしようとする時、人はどうしても尻込みしがち。でも『できないかもしれない』と気持ちを委縮させてしまうと、身体も縮こまってしまい、それ以上自分を伸ばすことができません。気負うことなく、常に自然体で仕事に臨むからこそ、社長は自分自身も会社も、成長させられているのでしょうね(加納竜氏・談)」

本記事及び掲載企業に関する紹介記事の著作権は国際通信社グループに帰属し、記事、画像等の無断転載を固くお断りします。Copyright (C) 2005, Kokusai-Tsushin Co., Ltd.